2022-10-10

ワークマン女子初体験してきたなり☆

 家からそう遠くない所に、新しめのワークマン女子がある。そう遠くないといっても、私の体力でもってチャリこいで行くのはかなり厳しい距離から、車で行った。

 駐車場はとても混んでいた。多種多様な数店舗ショップ飲食店との共有だから仕方ない。だが、遠目に見てワークマン女子の中には人がそんなに多くなさそうに見えたので、他店の客で混んでいるのだろうかと思ったら違った。ワークマン女子、かなり混雑していた。単純に、外から見える部分には簡易テント等のディスプレイがあったので人がいないように見えただけで、フロア奥の棚と棚の間は普通にごった返していたのだ。混雑レベル休日ユニクロ匹敵していた。性別ごとの客層にかなり偏りがあるのに。

 実をいうと、ワークマン女子にはあまり期待してはいなかった。たまに出かけるワークマン+の端っこに陳列してある、女子向けをうたった上着などがユニセックス上着に比べてかなりしょっぱく、もしもワークマン女子がそれと似たり寄ったりのクオリティのものばかり並べてあるのだとしたら、残念過ぎてやだなと。

 しかし、偏見はただの偏見に過ぎないのであり、やっぱり真実自分の目で確かめるべきっしょ☆ と思った。

 新しくて白を基調とした明るい店内は清潔感に溢れて、これがあのワークマン系列店なのか!? と目をぱちくりしてしまったが、やっぱりワークマンワークマンだった。ウェアの陳列の仕方に、どうしようもなくワークマン香りがする。そして、商品の全てがあの安心感のあるチープさとダサさだった。

 それでも、店内をうろうろしているのは綺麗めの30代以上の女性達ばかり。そんな人達が鋭い目付きで商品吟味していた。華やいだ雰囲気とはそぐわない猛禽類眼差し。ここがワークマン女子でなければ一体何事かと思う。こういう目で買い物している群衆昭和時代バーゲン以来に見たかも。

 私が求めていたのは、ここ最近くらいの朝晩は底冷えするけどダウンジャケットを出すのにはままだまだ早いシーズンに、買い物や通勤の際にサッと着て出掛けられるような、薄くて軽い上着だった。買い物の目的が明確な場合、こと訪れたのがワークマンであるならば、目当てのものをサッと取ってサッと会計してサッと帰るのが定石というもの。だけど、せっかく初めて来たので店内を端から見て回った。

 三面あるうちの壁の一面の半分くらいはメンズ上着が陳列されていた。もう半分のまた半分がユニセックスのもので今のシーズンというよりもこれからシーズンのものだ。それと棚一列がメンズユニセックスレインウェア。つうかレインウェア多いな!

 晴れの日でも着れるというのが謳い文句の種類豊富レインウェアの、その全てがどう見てもワークマンダサい上着である。色と形でワークマンを主張し過ぎなのだが、服の側に掲げられた着用見本写真では、綺麗めのモデルブランド服を身にまとったような爽やかな笑顔でごく自然ポーズを取っている。この写真撮った人、優秀過ぎんか。

 その隣の棚にはレディースサイズの大量のレインウェア。あれもこれもそれもレインウェア。遠目に見れば撥水加工の利いた薄手のウインドブレーカーだが、近づいて見ると一目でわかるワークマンぶりだった。ワークマン御用達デザイナーって、一人しかいないのかな。

 でもまあ、「ワークマン女子」なんてブランドになったらいきなり垢抜けたとしたら、その方がなんか気持ち悪いし、自分の来るとこじゃない感に圧迫されて返りたくなるから別にいいけども。

 去年、ワークマン+でレディース上着を見た時には、一見メンズユニセックスと似ているようでいて、温かさと機能性がしまむらだったのでふざけんなよと思った。ワークマン女子上着はどう見てもワークマン安心感はあるが、しかワークマンに求めるのは勿論、お洒落感を犠牲にした高い機能性なので、大事なのは色選びよりもポケットのチェックだ!

 ……え? スマホすっぽり余裕で入るくらいあるやん? なんならポッケに手を突っ込んだまま肘が伸びる。500mlのペットボトルは入るかな、どうかな。女性が持ちがちなゴツい長財布、余裕だと思う。雨降りの時はスマホはファスナーつきポッケに入れれば濡れなさそう。もしも梅雨時、これを着て散歩ちゅうに捨てられた子猫を見つけたら、計四つのポケットを駆使して一度に六匹くらい持ち帰れそう。薄手の上着から、内ポケットは無し。懐にタブレット仕舞ポケット無し。メッシュのついた排気口あり。懐かしの、中学部活動でお揃いで買う上着みたいだな……。「レディースディアドルパーカー」というらしい。買い。

 アウターだけじゃなくセーターやパーカーなども売られていた。薄くて温かい肌着類もあった。以前、ワークマン女子の1号店がオープンした時にその宣伝記事がバズッたので読んだ記憶がある。それを読んでただのアパレルじゃん? という感想を持ったのだが、自分のこの目で見たワークマン女子も大体ただのアパレルであって、鳶左官整備士などの女性昔ながらの女性仕事……看護師とか……で働く女性ニーズに合わせた服や物品があるかといったらあまりないように見えた。トップスボトムス普通に街歩き用、アウターアウトドア用、肌着冷え性の人大歓喜みたいな感じだ。なんというか、ちょっと郊外や市営キャンプ場など、自然のある所で遊びたいが、WILD-1で買うには持ち合せが足りない人が利用するといい所……なの……か……? それにしては客の綺麗度やお洒落度が高く……、この人達はいったい、ここに売られている品物を着てどこに何をしに行く気なのだろう? と疑問に思った。ウォーキングかな。

 あと、気になったのは、キッズ服もあったのだが、どれも男児用のデザインの様で、実際着用見本写真モデルもぜんぶ男児だったこと。もしかするとユニセックス服なのかもしれないが、これを娘の為にわざわざ買って帰る人がどれだけいるだろうか。差別的な考え方だと批判されるだろうが、現実女児自分性別への拘りはシビアで、わざわざ男装をしたがる女児は珍しいのである

 もっと隅々まで見たかったのだが、私よりも先に連れの家族がしびれを切らしてしまったので、すごすごとレジ上着一枚を持っていきお会計レジ接客担当の二人はどちらもアパレル関係仕事を長くしていそうな、お洒落女性だった。

 ワークマン女子……よくわからない。客層からして私自身はかなり浮いている感じだったのだが、そこにあった服は私の様にお洒落など知らん! と開き直って機能性と着心地に全フリした恰好しかしない人間には、どうしようもなく合っている。にも関わらず、ここにぶらりと買い物に来るには最低でもユニクロで買った服を着ていった方がよさそうな、謎のハレの気に満ちた空間だった。

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