2023-07-14

社会保険料MMT(金融政策)の話

社会保障制度社会保険料の話>

社会保障制度とはどういう制度なのかというと、個人的リスクである生活上の諸問題について、相互扶助による保険料による支え合いを基本とし、上記の諸問題から国民保障し、医療介護などの社会的サービス現物給付する制度です。

ここで挙げられるように、「個人的リスク」とは疾病を示すことがほとんどです。

リスクという言葉が用いられるように、金融工学でその用語規定されており、リスク=発生確率×危害の影響という分解式が成り立つのですが、ここで重要ポイントがあります

保険における根本概念とは「少数確率で発生する望ましくない事柄に対して大多数でリスク分散する」という点です。

そのため本来は「老化」に起因するものは全員に発生することなので高確率で発生しすぎるあまり不確実性がないということであり、リスク商品の中でカバーすべきではないものなのです。

まり、「いつかはみんな老いるんだから」という理由社会保険料正当化をすることは、それ自体が誤りであるということを含んでいます

財政政策の話>

近年MMT(Modern Monetary Theory)という経済政策議論に上がります

時刻単体での通貨発行権利を持つ日本においてはその買手が国内であるならばいくら国債を発行し続けても、インフレーション観測されるまで続けられるという考え方です。

この考え方はケインズ経済学に近い部分もあり、穴を掘って埋めるだけでもその経済的価値はあるというものです。

しかし、MMTには問題点があります、それは為替リスクです。

通過はその希少性によって価値定義されていますが、MMTのように財政出動を続けると1円の価値が大幅に下落します。

グローバル資本主義が行き渡った現在においては、自国内ですべての資材・エネルギーを確保しているわけではないため、為替リスクしわ寄せされます

円の価値が落ちるため、エネルギーや資材の単価が高騰します。

現状、日本20年以上も実行できなかったインフレを望まない形で達成しつつあります

日本を襲うインフレ

インフレには2パターンあり、デマンドプル型のインフレコストプッシュ型のインフレです。

デマンドプル型のインフレは、需要高まることによって高く売れるためインフレになることです。

一方、コストプッシュ型のインフレとは、材やサービス提供に関わる原材料労働力価格が高騰することで発生します。

現在襲っているのはコストプッシュ型のインフレです。

こうなると本来は、物価の安定を目的として金利を上げるべきですが、そうすると国内の消費は更に冷え込むことになります

現在日銀が悩んでいるのはここです。

世界全体がインフレにひた走る中で、日本金利を上げられない。

金利差によって、更に日本円安は進む形で、コストプッシュ型のインフレは加熱していきます

外国金利を上げてインフレコントロールする中、日本はその余力が無い。

一人あたりGDP可処分所得が全て下がっている中で日本けがインフレではなく、厳密に言えばスタグフレーションに突き進んでいます

金利コントロールがない状態での国内経済の立て直し方>

金利での経済コントロールができない場合、そのビルトイン・スタビライザーとして残された手法は「減税」です。

減税をすれば可処分所得余地が生まれ対外的為替に影響することな国内経済は加熱をさせることができます

まり、今すべきことは減税であるのですが、政府がこれに踏み込めない大きな理由があります

それは、日本国債発行の行き先が、通常の国債発行ルールとは異なる部分に注ぎ込まれており、今更その見直しができないからです。

まり支出先の削減ができないのが問題です。

<当初の国債発行のルール

国債とは、国が発行する債権のことであり、多くの場合市中銀行を介して国民保有する形となります

自国民にとっては為替リスクデフォルトリスクが低い、極めて無リスク的な商品として認識されます

国債を発行する当初の理由としては、橋や建物など長期的にみんなで消費していくものに対して先行投資することで、経済成長を促すというものです。

会社で言うところの減価償却概念と同じです。

そのはずなのに、現在日本国債発行の支出先は、社会保険年金医療費の公費負担)です。

これらは本来国債発行を利用してまで補填されるべきものではありません。

なぜなら、「国債を発行する当初の理由としては、橋や建物など長期的にみんなで消費していくものに対して先行投資することで、経済成長を促すというものです。」だからです。

それにも関わらず、国債の発行が続くのは「命は何よりも重い」という考え方が浸透しているためです。

医療日本の主要産業にしようという間違い>

一方で、積極財政派の人々は「支出先が医療であるなら、医療セクターを中心にして内需が潤う」という考え方がありますが、全くの間違いです。

自費での医療ならたしかにそうなりますが、公費支出保険診療)ならば、結局はそれにより税収に不足が起き、増税国債発行が繰り返され、実質的な円の価値は落ち続けます

これはタコ自分の足を食べている状態です。

MMT信者自国内だけでなく、グローバル化が進んだ為替の影響についてもっと考えをめぐらすべきです。

<まとめ>

日本現在問題点は、社会保障制度にあり、国債発行をして補填されればされるほど、通貨価値は落ち、スタグフレーションが進行します。

社会保険の考え方である保険」の概念に改めて立ち返り、「少数確率で発生する望ましくない事柄に対して大多数でリスク分散する」という点で老化にまつわる医療制度見直しを行うことが最も重要なのですが、高齢者がマス層となってしまった日本には民主主義方法論を用いてその立て直しが難しくなりつつあります

  • MMTer が Web3 を推してました。やっぱり、詐欺ですね。

  • コストプッシュインフレは供給小だから合致する供給の増産が解だぞ。 1970年代にオイルショックが襲って、当時は石油の代替ってなかったからどうしようもなかったからケインズ主義は...

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