2018-04-23

サイバーリバタリアンからターナリスト達へ

DNSブロッキングってもしかしてもう始まってるのだろうか。生憎(一般コミック)に興味がないので、例の3サイトやらは使ってないから分からないが。そうだとしても、DNSが塞がれただけならIPアドレスを直打ちするか、hostsファイルを弄って正しい名前解決をさせればいいだけじゃないかなと思う。

ところで、そういう発想がポンと出てこないような低リテラシーなというか、情報弱者層がよく分からないままアホな事してるのを止めたい、ってパターナリズムは少し分かるところがある。何か高度なことをしようと思ったら、それ相応の学習をしなければならない。それが民主的社会を維持するためには必須から人民が賢くあろうとしないと判断能力すら育たない。でも学んだ人間が、意思思想をもってあえてルールを破ろうとする余地が一切残されていない社会健全とは言い難い。もしこうしたブロッキングが進んで、そういう余地が残されなくなってしまったら、本格的に日本社会主義国家とみなされるだろう。

私は、違法行為がなんの知識思想もない人間の手の届くところまで降りてきていることが真の問題だと思っている。昔を思い返せば、マジコンしろ、怪しげな中国企業提供していた無料音楽アプリしろ漫画村しろ、ああいものを利用していたのは無知蒙昧な一般人層だ。本当のギークは、そんな二次三次放流の広告つきサービスなんかには目もくれず、WinMXだとか、Winnyだとか、今だとtorrentだとかのP2Pソフト、あるいはMegaやRapidgatorのような海外アップローダーだとか、そういう所で割れリーチし、海外のなんちゃらHentaiやら、なんちゃらSharingやら、なんちゃらSubsのような、特に広告があるわけでもない、ガイジン有志の熱意と寄付運営されている海外フォーラムサイト英語にめげずに巡回していたはずだ。そうしたサイト上で形成されたコミュニティーでは、同好の士独自ポリシーを持って勝手アニメカルチャーを広めている。功罪あれど、役人たちがクールジャパンと呼ぶもの実態はそうした活動によって広まっていった側面が決して小さくない。例えばアニメについてはrawブラックだろうが、そもそも日本アニメがきちんと海外配信に向き合ってこなかったこと、字幕を機敏につけられる体制がなくファンによる違法subに頼るしかない状態が続いていることが元凶になっている。ゲームROMのような権利的に完全にアウトではあるがハッキングコミュニティと繋がっているものもあり、また海外ポルノ投稿サイトが最もブラウザ脆弱性を知り尽くし裏をかい広告を表示させる技術力を持っていたりするのもそうだが、大きく捉えればコンピュータ技術の発展とウェブアンダーグラウンドは切り離せない。そうした繋がりをパターナリズムによって断絶させようとするのなら、人間健全消費者になるどころか、ますます愚かで思想を持たない一般人で埋め尽くされるようになるだろう。低い者に合わせようとした結果だ。

そして、そうなった時代コンテンツ未来はどうなるかというと、すべてが同人活動になっていくだろう。既に絵や漫画twitterpixivを漁れば十分な量の娯楽が、絵師さんたちの手で自ら無料で公開されている。そこで絵師さんたちが求めているのは共感評価であって、貨幣ではない。その傾向が加速して、コンテンツに対価を払うとか面倒くさいことは避けて、自給自足で楽しみ合おうじゃないか、という世界になるだろう。動画制作も、ゲーム制作も、より誰でも手軽に十分な品質のものが作れる環境が急速に整ってくるだろう。Vtuberの人気もそのコンテキストで見ることができる。技術環境さえ整って個人Vtuberリッチな絵面になれば、より自由度の高い個人の方が強くなってくる。そして広告案件すらださずに伸び伸びと演じるキャラクターの方が好かれるようになってくる。そうやって貨幣でない評価基準に価値見出し、「足るを知」った人たちによる狭小住宅ならぬ狭小エコノミー多数派になる。経済的にみると泡沫のようなもの多種多様に出てくるだけだ。そこには国家が望むような経済的成長はないだろう。

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