もともと『東大王』は東大生の中でもクイズ研究会の部員で構成された
東大王チームが「知識の壁」となって挑戦者チーム(インテリ芸能人だったり大学のクイズ研究会だったりする)を迎え撃つ、
そういうコンセプトの番組だったのだが
それが数年間の放送期間のうちにルール変更やメンバーチェンジやら
問題傾向の変化(明らかになぞなぞ・ひらめき系が増えた)を経て
「芸能人・専門家からなる遊園地マニア軍団と、遊園地について1ヶ月勉強した東大王チームが対決する」
という内容だった
と予告の段階から思ってた
本編をTVerで見たが、予想通りだった
東大王チームは負けていた
こうなった一番の原因は
ことだろうと考えている
過去には東大王メンバーが修学旅行と称してハワイに行く回(申し訳程度にクイズはある)や
今年の頭に「プロジェクト東大王」というアイドルオーディション番組まがいのことをやっていたが
2人のビジュアルは「ただのクイズが強い東大生」として消費することを許されなかった
その延長の「インテリアイドル」を必死に作り出して担ぎ上げているのが
初代キャプテンである伊沢拓司は現在Webメディア「QuizKnock」を運営していて
YouTubeでの発信も行っているが、その動画に出演しているメンバーにもやはりアイドルのようなファンがついている
伊沢自身は「QuizKnockはアイドルではない。歌手デビューしろと言われたら全力で断る」と発言している(https://telling.asahi.com/article/13022469)
が、「アイドル視されている」ことを認識しているからこそ出てきた言葉だろう
今の『東大王』は東大王チームに歌を歌わせてももはや驚きはない
YouTubeでQuizKnockの動画のコメント欄にはよく
「視聴者置いてきぼり」と書かれることがある
要するに「問題の難易度が高すぎるor会話の内容がマニアックなため自分は全くついていくことができなかった」という意味である
もともとクイズが好きで動画を見始めた自分からするとこの感覚は正直かなり理解し難い
この視聴者はわからない内容の会話をどうやって楽しんでいるのだろうか?
決して絶世の美男子ばかりを取り揃えているわけではないが、
スタイリストをつけ、テレビのバラエティ番組のような編集をした動画の出演者は
(余談だが、「視聴者置いてきぼり」はせいぜい高校レベルの理科・社会の内容でも書かれたりする)
『東大王』に話を戻せば、
そういった「クイズ的or学問的な知識があまりない」層に向けて
問題をひらめき寄り、もしくは簡単な問題にシフトしていったのだろう
スポーツ選手やら将棋棋士が、好きな女性のタイプが何であろうが、風呂で最初にどこを洗おうが
そのようなくだらない質問に答え続けなければならない
趣味が多様化しどの業界もいつ見捨てられるかわからない今の時代だから
有段者でないとプロの手に好手・悪手を自分なりに判断できないだろう
野球・サッカーみたいなメジャースポーツでも、プロでも難しいプレーを
「クイズの内容は全くわからない、でも参加者は魅力的」と感じるような
アイドル的ファンが『東大王』とQuizKnockには増えすぎてしまったと私は考える
しかも野球・サッカーのようなメジャー競技は経験者による「わかってる楽しみ方」が崩れないのに対し
クイズ界はむしろ未経験者による「ニワカ的な楽しみ方」が支配的になるんじゃないか、と危惧している
難しく見える問題をすごいすごい言った方がバラエティ的には映えるから
番組としての『東大王』は来年3月までに終わるんじゃないかと予想してる
遊園地の特集をしたいならジャニーズにでもロケ行かせたほうがよっぽど面白い
『東大王』が人気を得た理由を未だに番組側が理解してないのだろうなと
放送を見るたびに感じる
アイドル化って収益を得るための方法として効率的じゃん 東大生ですらそういう手段をとり 見る方も東大生にたいしてアイドルのオタのような行動をとれるようになった TBSは東大マン...