現政権の支持基盤は保守的で女系天皇への布石になりかねない女性宮家を望んでいない為、どのような形であれ女性宮家が容認される事態は避けたいはずです。
しかし、現状何もしなければ世論は賛成のままです。皇位継承問題は一般に広く理解されているとは言い難い上、フェミニズムや男女共同参画など女性が関わる問題の議論は一般的に「面倒くさい」ことから男性は消極的賛成、または反対しづらい空気感を何らかの形で自己に利益誘導するために賛成し、女性はただ賛成するだけで得なので盲目的に賛成する。産経・FNN合同世論調査の女性宮家「賛成」64%はこのような世相を反映したものかと思います。
政治的な理由で反対するような層は絶対数が少ないので世論を反対へと傾ける為には、極端に言えば女性が関わる議題に女性自身が盲目的に反対する、不自然な状態が必要です。
その試みの一つが今話題になっている「圭殿下」「圭さま」に関する報道ではないでしょうか。
メディアは営利企業なので数字が取れない、売れない記事や番組は作りません。小室氏に関わる連日の報道量から小室氏は稼げる美味しいネタである事は確かで、これらの報道には昼の情報バラエティ番組や女性週刊誌等、「女性」視聴者層を重視している傾向が見られます。そしてメディアの大多数は小室氏を否定的に扱い、秋篠宮家が納采の儀は行えないと発言した程度に女性を含めた一般大衆にこの結婚に反対する世論が既に形成されているのが現状と言えるかと思います。
このような状況の中で小室氏は女性宮家問題を単純化する為の鍵で、既に形成された世論を「結婚反対」から「女性宮家反対」へと変質させる、触媒としての影響力があるのではないでしょうか?
「あの小室が『圭殿下』『圭さま』になる」という切り口で女性宮家問題を世に問えば女性を含めた一般大衆の世論を女性宮家反対へと傾ける、現政権の意向は達成できます。
世論の追い風に政権と足並みが揃っていればメディアも皇室タブーの瀬戸際まで収益化でき、利害も一致しています。
小室氏が試験に落ちるなど更に悪材料が増えるケースなども想定できますが、ここでは小室氏がメディア上で得た特殊な立ち位置が彼に有利に働きます。
これまでの事例から宮内庁は財閥や旧華族の家系・華族系企業の後ろ盾がある守谷慧氏のような人物に、その後ろ盾と皇室タブーを最大限活かした清廉潔白な「無菌室」路線の、よく言えば特化、悪く言えば一辺倒のメディア戦略を用いる組織と言えるかと思います。
後ろ盾が無い小室氏のような厳密な意味での一般人はただでさえ扱い慣れていない「異例」で、身辺調査などを減らした秋篠宮家のリベラルな方針とも相容れず、早々にメディア対策は崩壊しました。
が、「異例」であるがゆえに幸か不幸か、彼は現在はトランプ大統領と同じく醜聞のしきい値がない、いわばヒール役のような立ち位置を獲得した特殊な状態にあります。
そこで問題となるのはこのしきい値を最終的に決めるのが他の誰でもない秋篠宮家のみである事です。
仮に秋篠宮家がしきい値を、司法試験の当落に設定したとしましょう。
この期に及んで長女の結婚問題を撤回する事は皇位継承順に関わる子息の教育方針、ひいては秋篠宮の「家の在り方」の間違いを公式に表明することを意味します。
そこまで直接・確定・破滅的な選択肢を「試験に落ちた」程度で採る可能性はどれほどでしょうか?
チリが積もるとは言っても、メディアが血眼になってようやく見つけた「国立音大附属小時代の同級生が受けたいじめの話」程度ならいくらあっても今更問題になりません。
秋篠宮家にとって小室氏を切り離すことは小魚を三枚におろそうとするような自殺行為で、彼は既に秋篠宮家の一員と言っても過言ではないのが実情です。
彼が犯罪など破滅的な事態を自ら引き起こさない限り、「撤回」は選択肢にすら挙がらないのではないでしょうか。
報道を追っていると、一見「納采の儀は行えない」「経済的自立」「国民の祝福」など様々な意向や条件が示されているかように見えますが、これらはどれ一つとして秋篠宮家が公式に表明した事ではなく、何者かを経由した二次的なソース、伝聞の類でしかありません。
試験に落ちた程度なら「再試験を待ちつつ日系企業の法務部に籍をおいて働く」ではどうでしょうか?
「結婚の撤回」で負けを認める、ただこれさえしなければ現実はいくらでも根回しが可能です。菊の御紋で照らせば黒は白になります。
長くなりましたが今後の予想としては、「女性宮家反対」世論を強化・維持したい意向に忖度したメディアが「悪感情を抱かせつつも致命的ではない」内容で好感度が一定以上上がらないような報道を定期的に続けて、現政権は小室氏の弁護士試験結果が出るまで2年程度の期間で皇位継承に関わる問題解決全般に当たるものと思われます。
何らかの形で女性宮家不成立が確実視された暁に副次的な結果として「圭殿下よりマシ」な皇籍離脱からの結婚、辺りになるんじゃないかと思います。
小室氏がメディアにもたらし続ける経済効果も実績に含めれば、SPの警備費用程度は既に社会に貢献していると言えるのではないでしょうか。持参金分もカバーできているかもしれません。誰か暇な人居たら数字を出してください。