そこではまだ呪術が信じられていた
その島の宿に
独りで泊まっていたのは
僕だけだった
宿の主人は僕のことを大層心配してこう言った
「いい呪術師を紹介してやる」
連れて行かれたのは
森の中にある古びたボロボロの木製の家
部屋の壁には角のある動物の骨と
やたらにカラフルな大きなお面
フードをかぶった
皺だらけのおばあちゃんが
小さな骨を転がした後に
難しい顔をして言った
「アンタには癒やす力がある」
その言葉をふと思い出した
ふふっ、癒す力だって
例えばこんな感じかな
腹を見せて転がっていたセミを掴み
口元まで持っていって小さく唱えた
「ヒール」
するとどうだろう
ジジジと鳴いて飛び立っていった
え?
いやいや、たまたまでしょ
しばらく歩くと
またセミが転がっていた
同じように唱えた
「ヒール」
セミはまた動き出して
ジジジと鳴いて飛び出していった
僕には癒やしの力がある!
興奮した
興奮が冷めやらぬまま
駅に辿り着くと
ポンッと肩を叩かれた
振り向くとまだ若い女性がいて
「あなたの為に祈らせてください」
そう言って目をつむり
僕の額に手をかざした
なんてことだ!
こんな所にも癒やしの力を持つ人が!
僕の同志ではないか
ここは僕も癒やしの力が使えることを
見せてあげなくてはいけない
きっと同志が見つかって
彼女も大喜びすることだろう
僕は彼女の額に手をかざし
大声で叫んだ
「ヒール!」
だけど何だか物足りない
きっとそうに違いない
僕は駅の広場に響き渡る声で叫んだ
何度も何度も
「ヒィィーーールゥーーー!」
「ヒィィーーールゥーーー!」
「ヒィィィィィルゥゥゥゥ!」
彼女は元気になって
エネルギーが満ちたのか
顔を真っ赤にして立ち去っていった
すごい!
この力をもっと
皆に分け与えなくては!
広場を見渡すと
他にも手をかざしている人を見つけた
あんな所にも同志が!
嬉しくて満面の笑みで
早足で近付こうとしたら
手をかざしていた人が
こっちを見た途端
駅の中に走り去ってしまった
ああ
避けられたのかもしれない
次回こそは僕の真の力を見てもらおう
そう思って何度も駅の広場を訪れるのだが
彼らは二度と現れなかった
今回ので一部はてなーからお墨付きも得られたんだし、作家はみんな自分のキャラを自分の政治的意見の代弁者として、アベを崇拝したりアベを罵倒すればいいと思う。
その時もはてなーという心強い味方がいてくれる。
磔だの火炙り打の物騒なこと言う奴は浅慮だと思うけど、その発想の根底に抑止力への期待がないとは言い切れないでしょ
死刑の方法が過激ならそのぶん抑止力も上がる!って思ってるのかもしれないし
わりー 千代田区には無い
それは俺に効く