本文では、弱者男性とミソジニーに関連性が見られる理由について考察した上で、弱者男性に対してある提案をする。(なお、ここでは、「弱者男性」の定義は恋愛において女性から選ばれにくいヘテロシス男性とします。)
※この文章では、ミソジニストはどのような考えでそうなるのかについて考察する部分があるという都合上、ミソジニー的な思考を正当化しかねない部分があります。男性恐怖症の方などは即ブラウザバックすることをおすすめします。
※本文中では弱者男性個人の心のあり方を批判的に検討していますが、これは弱者男性の境遇が完全に自己責任だという立場に私が立っていることを意味しません。社会的に弱者男性の情緒的問題や、そこから派生するさまざまな問題に対応するべきと私は思っています。
まず、ここではミソジニーの定義を「女性の自由・主体性を認めない/限定する」こととします。例えば、「女は男に比べてバカである/判断力がない」という主張は、「だから女に与える自由は限定すべきだしその分保護しなければならない」にすぐにつながるのでミソジニー的な主張と言えます。また、「女は男に比べて悪人が多い」というような主張も、「女に与える自由は限定すべき」に繋がるのでミソジニー的です。
さて、少なからぬ男性、時には女性までもする主張があります。それは「男が女を襲うのは(特定の条件が揃いさえすれば)自然現象のようなものであって、男を責めることはできない」です。もちろんこんな世界観は私から見ればミソジニスト・ミサンドリストの妄想もいいところですが、今回はそのミソジニストの妄想こそが語るテーマですので、深掘りしていきましょう。
まず、この「男が女を襲う」という「現象」を引き起こしているのは、ミソジニストに言わせれば女性です。女性の方が誘っていて、男性がそれにしばしば抗い切れないから襲ってしまうらしいです。もちろん本当に女性が誘ったケースもないとはいえませんが、ミソジニストの感覚として、「たとえ主観的に女性が『私は誘っていない』と思っていたとしても実際は誘っている場合が無視できない数ある」というものがあると思います。
誘うという行為は主体的であるにもかかわらず、女性が意図せず男性を誘ってしまうとはこれ如何に。しかし、この現象は「魔女」という概念を考えるとよく理解できます。
ここからはしばらくミソジニストの妄想の中の話になります。念のため、これは筆者の考えと違うという元を強調するために引用の形式にします。
ミソジニストの考えでは、一人の女性のうちに、その人の表向きの人格(以下「人間」とする)と、「魔女」の2つの存在が同居しているのです。
この「魔女」は男性を自身の性的魅力によって狂わせるのが目的です。何か「人間」自身が得するように男性を騙したいとかそういう打算的な話ではなく、「魔女」にとっては男を弄び狂わせることこそが存在目的なのです。ミソジニストに言わせれば、女性は意識の上では自分が100%「人間」だと思っているけれど、その実は心の中に潜む「魔女」に多大な影響を受けているのです。
「魔女」は性的に飢えている人間を狂わせるためならなんでもします。例えば、受けたら社会的に死ぬような「誘惑」をしてみたり、あるいは弱者男性を嘲笑うために街でこれ見よがしにカップルで歩いてみたり、モテない男をいじめたりします。これらの行いは、全て性的に飢えている人間を狂わせるというただそれだけのためのものです。(あるいは、それによって自分の性的魅力の高さに陶酔するためかもしれません)
「魔女」によって狂わされることから逃れるためには、恋人を手に入れるしかありません。ここでいう「手に入れる」とは、単にある女性と恋人関係になることにとどまらず、その女性を支配する、ということです。カップルで男女対等な関係にでもなれば、「魔女」に狂わされそうになった時に対抗できないかもしれません。「魔女」は見境ないので、時に恋人にすら牙を剥きます。男性にとって「魔女」の影響を受けずに済む状況というのは、自分より立場が下の女性を緩やかに支配すること以外にありません。これによって、たとえ恋人以外の女性の中にいる「魔女」に狂わされそうになったとしても、代わりに従順な恋人とセックスすれば「魔女」の誘惑から逃れることができます。
「魔女」は全ての女性の中にいます。そして、性的魅力が高い女性の持つ「魔女」ほど人を狂わせる力が高いです。(ある意味当たり前ですね)
そして、多くの女性はこの「魔女」の存在に気づけません。自分の判断が「魔女」に影響されていることに気づかないままです。あるいは気づいても、それに抗って「人間」としての行動をすることなく、「魔女」の命ずるままに男を狂わせることに快感を覚えます。なので、意識で考えている欲求と実際無意識下で抱いている欲求にすごく大きな差が出ます。これはすなわち女性は男性よりも自分は何をしたがっているか判断する能力がないままに「魔女」という恐ろしいパワーを持っているわけです。こんな存在を野放しにしたら災いが起こる。現に弱者男性なんて「魔女」による災いを一番受けている立場です。
さて、これでミソジニスト、とりわけ「下から目線」「弱者男性」のミソジニストの世界観を、それ以外の人たちにもわかりやすく伝えられたと思います。
もう、まず「全ての女性の中に男を狂わせることに快感を覚える『魔女』がいる」というような考え方からして陰謀論臭さを感じます。なんというか、自分がたまたま女関係で狂っているからと言って、「自分が狂ってしまっているのは自分が狂うと得するやつがいるからで、それが女だ!」というのは、端的に粗雑な思考と言わざるを得ません。というか、自他の区別ができてない。
また、「男が女の性的魅力と接して狂う」という状況を、100%女の責任にしているようなところもいただけません。ぶっちゃけた話、女性がフェロモン放ってるのも、男性がそれに魅力を感じるのも(それ自体は)自然現象であって、その時点で特別誰が悪いとかはないはずです。で、その上で男性は市民として生きていく上で日頃理性で本能を抑える必要があります。それが人によって難しい、という話はわからなくもないですが、それは人類の理性や社会制度が全然進歩していないことが原因であって、「女性の中に魔女がいるから」悪くて、女性の自由を制限して男性が女性の上に立てばいいという話ではありません。
要するに、この種のミソジニーの弱者男性は、本来社会制度の未発達(もちろん、社会を作るのは社会の構成員全てなので、そう言った意味で女性の責任が皆無とは言いません)と自分の理性の未発達が原因であるはずの問題を、なんだかよくわからない女性の中にいる「魔女」のせいにしているのです。そして、その「魔女」は自他の区別ができないがためにミソジニストが作り出した幻影です。
さて、ミソジニストを狂わせているのが女性の中にいる「魔女」ではなく、未発達な社会制度と自身の理性の欠如だとわかったことで何が変わるでしょうか?
女性とコミュニケーションを取る際に、女性を恐れなくて済みます。「魔女」の世界観でいえば、女性は(無意識に)あなたを狂わせることを望んでいるわけであって、あなたが悪戦苦闘すればするほどにっくき「魔女」の思う壺です。だったらいっそ「復讐」してやる、とばかりにセクハラなり痴漢なりレイプなりに及んでしまえ、のような発想になるかもしれません。しかし実際は「魔女」はいないので、あなたが適切な振る舞いができるかどうかは単にあなたの損得の問題です。誰もあなたの内心を覗いて嘲笑ったりしていない、というわけです。
もちろん、全ての「弱者男性」問題がこのような被害妄想であり、「弱者男性」の意識改革だけで解決する、などとはいいません。しかし、少なくとも、ミソジニストととなる「弱者男性」には大きな認知の歪みがあることが多いのではないか、その認知の歪みに見られる共通点はなんなのか、と考えたところ、このような結論に至りました。
と思うミサンドリストであった
弱者男性論の代表的なやつだったすももは既婚子持ちで不倫までしてるやつだったりした時代に妄想を無限に膨らませて何か言った気になってるバカ