2013-02-22

http://anond.hatelabo.jp/20130219000739

元増田様の優しい言葉を真に受けてうんこ記事Lv.2を送ります。恥ずかしいけど私もわかるようになりたい。

請求原因

起案の手引き記載例p8の9

抗弁

同時履行の抗弁、解除権消滅の抗弁のほか、(ク~コ)もありそう(類型別p14のウ(イ))。

  • ク)悪意の抗弁
  • ケ)過失の評価根拠事実
  • コ)除斥期間の抗弁(570条、566条3項)
  • サ)解除権消滅の抗弁(548条1項)
  • シ)同時履行の抗弁(571条、533条)

同時履行の抗弁に対して

類型別p.13に以下のようにあるので、不当利得返還債務目的物の滅失を抗弁として主張しうるのではないでしょうか。

内容が実現不能になることによって債務は消滅する
  • 債務一般に認められる履行不能の抗弁と考えたのですが、本件で問題となるのは不当利得固有の利得消滅の抗弁(?)なのでしょうか…。

(以下、学説の呼称含め勘違いしていたらごめんなさい)

独立

解除前の法律関係売買契約のような双務契約であっても、解除後の関係双務契約ではないから、解除後の原状回復義務相互間は牽連関係がなく独立存在する。

独立説①
独立説にたちつつ、原告有責の場合は公平の観点信義則?)から例外的に原状回復義務を存続させるべきと考える。

この説の原則例外を素直に考えると、原告履行不能だけで抗弁主張でき、原告有責が被告の抗弁に回ることになりそうです。ただ、履行不能の免責につき債務者が無過失の立証責任を負うこととの均衡から原告に無過失まで主張させるというのも悪くないように思えます。前者だと立証責任からみて解除権消滅の抗弁に対する独自の意義がないようにも…。

原告有責と想定すると、被告は相殺の抗弁を主張できそうです(基づく引渡し∧履行不能(∧原告有責)∧意思表示)。

独立説②(価額返還説?)
独立説にたちつつ、現物返還が不可能な場合の価額返還義務は、買主の保管義務違反というような帰責事由に基づく損害賠償請求権ではなく、解除による原状回復特有のものであると考える。

この説からは、原告の過失問わず原状回復義務は価額返還義務に変わるので、原告履行不能のみで抗弁主張しうるのではないでしょうか。被告は常に相殺の抗弁を主張できそうです(基づく引渡し∧履行不能意思表示)。

危険負担類推

解除に伴う原状回復としての不当利得返還請求権は、契約関係の清算・巻き戻しであるので、当初の契約関係と同様に存続上の牽連性を認める。

危険負担類推説①(牽連説?)
特定物債権者主義に関し制限説をとる(支配の移転まで536条1項で処理)。

この説からは、目的物を占有する原告危険負担することになり(536条1項類推)、原告債権者主義(536条2項)類推の抗弁を主張するように思います履行不能被告有責)。

  • ということで元記事問2の上段「危険負担類推説に立った上で牽連説による場合~」という指摘に賛成です。後半の「独立説による場合も~」という指摘が理解できないのですが、私の学説の整理自体間違っているのかも…ごめんなさい。
  • 手元の資料に債権者有責の場合適用条文を明示したものはありませんでしたが、536条1項が類推できるなら同2項も類推できると考えてよいですよね…。
  • 原告不法行為責任を自認しつつ(履行不能原告有責)同時履行関係は否定するという主張は成り立ち得ないように思います。理由は、債務者有責の場合危険負担の問題とならないこと(危険負担の問題とならないのは当初の原状回復義務が存続するからですよね、とすれば同時履行関係も否定はできないのでは)、536条2項類推履行不能被告有責)の主張に失敗したときは大人しく536条1項類推で請求原因を諦めれば済むこと(自分の過失を自認すると、判決理由中の判断に既判力が生じないとしても、信義則による主張制限等で後々の不利を招きかねない)、解除権消滅の抗弁が認められてしまうこと、でしょうか…。

問題は、被告は請求原因に対する独立の抗弁として536条1項類推を主張できるのではないか、その場合の抗弁事実はどうなるか、上記原告の抗弁(536条2項類推)との関係は?ということですが、536条1項について考えられる組み合わせとしては…

被告の抗弁原告の再抗弁
履行不能被告有責
履行不能原告無責被告有責
履行不能被告無責
履行不能原告無責∧被告無責

536条1項の文理に素直なのは4ですが、立証の負担が重く、原告無責を被告に主張させる点で履行不能の免責につき債務者が主張立証責任を負うこととの均衡が気になります。2も同様です。3は債務者主義を原則とする制限説からすると例外にあたる債権者主義を主張したい原告被告有責を主張させるべきではないか、上で原告に536条2項類推の抗弁(履行不能被告有責)を認めたことと矛盾しないか、問題となりそうです…。

文理からは遠くなりますが実は1がいいような気がしていて、元記事の疑問上段に賛成です。被告は請求原因に対する独立の抗弁として債務者主義(536条1項)類推の抗弁(基づく引渡し∧履行不能)を主張でき、原告債権者主義(536条2項)類推の再抗弁(被告有責)か危険負担排除特約の抗弁(危険負担排除の合意)を主張することになるのではないでしょうか…。

危険負担類推説②
特定物債権者主義について無制限説をとる(支配の移転を待たず534条1項で処理)。

この説に言及のある資料はありませんでした。しかし、危険負担類推するなら特定物債権者主義についての解釈がこの場面にも影響を及ぼすように思うのですが…どうでしょうか。

534条1項類推で処理すると、原告債権者主義(534条1項)類推の抗弁(履行不能原告無責)を主張できそうです。

危険負担類推説③
危険負担類推するが、この場合危険負担は存続上の牽連性としてではなく「各人は自らの支配領域で生じたリスク負担すべし」という発想であると修正して考える。

内田先生が推されている立場かと思うのですが、契約の対価が均衡を欠いていた場合考慮して、536条1項類推で処理しながら、時価相当額の返還債務存続を認めるようです。

ただ、被告有責の場合原状回復義務の消滅を認める(536条2項類推)ようなので、危険負担類推説①と同様に、原告は536条2項類推の再抗弁を主張できそうです(履行不能被告有責)。

この説からは、危険負担類推説①と異なり、被告は請求原因に対する独立の抗弁として536条1項類推を主張することはできないように思います…。

相殺の抗弁を主張することは可能であるように思います(基づく引渡し∧履行不能意思表示)。

記事への反応 -
  • 以下の整理で問題点があれば指摘していただきたいです。 買主:A(原告) 売主:B(被告) 売買目的物は動産 代金支払と目的物引渡しは既済 引渡後に目的物が滅失(滅失に係る各当事...

    • 元増田様の優しい言葉を真に受けてうんこ記事Lv.2を送ります。恥ずかしいけど私もわかるようになりたい。 請求原因 起案の手引き記載例p8の9 あ)原告の損失 い)被告の利得 う)あ...

    • 宿題か何か?

    • こんなところ(!)で質問せずに教授に質問しに行った方がいいですよ。そして私にも教えてください>< 一応、少し考えてみたことを書いてみます…。初めて書くのでトラックバック...

    • トラックバックしたの消せないのかよちくしょおおおお!!!!しかも初版が残るのかよおおおお…(`; ω;´) 的外れなうんこ記事送信してごめんなさい。死にたい。

      • 元増田です。 先生のところへ質問に、というのはたしかにその通りです。 が、前に書かれてたのを読みそびれてしまったのでまた書いてもらえると嬉しいです!

    • 元増田様の優しい言葉を真に受けてうんこ記事Lv.2を送ります。恥ずかしいけど私もわかるようになりたい。 請求原因 起案の手引き記載例p8の9 あ)原告の損失 い)被告の利得 う)あ...

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