催眠アプリってのは、いつの間にかスマホにダウンロードされているアプリで、それを起動して相手に画面を見せるか、カメラでとると意のままに相手を操ることができるというエロ同人界隈で大活躍のアプリである。
土曜日の朝に起き、グラブルのガチャピンモードが10連で止まり、ムックモードも不発、せめて潤いのない人生で水着ギャルに囲まれて暮らすにはゲームしかないっていうのに神はあまりにも残酷だ。
そのいらだちをいかにもモブって感じの絵から最近男に恋をしだしたからか美少女になったイオたんのエロ画像で抜こうとpixivを起動しようとホーム画面に戻ると、そのアプリはあった。
・このアプリの画面を見せるか、写真を取ればその人物はあなたに従順になる。
・このアプリは日曜の朝が訪れると自動でアンインストールされるが効果は一生続きます。
実在したのか、という驚きと共に、素晴らしい力を得た感動で、早速誰に使おうか算段する。
期限は日曜日までだ。
まず、女友達のK子。
高校生の時、巨乳だからと下心ありありで近づいたが結局友達止まりで、趣味が漫画で話があうものだから高校生のオタクグループ数人と共に交流している。
28歳で結婚し、今でも「勇気を出していれば」と考えてしまう。
しかしよく考えたらK子ももう2児の母。Twitterでは子育てを頑張っている様子と、旦那と喧嘩をしながらも幸せな家庭を持っている事を実況している。
いい女にはいい旦那がつく。結婚相手も自分なんかが到底敵うはずもない完璧な人だ。一緒に何回か付き合いで飲んだこともあるが、その度「K子は良い人と付き合えてよかったな」と感動するほどだ。
俺にこれをぶち壊して、あまつさえそれ以上の幸せを提供できるのか、そう考えたらK子はなしだ。友人に毒牙をかけようなんて無理な話だ。
駅前に行くとファッションモデルさながらの若い女が目につく。この中の誰でもこのアプリにかかれば俺のものになる。
眼の前を征く女子高校生二人組が見える。やはり催眠アプリといえばJKと決まっている。見た所部活帰りだろうか。
カメラでとるため近づくと会話が聞こえる。
「来年は絶対にコンクール優勝しよう」「うん、うちらが引っ張っていかなきゃ。」「去年いいところまでいったの、先輩達だけの力じゃなかった事を証明しよう」「1年の子も頑張ってくれているし絶対優勝できるよ。」
何かの文化部だろうか。来年3年生になって、部活に掛ける思いが伝わってくる。
シャッターを押す、
事を躊躇う。
彼女たちは自分のド直球だ。清楚な感じの青春ガール。言うならばラブライブ!の主要人物だ。それを生身にしたような人間が目の前にいる。
彼女たちの夢と、ラブライブ!の主要人物たちの夢が重なる。彼女達に無理やり催眠アプリを使い従わせることは彼女たちの夢を壊すようなものではないか。
ラブライブ!のエロ同人でたくさん抜いたが、それはエロ同人の世界なら本編に影響を及ばさないからだ。では、この催眠アプリはどうだ。現実に「本編」と「同人」なんて境はない。
押せなかった。遠くなるJKの背中を見送りながら、人が少ない方に逃げるように走るのであった。
休日だからか親子が多い。こういう公園の親子も催眠アプリでは定番のターゲットだ。
スマホを構える…が、頭の中に浮かぶのはK子であった。彼女たちも細部はわからないがきっとK子と同じように幸せなのだろう。
昼はだめだ。夢に溢れすぎている。
夜だ。
早速、安いファッションヘルスのいる以前から目をつけていた女に予約をいれる。
個室で話をするのだからちょっとスマホを見てもらうだけでいい。簡単だ。
「ありがとうございます、M美です、今日はお願いします。」
M美は元気にハキハキと話をする。
スマホを取り出す口実を作るとM美は
という、早速「マジで?俺のデータみる?」と催眠アプリを立ち上げた画面を見せる。
…
ここからどうすればいいんだ?
2分ぐらいの沈黙が続いただろうか、「じゃぁ早速はじめてもらおうか」というと、M美は服を脱ぎだす。
無言だ。
いつもどうやってる?いや、よく考えたらこういう店を利用する時は嬢にいろいろやってもらっていたんだ。
てか、この後、連れ出せたとしてどうすればいい?
店の人に見つからず連れ出せるのか?
どうすればいい?
どうすればいい?
「あ、すみません、ちょっとウトウトしちゃったみたいで。早速はじめますね。」
と言ったところで、終わりのアラームがなる。催眠アプリを使い連れ出すからと一番短いコースにしていたのだ。
M美は「すみません、すぐしますね」といい早速はじめ、M美のペースに流されるまま5分もしないうちに果てるのだった。
店から出て、夜の街を歩く女を見て、最後のチャンスだと思い品定めをする。
しかし、夜の街に一人で歩いている女はおらず、集団か男と一緒だ。
そうか、夜の街に俺の居場所は無いんだ。
行きつけの中華料理屋により、ビールと餃子、そしてこってりラーメンを頼んで、ほろ酔い気分で帰宅。
そのまま布団に潜り込み朝まで眠るのだった。
俺は最高のチャンスを棒に振って終わった。
でもそれでよかったのかもしれない。俺のエゴの埋め合わせはいつか必ずしないといけない。
そんな事を考えながら、ガチャピンのせっかくの30連も棒に振るのだった。
薄い本でやれ
とても良い
いかにもモブだったのは増田だったという話
まあ普通の感覚ならそうなるよな。よく分かるよ。 ところで推察するに、この怪現象の黒幕として裏で糸を引いているのは、間違いなくガチャピンとムックだな。 奴ら、いつからグラブ...
うんち