はてなキーワード: 隠れた瑕疵とは
こんにちは。不動産会社に勤務しているものです。ブコメで書ききれなかったのでこっちに来ました。
判例を見ると、建築が普通にできてしまっているのはちょっと元増田に不利かもです。契約不適合が認められない可能性があります。
Xは、土壌汚染の可能性を認識したうえで倉庫の敷地として使用することを想定して本件土地を購入し、現在も本件倉庫の敷地として使用しているのであって、本件鉛がXの本件土地利用に与えた影響について具体的な主張立証はないから、本件鉛が本件土壌等をもたらした油分に由来するとしても、契約当事者間において予定されていた品質又は性能を欠き、隠れた瑕疵に当たるとは認められない
ただ、これは瑕疵担保責任の判例なので、「知りえただろう」みたいな無過失が問われなくなった契約不適合責任では少し違う結果になるかもしれません。
『保証は3か月』が契約不適合責任の期限だとすると、すでに発見時に売主の免責となっていることになりそうです。
ただ、売主に悪意・重過失がある場合はそうならない場合もあり得ます。
担保の責任を負わない旨の特約をしたときであっても、知りながら告げなかった事実及び自ら第三者のために設定し又は第三者に譲り渡した権利については、その責任を免れることができない。
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%B0%91%E6%B3%95%E7%AC%AC572%E6%9D%A1
判例としては、瑕疵担保責任のものですがこのようなものがあります。
売買契約における「買主の本物件の利用を阻害する地中障害の存在が判明した場合、これを取り除くための費用は買主の負担とする。」との特約が、売主の重過失を理由に効力が生じないとされた
Y1は、Xに対し、瑕疵担保責任を負わない旨が記載されていたとの事実を認めることができる。しかし、X及びY1は、本件土地がガソリンスタンドとして使用されていたことを認識した上で、地中埋設物の存在を前提に本件売買契約の代金を減額するなどの話合いをしたことはない。また、両当時者は、本件契約締結の際、本件土地境界線に、本件埋設物の一部が露出していることを認識しており、Y1主張の瑕疵担保責任免除特約は、この点を指しているとみることもできる。以上から、Y1は、瑕疵担保責任免除特約を理由に瑕疵担保責任を免れることはない。
おそらく、「告知書」を作成しているだろうと思いますので、そこに地中埋設物についてどのように書いてあるのか、確認してみてはどうでしょうか。
BOOTHの利用規約とその魚拓を載せたのと、消費者契約法8条では過度に免責する規定は無効
第8条
一 事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除する条項
二 事業者の債務不履行(当該事業者、その代表者又はその使用する者の故意又は重大な過失によるものに限る。)により消費者に生じた損害を賠償する責任の一部を免除する条項
三 消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不法行為により消費者に生じた損害を賠償する民法 の規定による責任の全部を免除する条項
四 消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不法行為(当該事業者、その代表者又はその使用する者の故意又は重大な過失によるものに限る。)により消費者に生じた損害を賠償する民法 の規定による責任の一部を免除する条項
五 消費者契約が有償契約である場合において、当該消費者契約の目的物に隠れた瑕疵があるとき(当該消費者契約が請負契約である場合には、当該消費者契約の仕事の目的物に瑕疵があるとき。次項において同じ。)に、当該瑕疵により消費者に生じた損害を賠償する事業者の責任の全部を免除する条項
前項第五号に掲げる条項については、次に掲げる場合に該当するときは、同項の規定は、適用しない。
一 当該消費者契約において、当該消費者契約の目的物に隠れた瑕疵があるときに、当該事業者が瑕疵のない物をもってこれに代える責任又は当該瑕疵を修補する責任を負うこととされている場合
二 当該消費者と当該事業者の委託を受けた他の事業者との間の契約又は当該事業者と他の事業者との間の当該消費者のためにする契約で、当該消費者契約の締結に先立って又はこれと同時に締結されたものにおいて、当該消費者契約の目的物に隠れた瑕疵があるときに、当該他の事業者が、当該瑕疵により当該消費者に生じた損害を賠償する責任の全部若しくは一部を負い、瑕疵のない物をもってこれに代える責任を負い、又は当該瑕疵を修補する責任を負うこととされている場合
元増田様の優しい言葉を真に受けてうんこ記事Lv.2を送ります。恥ずかしいけど私もわかるようになりたい。
起案の手引き記載例p8の9
同時履行の抗弁、解除権消滅の抗弁のほか、(ク~コ)もありそう(類型別p14のウ(イ))。
類型別p.13に以下のようにあるので、不当利得返還債務も目的物の滅失を抗弁として主張しうるのではないでしょうか。
内容が実現不能になることによって債務は消滅する
解除前の法律関係が売買契約のような双務契約であっても、解除後の関係は双務契約ではないから、解除後の原状回復義務相互間は牽連関係がなく独立に存在する。
この説の原則例外を素直に考えると、原告は履行不能だけで抗弁主張でき、原告有責が被告の抗弁に回ることになりそうです。ただ、履行不能の免責につき債務者が無過失の立証責任を負うこととの均衡から、原告に無過失まで主張させるというのも悪くないように思えます。前者だと立証責任からみて解除権消滅の抗弁に対する独自の意義がないようにも…。
原告有責と想定すると、被告は相殺の抗弁を主張できそうです(基づく引渡し∧履行不能(∧原告有責)∧意思表示)。
この説からは、原告の過失問わず原状回復義務は価額返還義務に変わるので、原告は履行不能のみで抗弁主張しうるのではないでしょうか。被告は常に相殺の抗弁を主張できそうです(基づく引渡し∧履行不能∧意思表示)。
解除に伴う原状回復としての不当利得返還請求権は、契約関係の清算・巻き戻しであるので、当初の契約関係と同様に存続上の牽連性を認める。
この説からは、目的物を占有する原告が危険を負担することになり(536条1項類推)、原告は債権者主義(536条2項)類推の抗弁を主張するように思います(履行不能∧被告有責)。
問題は、被告は請求原因に対する独立の抗弁として536条1項類推を主張できるのではないか、その場合の抗弁事実はどうなるか、上記原告の抗弁(536条2項類推)との関係は?ということですが、536条1項について考えられる組み合わせとしては…
\ | 被告の抗弁 | 原告の再抗弁 |
---|---|---|
1 | 履行不能 | 被告有責 |
2 | 履行不能∧原告無責 | 被告有責 |
3 | 履行不能∧被告無責 | |
4 | 履行不能∧原告無責∧被告無責 |
536条1項の文理に素直なのは4ですが、立証の負担が重く、原告無責を被告に主張させる点で履行不能の免責につき債務者が主張立証責任を負うこととの均衡が気になります。2も同様です。3は債務者主義を原則とする制限説からすると例外にあたる債権者主義を主張したい原告に被告有責を主張させるべきではないか、上で原告に536条2項類推の抗弁(履行不能∧被告有責)を認めたことと矛盾しないか、問題となりそうです…。
文理からは遠くなりますが実は1がいいような気がしていて、元記事の疑問上段に賛成です。被告は請求原因に対する独立の抗弁として債務者主義(536条1項)類推の抗弁(基づく引渡し∧履行不能)を主張でき、原告は債権者主義(536条2項)類推の再抗弁(被告有責)か危険負担排除特約の抗弁(危険負担排除の合意)を主張することになるのではないでしょうか…。
この説に言及のある資料はありませんでした。しかし、危険負担を類推するなら特定物の債権者主義についての解釈がこの場面にも影響を及ぼすように思うのですが…どうでしょうか。
534条1項類推で処理すると、原告は債権者主義(534条1項)類推の抗弁(履行不能∧原告無責)を主張できそうです。
内田先生が推されている立場かと思うのですが、契約の対価が均衡を欠いていた場合を考慮して、536条1項類推で処理しながら、時価相当額の返還債務存続を認めるようです。
ただ、被告有責の場合は原状回復義務の消滅を認める(536条2項類推)ようなので、危険負担類推説①と同様に、原告は536条2項類推の再抗弁を主張できそうです(履行不能∧被告有責)。
この説からは、危険負担類推説①と異なり、被告は請求原因に対する独立の抗弁として536条1項類推を主張することはできないように思います…。
以下の整理で問題点があれば指摘していただきたいです。
買主:A(原告)
売主:B(被告)
代金支払と目的物引渡しは既済
引渡後に目的物が滅失(滅失に係る各当事者の帰責事由は不明:場合分けをせよ)
そもそも、これが要件事実となるのか?
民法の体系書を読んでいると、被告の抗弁として最後の2つ(危険負担と相殺)が挙げられてましたが、同時履行の抗弁権を主張した場合について触れられていなかったので、このような整理ができるのではないかと考え、メモしてみました。