2018-08-04

女性医師を「単純に」増やせば間違いなく医療崩壊する、という話

前提

女性差別を推奨しようという投稿ではなく、女性医師を増やせば医療崩壊するシステム批判するものです。

・今回の東京医大の件は、男女比の調整を行うと示していなかったという点から肯定しかます

女性医師能力男性医師と同等であり、一般に期待できる高い共感力から、むしろ臨床的能力に優れているケースが少なからず有ります

・実際には妊娠出産育児を行わない女性医師存在することは承知の上で、男性医師比較した場合、そういったイベントが起こる可能性が高い、という観点から女性医師」とひとくくりに記述していることをご容赦ください。

本題

医師はいつでも「人手不足

医師仕事ひとつに、「当直」(=夜中に病院に泊まり込むこと)があります。皆さんが深夜に救急外来を訪れたり、あるいは救急車で搬送されても、適切な処置が受けられるのは、この「当直医」がいるからです。

よくかん違いされることですが、この当直は、いわゆる「夜勤」ではありません。

「当直」とは、

・朝から夕方まで通常の業務を行う

夕方から朝まで夜勤をする(狭義の"当直")

・翌日の朝から夕方まで通常の業務を行う

という一連の流れを指します。普通の業種であれば三交代にあたるところを、一人で行っているのです。

このようなクレイジーな働き方がまかり通っているのは、「人手不足」だからに他なりません。

女性医師人手不足を加速するか?

結論から言うと、加速します。妊娠出産育児を、「今までと同じ仕事量を」こなしながら行うのは、難しいです。これは、上に書いた医師業務ハードから理解していただけると思います

産後女性医師仕事に復帰できる環境を整えるのは非常に大切ですが、男性医師と全く同じ労働時間は期待できず、医師絶対的供給が不足することは避けられません。

パートナーの協力があれば良いのでは?と思われる方も多いと思いますが、女性医師結婚相手の半数は男性医師です。つまり、どちらが携わっても医療におけるマンパワーが減ることは避けられません。

では、医学部の定員を増やせば良いのでは?

ここが非常に難しい問題です。というのも、一言で言ってしまえば「医者一定以上の"頭脳"がないと務まらいから」です。

(裏口で入学した学生などは、いわゆる「外れ値」で、彼らが医学生の本流ではありません。また、彼らは医学勉強をする際にも、塾に通ったり個別指導をつけたりすることで、財力で地頭の悪さを補っていますので、医学において"頭脳"がないと断じることは難しいのです。また、今回の女子学生のような「本当は優秀だったのに入学できなかった」ケースは本当に気の毒ですが、しかしながら多少の増枠を行ったところで、入試担当者男子学生を採ったことでしょう。差別を生じさせないほどに枠を増やすことのデメリットは、以下に記します。)

現代医療は非常に高度で、その知識技術もまさに日進月歩です。医師国家試験難易度インフレは顕著であり、カリキュラムは常にギチギチ、テスト期間が始まれば一ヶ月間毎日試験医学部においては「春休みは一週間だけ」というのも当たり前です。医学部に入ったからには常に学び続けることが求められます

ここで単純に医師の数を増やしたからといって、同じレベル人材が確保できるかは疑問です。仮にも人の命を預かる職業ですから、この点を妥協するのは危険です。

また、医学部の定員は増加傾向にあり、さら現在日本人口は減少していますので、どこかの段階(厚労省の見通しでは2028年)で需要供給釣り合います。つまり、今人数不足で困っているからといってやたらと医師を増やしすぎると、今度は医師が溢れすぎる、ということです。

歯科医師が人数を増やしすぎた結果、「食っていけない」歯科医師が増え、その結果として患者本来不要治療を勧め、保険点数を稼ぐケースが多くなったことは、広く知られている通りです。

医者仕事を減らせば良い

医師になることを希望する女性を「女性から」という理由で拒むことは、断固許されません。しかしながら、上記のような問題存在することも、確かです。

では、どのようにして「女性医師が増えても医療供給が保たれ」「今の医師絶対数を急激に増加させることなく」すればよいのか。

それは、「医師仕事絶対量を減らす」ことに尽きると思います。まずは、「医師免許がなくてもできる仕事」を医師がしなくてもいいようにすること。医療秘書医療クラークの増員が求められます。また、AIによる画像診断の積極的な導入で、画像診断の労力を減らすことも期待できます

医師仕事内容を「選択と集中」することが、女性医師を増やす大前提となると思われます

  • 歯科医師が人数を増やしすぎた結果、「食っていけない」歯科医師が増え、その結果として不要な治療で点数を稼ぐケースが多くなったことは、広く知られている通りです。 なんでそ...

  • じゃあもっと医者になりやすくすればいいんじゃない? 男も女も。 女は休みがちだから男の2倍くらい必要じゃない?

    • キモくて金のないおっさんでも医学部に入れるように皆で支援してくれるんですねありがとうございます 頑張って勉強します

  • 患者を減らせ。特殊医療以外は自己負担の割合を上げろ。あと高齢者も。

    • 正直、汎用内科、外科は大きな病院の初診料はもっと上げてもいいわな。まず第一に街の診療所にかかるようにすればだいぶ大病院医師の負担は減る。

      • そうは言ってもね、自分や自分の家族のことになると「大丈夫なんて言われてもあんなヤブにわかるわけないだろ」ってなるのが人情なんですよ 結局専門家に聞かないと安心できないと...

        • 予約なし紹介状なし見た目軽症の患者を回される医者って研修医に毛が生えたような若い人が多いけどね ベテランは持ち患者多くて予約だけで埋まってるから

          • わかりみ。 親知らずの抜歯で、近所の歯科医から大学病院に何回か紹介で行かされたんだけど、毎回、研修医の練習台になる。担当医に叱られながら研修医がドギマギ補助する感じ。 こ...

        • 先に救急用の診療所にいけといっても一部ごねるやつがいるが、大概そういうやつには研修医お前やれと割り振られるな、、、、。 大学病院にいるからって、そこの医師が全員優秀だと...

          • 大企業にいるのは皆エリート会社員、みたいな感覚で 大学病院にいるのは皆エリート医者、と思ってるのがいるんだよな あれは病院である前に大学であり教育施設であるのに

            • 医学部教授も、診療能力ではなく論文書く能力が優れている人がなるものである ってのを割と皆知らんよな…

              • そうなんだが、その教授が臨床について偉そうなことのたまうんでなあ

      • つか応召義務を制限した方がいい。 海外みたいに大病院は紹介状無い奴は診なくてもいい事にしないと。

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