終電帰りが何十日と続いたデスマーチを終えてやっと手に入れた休日に、朝から玄関の呼び鈴が響いた。
インターフォン越しに画面を見ると、スーツを羽織った一応は身なりのいい人間が立っていた。
管理人か?先日警察官が問い合わせに来たことも合った。セールスならここで追い返せば良い。
そう思って呼び出しに応える。
すると先方はNHKの集金係だった。
前に住んでいた人が転居してから、この部屋の契約がまだ行われていないとのことらしい。
「ああ、テレビ見てませんから」その一言で終わらせようと思った。
そして第二に、テレビを付けたところで大して面白くもない内容を編集と煽り文句だけでいたずらに引き伸ばし、それを知りたいと言う興味が煽られては裏切られるテレビの作りに、とうの昔に辟易していたからだ。
ところが相手は食い下がってきた。
「頻度の問題ではない。」「見られる状況にあれば払う必要性がある。」「とにかく一度玄関先まで出てきて欲しい。」
一体どんな権限を持っていたらそれほど偉そうなことが言えるのだろうか。
契約を取り付ける営業マンの中で、これほどまでに高圧的な人間がいてよいのだろうか。
人前に出るにははばかられる格好をしていたが、それほどまでに言う根拠を聞いてやろうとボサボサの頭で玄関先まで出向くことにした。
目の前に立っていたのはインターフォン越しよりはしっかりとした印象の細身の中年男性で、しかし、お役所のようなでもそれとは少し違うような気難しさを漂わせていた。
そこで改めてそもそも仕事が忙しくてほとんど家にいないこと、テレビ番組なんてものはつまらなくて全く見たいとも思わないことを告げる。
「見ないということはテレビは設置されているのですね?」
映画とお笑いDVDを見る趣味が有るので言われる通りにテレビは設置されていた。
つまらぬ嘘をつくつもりもなく、そうだと素直に答える。
「ならばいつでも見られる状況にあるのだから契約が必要です。」とさらに食い下がってくる男性。
食い下がるどころかむしろ勝利を確信したかのように顎は少し上を向いていた。
更に畳み掛けるように男性は口を開いた。
その一言で完全に頭にきた。
この男の高圧的な態度は、全てがその一言に集約されていることがわかったからだ。
彼は自分の職務を義務を果たさぬ人間を罰するためにわざわざ出向いているつもりくらいに考えているのだ。
だから玄関先まで出てくることを強要することに躊躇がないし、こちらのことを嘘をついて支払いを免れようとする悪人か何かだと思っているのだ。
頭にきた自分は無言で玄関先を離れると、テレビと壁を繋ぐアンテナ線を引き抜いて男の前に差し出した。
「テレビを見ていないのでこれは必要ありません。契約書と一緒に持ち帰って下さい。」
そういうと、まだ何かいいたげな男性を尻目に玄関の扉を閉めて鍵をかけた。
扉の向こうから「こんなことされても困ります。これは置いていきますがまた来ますからね。」という声がかろうじて聞こえてきた。
その日以来、我が家にあるテレビにはアンテナ線と言われるものが一切繋げられることはなくなった。
それから10年ほどして、現在は結婚もして幼稚園に入る年頃の子供も2人いる。
その頃のマンションでは手狭になり、郊外に小さな一戸建てを建てて数年になる。
どうやら僕が留守の間に何度か集金に来たらしいのだが、妻がいくら対応しても家主と話をする必要があると何度も訪ねてくるらしい。
それでとうとうこの土曜日に、午前中を見計らってか彼らがやってきた。
インターフォン越しに対応しようとすると、お決まりの「玄関先まで直接のご対応をお願いします」の一言。
相変わらずのその偉そうな要求はどんな根拠のもとに行われるのだろうか。
見ると今回の担当者は普段着の若い男性で、耳にはbluetoothの通話マイクが刺さったままだった。
多少は言葉遣いを心得ているらしい。
しかしこの日、この瞬間を待ち焦がれていたのは僕だ。
満を持してこの言葉を言ってやろう。
「うちはテレビを見ていません。そもそもアンテナがありませんから。」
「えっ?」と驚きを隠せない職員。
そこに畳みかねるように続ける僕。
「以前職員さんに、見てもないテレビに対する支払いを「義務」と言われたことがあり、あまりにも腹立たしかったのでそれ以来アンテナもつないでいないし、新居にはそもそもアンテナを付けませんでしたので。」
事実我が家にはアンテナがないし、当然テレビにもつながれていない。
妻にはその時の話をしたら痛く同意してくれて、子供にもテレビで無駄な時間を過ごさせたくないと同調してくれたからだ。
しかし、NHKに支払う受信料があれば映像オンデマンドサービスを2つ以上契約ができる。
こどもたちにはその中からアニメやバラエティ番組を見せるようにしているが、内容も選べて時間差で同じものを見ることができて全くもって不満はないし、最近ではテレビよりYoutubeのほうが面白いとテレビ離れは加速する一方だ。
他にも娯楽はいくらでもあるし、映像コンテンツの面白さだけで言えばオンデマンドサービスのほうが奥が深く種類が豊富だ。
職場でテレビドラマが話題になることなんてここ最近であっただろうか。
テレビを見ていないことで世間のニュースから取り残されたことがあっただろうか。
むしろテレビを情報源としている人間のほうが、視野や見解が限定されていることのほうがほとんどではないだろうか。
テレビがなくなって困るのは、テレビを見続けている人間だけだ。
そんな状況の中で、わざわざ人間が何度も出向いてまで集金した挙句に、ユーザー離れを加速させているコンテンツに未来がある訳がない。
一人暮らしを始めてから現在ま20年以上、 NHKといい、新聞の勧誘といい すべて 「間に合ってます。」の一言でで事足りています。 何のために無益な戦いをするのかわからない。
20年もの間一度もチンピラじみた勧誘員に会わずに済んだなんて運がいいね
なんでチンピラじみた勧誘員に対してドア開けちゃうの!!
自分も来たことないや チンピラ勧誘員の担当範囲外の住人は遭わないんじゃないか?
しょぼい小説みたいな語り口でワロタ
間違いなくNHKの集金はテレビ離れを加速させてる一因だと思うけど テレビ業界のスポンサーとテレビ局ってこのことには一切口出さないというか、 分かってないのか甘くみているのかど...
テレビ離れとか言ってるのオタクだけでしょ みんなネットでテレビの話してるし
こういう「武勇伝」を語りたがる性癖ってなんて名前がついてるんだろう? 「俺も昔はやんちゃしていた」の変形バージョンだよね。
お前いっつもそればっかだな 次にお前は老害っていうんだ おまえはそればっかだから
長い。 センス無し。 やり直し。
顔真っ赤じゃん ガッツを見せろ
まとめサイトにありそうな武勇伝の増田版って感じがする
自己承認欲求が云々
集金の個人的体験はともかく、逃げ恥や真田丸が話題になった翌年の初頭に最後の結論のようなこと言うのはなぁ…。ネットですら話題になってたのに。俺も別にドラマ見てないけど。
むしろ俺は 鉄腕ダッシュ、正月にやってる格付けの番組、最近だと逃げ恥 などはネット見てて初めて「これって人気なんだ」と知った。テレ東人気とか、あとアニメ見てる人の多さとか...
幼稚園に入る年頃の子に見せる番組として、Eテレほど安価で質の高いものはないと思うけど
それ集金人を名乗る詐欺のこともあるから気いつけや
どういう方針で集金してるのかしらん http://anond.hatelabo.jp/20170220121207
NHKに対する反発でテレビそのものを見なくなる人がいる という流れでの民法へのとばっちりがひどい。 そういや民放みたいのにNHKの金払えないから見れないとかいう人もいたなあと。
民放とセット売りじゃないんだから民放だけ見ればいい 民放だけ見るのは違法でもなんでもない