2021-08-26

フォロワー相互ブロックした

フォロワー相互ブロックした。この一年世界を騒がせている感染症のせいだ。

前線ではないけれど地方都市の片隅で医療従事者として働いている。手はこまめにハンドクリームを塗っても消毒でボロボロだし顔はずっとつけているマスクで荒れっぱなしだ。特に職業利用者マスクをずっとつけていられる状態ではなくて、ひたすら感染に怯えながら利用者の人に移さないように仕事をしてきた。

日々強いられる自粛の二文字とは裏腹に職場ではソーシャルディスタンスが守られるわけではない。狭い通り道を向かいからやって来る同僚と体を捻りながら譲り合っていると、密を避けましょうとはなんだろうと考えてしまう。

誰も感染しないことを保証してくれるわけじゃないのに、職業感染リスクを下げろ下げろと口を酸っぱくして言われる。SNSでも医療従事者が自粛をしなければ白い目で見られる。

その間も感染リスクものともせずに県外移動をして観光やらレジャーやら楽しんできた人間感染して運ばれてくるのにだ。

我慢しても努力しても現状はちっとも良くならない。むしろ悪化している。それでも他人自粛を強いてくるのだ。この一年それなりに頑張ってきたけれどもうこの空気に疲れてしまった。

電車に飛び乗れば都心に繰り出せる距離に住んでいながら、趣味プロレス観戦もショーパブ夢の国行きもフォロワーさんとのお喋りもお預けされている。

TwitterのTLでは都心に住んでいるフォロワーさんが楽しそうに遊んだ報告をしているのに指を咥えて見るしかない。こちらが犠牲ばかり払っている気がしてうんざりしてしまった。

ある日ふと自分の中で何かが切れた。「もういいや」と思ってしまった。

友達の中には前線で働いている子もいる。その子の家に泊まったときにもうつらいもう辞めたいという心から叫びを聞いた。

「遊んで罹ったやつ皆死んじゃえばいい」という呪いも聞いた。そのとおりだと今でも思っている。

こちらの努力犠牲を遊び回っている人間は知る由もない。

口では感謝をなんて言っているけれどハメを外して感染した人間は減っていない。

そんな人達のためにこれ以上我慢する義理なんてないと吹っ切れた。親や親しい友人にも相談したら特に反対もされなかった。すり減っていくよりずっといいとむしろ肯定的だった。だから職場には内緒都内に遊びに行くことにした。

一年ぶりに仲のいいフォロワーさんと遊ぶ約束を取り付けて服も買って、朝早くに電車に乗った。

ずっとネットの知り合いのコミュニケーション通話アプリばかりだったので対面の会話が嬉しかったし、念願のショーパブにも行った。

かわいくてキレイでゴージャスなお姉さんたちが舞い踊るのを生で見た。最高だった。ずっとこれが見たかった。写真もたくさん撮ったし、声が枯れるまではしゃいだ。

その夜はホテルも予約して久しぶりに自分匂いがしないベッドで眠った。

何もかもが久しぶりで涙が出そうだった。失われていたけど当たり前にあったものを取り戻した気分だった。

Twitterにも今日のことを投稿した。ほとんどのフォロワーさんが楽しそう!よかったね!と好意的な反応をくれたので、その日のことは何も間違っていないと思う。今でもそう思っている。

続く自粛でべこべこに凹んでいた気持ちがあっという間に戻っていくほどの楽しさはステイホーム中にやったどんなことでも替えがきかない。

ただ一人だけフォロワーさんで違う反応をしていた人がいた。

何年も前から相互で繋がっている人だった。

医療従事者ではないが地方住みなので県をまたぐ遠征はずっと控えていると聞いていた。また職場感染第一号になりたくないからと自粛にも積極的で、よく一緒に通話しては同時に映画再生して鑑賞するといった遊びをしていた。

ネットの付き合いでは長い人だったしウマも合って結構プライベートな話もしていた。

その人がとても否定してきた。

元々県をまたいだ移動をした人や自粛しない人のことを鍵のアカウント愚痴っていた。自分自粛しているだけに他人の行動が許せないタイプの人だった。鍵をかけていない方でもはっきりと県外移動を否定していたこともある。

都内に行く一ヶ月ほど前に隣県に展覧会を見に行ったことをこちらがツイートしてからも、県外移動や不要不急の外出を否定したままだった。

感染者があまりいない隣県に平日友達と行くくらい許して欲しいと思っていたのに、その人は主張を曲げなかった。直接ではないけれど罵られたような気分だった。

今回も直接ではないが「県外に遊びに行く人の気持ちが分からない」とハッキリ切り捨てていた。

この時点で性格のキツさにブロックしようか悩んでいた。

今まで我慢していたのに自制をやめた瞬間叩かれるのはおかしくないかと思ったのだ。十分我慢したのに最初から我慢していない人と同列に語られるのは違うだろう。だけどその人は一定ラインを越えたらまとめて敵なのだ攻撃的な面があるのは知っていたけれど自分に向けられたらと思うとどうしてこれからも仲良くしたいと思えなくなった。

この人と縁を切りたいと思うようになった。

数日度DMが届いた。その人からだった。

都内へ遊びに出かけたことが理解出来ない。私は医療従事者の貴方の苦労は分からないけれど、貴方の行動を肯定する気はない。以前のように接することは出来ないだろうからしばらく距離を置きたいという内容だった。

絶対に分かるわけもない。引き継ぎの度に自粛を呼びかけられるのに職場感染しない保証はない。むしろ利用者のせいで感染リスクは高いくらいだ。荒れ放題の腕や顔に、日々の楽しみは奪われ続けてそれでも働かないといけない。医療従事者だからというただそれだけの理由でだ。医療従事者は人一倍気をつけないといけないという意識にどれほど苦しめられたか一般職のその人に分かってたまるかと思った。

こちらの行動を反省する気はないこと、以前から攻撃的な発言が嫌だったこと、距離を置きたいと言うけれどそこまで言われたら金輪際関わりたくもないし関わってくれるなという内容の返事を書いて送ってから、持っている全てのアカウントブロックした。

親にも友達にも4桁ほどいるフォロワーさんにも否定されなかったのにその人だけが否定してくるのだ。

そんな人いらなかった。

この前も仲のいいフォロワーさんとお茶して来た。たくさんお喋りもしたしその様子をTwitterに上げた。

誰も否定してこない。その人だけがおかしいのだ。

自粛警察なんてこのTLにはいない。自粛自粛自分を締め付けてすり減るより心に正直に生きた方がいい。案外誰も真っ向から否定なんかしない。

これが一番言いたかたことだ。

  • えええーってドン引きしてもまあ直接言う人はなかなかいないからね そっとミュートしてるんじゃないかな

  • お前が感染したって学校を辞めるわけでも会社を辞めるわけでもない 捨てるリスクなんて特にねーだろ 好きにやれ

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