あとはLINEをブロックしたら終わり、今親友と絶交しようとしてる。
私と親友は中学の時に出会った。同じクラスで、デフォルトの席が同じだった。当時オタク道に片足突っ込んでた私は推し作品がある親友とアニメやラノベについて語り合い、お互い影響し合って、いつもおすすめし合ってた。
それから10年、私と親友は何回か大きなケンカをしたけど、なんだかんだ流したりして、ずっと親友だった。
という感じ。
なぜ他の友達とは違うのか。私は共有した時間の長さだと思う。少なくとも私にとって親友は家族の次に私のことを知ってる人だ。
なぜなら、何かあるたびに話したから。夜、虫が出て大変だったこと。朝の満員電車で面白いLINEを打つ人を見かけたこと。今日のランチは学食のラーメンであること。Twitterで更新された推しの情報でテンションが高いこと。
推しとかどうとか関わらず、何でも共有したから、いつも会話が楽だった。何も説明しなくても「この間の〜」で通じる。
だけど、そんな私の性格と違って、親友は秘密主義気味だったと思う。中学の時、テストの点は隠すものだと知ったのは親友が頑なに隠していたから。何年も経ってから、親友は自分の姉を「ねね」と呼んでることを知った。可愛いと思ったのに、私の前では全然話題にしてくれなかった。恥ずかしいと言って。
親友がどの大学に行ったのか、実は今でも知らない。ずっと隠されているから。
なんとなくのエリアはわかるけど、特定できるほどの情報はない。
就職先は流石に教えてくれたけど、一度も家に招待されたことがない。私の家には片手じゃ数えきれないくらい来ている。だけど家が汚いから、片付いたら、とこの10年間一度も招待されなかった。
私たちの間にはそういう根本的な価値観の違いがあって、でもずっと仲良しだった。それはやっぱり、趣味が似ていて、そして何より何でもかんでも共有したからだと思う。
新しい作品に出会ったときはまず、親友にお薦めする。大抵最初は拒否されるけど、なんだかんだ強制的にみることになって一緒に沼にドボンする。でもいつも推しが被らないからランダムで喧嘩することもない。あらゆるイベントに一緒に行った。
楽しかった。いい思い出しかない。だけど、本当は毎回少しずつ不満があったんだと思う。その理由はいつもお金だった。多分お互い、少しケチな性格なんだと思う。そもそも学生だったし、好きなものが多くてお金がカツカツだったから。食事しても、長年の習慣で1円単位で計算した。「5円くらいいいよ〜」とはならない。
きっかけは親友に誘われた劇。私もこの作品が好きだったけど、その当時は冷めてた。親友は「宮城まで遠征したいからついてきてほしい。チケット代出すから」と言ってきた。
チケット代出してくれるなら…まあ旅行だと思えば…と考え、承諾した。
でも親友は推しに熱が入りすぎてて、全3公演全部のチケットを取った。3公演も出してもらったら4万くらいになる。親友は社会人だけど、4万がどれだけ大きい出費なのかは理解できる。
「1公演なら出してもいいよ」本当は冷めてたので1公演も出したくなかったが、1公演だけならと思った。
公演はすごく楽しかった。冷めてたけど、家に帰ってから毎日曲を聴いて、配信を見ていた。親友には報告していない。
遠征中、何か大きな出来事があったわけじゃないけどとにかく空気が重かった。
これまでもあった価値観の違いが、旅行で顕著に出て、そして崩れたんだと思う。
そして3ヶ月ほど経ち、2人で好きだった作品の映画が公開された。
この間何回かやり取りしたけど、もう以前みたいな親しみがない。
私は、今まで生活を共有したかったのは自分ばかりだったかもしれないと思った。友人は別に趣味の話をわざわざ私にしてこない。私が切ったら、この長くて深いと思ってた関係性も終わるんだな、と感じていた。
映画を一緒に見に行くほど気持ちがない。それでも、素晴らしい作品だったから親友は絶対好きになると思った。それで、好きだった昔も思い出して、幸せになってくれればいいと思った。
私はムビチケを持ってなかったけど、友達の1人からムビチケをわざわざ買いとって、コードだけもらった。
「腰重いだろうと思った。無料なら行きやすいでしょ」なんて、プライドに邪魔されて全然優しく伝えられなかった。
2週間後、ようやく返信がきた。内容は
「こんばんは。腰が重いのもあるけどなんかもう色々あって映画を見に行く元気が出なくて勿体ないのでムビチケは自分で使ってくださいな。ありがとう。」
プライド高くて優しくムビチケを渡せなかった私が悪かったかもしれない。無料なら見るだろ、とたかを括ってたからショックだった。
親友がいたから楽しかったのは事実。でももう、その楽しさをリピートするためだけに優しくできない。
これから先、虫が出たら誰に報告すればいいんだろう。
昼ごはんのカップラーメンが美味しいって誰にいえばいいんだろう。
親友と同じくらい親しい人ができた時、またプライド高くてケチになってお金の問題で揉めて、絶交することになっちゃうのかな。そういう不安がある。
だけど、きっと学校とクラスが一緒で席が隣じゃなかったら私と親友は親友になってない。価値観が全然合わないから。むしろ、何回もケンカしたのによくここまで交友が続いたよ。
これから先の未来を共有できないから親友が幸せになれるか勝手に心配してる自分がいる。こうやって文章をしたためてるのも、未練たらたらだからだ。
それに、私ではもう自分が正しかったかどうか判断できない。私が1人大バカで親友を失いかけてるのかもしれない。よくわからないから人生で初めてネットに何かを投稿してる。
これをしたためてる間にも「やっぱり絶交」と「やっぱり仲直り」が何回も頭をよぎった。だけど、楽しかった思い出の裏に不満が常にあったことにもう気づいてしまったから。
来年私が遅れて新社会人になるこのタイミングで、交わらない道にお互い行くのもアリな気がする。
さようなら、これから数年は貴女のこと、忘れられないと思う。将来振り返った時に、本当に楽しかった思い出だけが残ってますように。
(^^)https://www.irasutoya.com/2017/11/blog-post_708.html?m=1