2019-10-09

職場アスペルガーくんが厄介すぎる。」を読んだ

職場アスペルガーくんが厄介すぎる。

https://note.mu/g_g_g/n/nd1ffa894b0cf

これを読んだ。今話題になっているnoteだ。

タイトルだけ見たら障害者差別的ものに見えるが、実情は少し異なる。まだの人はとりあえず読んでみて欲しい。

これを読んで自分は「まさに過去自分のものだ」と思った。この筆者の気持ちが手に取るように分かった。

自分学生時代バイトしていた小売店。そこにこのnoteで語られる所の「アスペルガーくん」に非常に近い人物がいた。

一言で言うと極端に仕事が出来ない人物だった。

彼がアスペルガーだったのか、それともADHDなど他のものだったのか、それともただの「無能な健常者」だったのか、専門家でない自分には判断出来ない。だが彼の挙動が明らかに他の人と異なっていた事だけはあまりにも確かだった。

彼が仕事が出来ない分、バイトリーダーだった自分にツケが回った。彼は寝るとすべてを忘れてしまうので、彼と一緒の時だけ気が付いたら2倍3倍の仕事をしていた。毎回見事に失敗してくれるのでこいつがいなければずっと早く終わるのになと思っていた。

しかもそれだけ面倒を見て泥をかぶっているにも拘らず彼と全く同じ時給なのだ。なんでだよ。

ある日休憩室でパートマダムたちと話していると、「あの子ってホント仕事出来ないわよね」「早く辞めないかしら」「なんであい首にしないの?」という彼の話題になってしまった。

そのマダムたちは大変陰湿だったので、次第に彼にだけ挨拶をしないとか、そういう事をやり始めた。自分は加担しなかったがそんな感じの軽いいじめみたいな環境になってしまった。

自分には発達障害の友人もいる。だからそういう差別をしたくはなかった。差別をしてはいけないと思っていた。

マダムたちに一言言ってやりたかった正義感もあった。でもどこかにあった「早く辞めてしまえばいいのに」「そうすれば自分も楽になれる」という気持ちに勝てなかった。最低だったと思う。

ああこれが差別なのか。絶対差別はしちゃだめって思ってたのに。

バイトリーダーとしての責務。

差別をしてはいけない正義感

マダムたちとの板挟み。

今日も2倍になる仕事

でも時給は同じ。

まりストレスに彼のシフトの時だけ胃薬を飲んで出かけるようになった。頭も痛かった。店の前に来るといつも吐き気がするようになった。

絶対にやってはいけない事だと分かっていながら「それ聞くの何回目?」という刺々しいセリフが口からでた。

彼は「僕ここの仕事向いてると思うんですよね!ここの正社員になりたい!」と言い始める。休憩室のマダムが「何も仕事出来ないのに無理に決まってんだろ」という愚痴る。

絶対暴言なのに、悪口なのに、どちらかに同意するとしたら後者になってしま自分がいた。

彼が憎い。

勝手に失敗して尻ぬぐいを押し付ける彼が憎い。

言った事すらやらない彼が憎い。

自分の足を引っ張るだけの数時間で同じ時給を得ている彼が憎い。

また胃薬をもらいに行かなければ、治療費がかさむので彼が憎い。

お前のせいで。



……

で、

ここからが本題。

自分にとって幸いだったのは、ある時この彼への深い憎しみの感情の矛先を別のところへ変えることが出来たことだった。


もしかしてこの職場がクソでは?」

まず明らかに適性のない彼を雇ってしまガバガバ採用面接

能力にかかわらず賃金統一するやる気のない評価システム

明らかに彼の挙動おかしいのにすべてのフォローパートアルバイトに丸投げする態勢。

裏とはえ店内で従業員悪口が飛び交う民度環境の悪さ。

そもそもたかバイトに荷が重すぎる仕事押し付けるんじゃない。

改めて考えると彼以上に職場自体がクソじゃないか!!

憎しみの総量は変わらない。でもそう思った途端彼へに向く憎しみ自体分散され、軽減されるのが分かった。

はいつもと同じようにとても遅く・ロボット的に・間違えながら仕事をして、その遅れを自分押し付けたが、「こいつを自分に任せきりにするこの会社がクソ」という思考に切り替わったので、以前ほど憎らしくはなかった。


よし辞めよう。


辞めた。


私の日常から彼が消えた。同じ町には住んでいたはずだがそれから彼と二度と会うことはなかった。

彼と職場によってすり減った精神状態はみるみるうちに回復し、春に新卒就職した。人事と社員が密接で、評価システムキッチリしている所を選んだ。

職場については主戦力の一人だった事もあり、私が辞めた後上司に当たるチームリーダー(聖人)の負担が増えた事だけが心配だった。

辞めて半年後、久々にあの店に行くと店員は知らない顔だらけだった。こんな入れ替わりの激しい店じゃなかったはずだった。件の彼は(シフトじゃなかったのか辞めたのかは定かではないが)その時はいなかった。

「今までは全然新人探してくれなかったのに、あなたが辞めた後店長が沢山人を雇ってくれたの。楽になったけどあなたが仕切ってくれないとなんだか締まらないわね。」

チームリーダーは言った。

……

最後に】

noteの筆者や自分に似た境遇の人:

辞めましょう。とにかくストレスから逃げましょう。

自分が辞めたら職場が回らなくなる・良い人たちにまで自分の分の負担が等の心配もあると思いますが、

そうしたら新人を雇うし、1人で補えないなら数を雇うようなので問題ないと思います

そんな事より逃げた方がいいと思います


障害類似症状をお持ちの方など:

傷つけたと思います。ごめんなさい。

でも現実実際にこうなってみて本当にしんどくて、「人として優しくするべき」という正義感だけではどうにもなりませんでした。

noteの筆者さんの事も差別主義者とどうか言ってやらないでください。

自分場合小売店note場合飲食店など、客商売臨機応変さが求められるのでこういう事になりやすいんじゃないかと思います。こうなると本人も苛められるし周りも病むし、誰も幸せになりません。

なので「適材適所」にはちょっとだけ、協力してもらいたいです。

自分の所にいた彼も単純作業はやたら得意だったので、工場かにいたらきっとスーパースターになったと思います

勿論行政企業がこの「適材適所」への支援をするべきだし、そもそも採用担当者が適材を見る目があればこんなことにはならないので、当事者の方に責任押し付けものではないのですが。

でもちょっとだけでいいので、協力してもらいたいです。

  • 現状では障害者に苦しめられた人の駆け込み先がほとんどないんだよね。 その環境から離脱するのも一つの選択肢だけど、健障平等を目指していく中でそれぞれの駆け込み先も整備され...

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