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2023-11-18

俺の考えた最強の「政教分離」を開陳する前に憲法学教科書を一冊読んで

言いたいことはタイトルで全て書いたので、以下補足にゃーん

まずは、国と宗教団体関係について日本国憲法20条第1項後段には次のように規定されている。

いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上権力行使してはならない。

これを誤解 (または曲解) して宗教団体政治活動することにイチャモンを付けてる人が多いが、「政治上権力」は政治活動ではなく国や地方公共団体機能としての統治権力を指すのが通説である。これは勝手に言ってるわけではなく、憲法学者が書いたまともな本であれば同じように解説してある。念のため、図書館に寄って調べてきたので以下に引用する。

政治上権力」とは立法権課税権などの統治権力のこと。政治活動のものではない。

芦部信喜憲法 第三版」岩波書店, 2002

この規定保障内容は、…政治的権力を「付与」されることを禁止…することである

辻村みよ子憲法 第二版」日本評論社, 2000

政治上権力」とは本来国が行うべき統治権力をいい、たとえば課税権行使や、江戸時代宗門改帳 (現在戸籍にあたるもの) の作成のような職務を分担することが禁止される。

渋谷秀樹「憲法有斐閣, 2007

政治上権力行使禁止については…統治権力宗教行使することを禁止したものと考えられる。

松井茂記日本国憲法 第三版」有斐閣, 2007

また、これは憲法制定時にも触れられており、金森徳次郎 (国務大臣) は以下の答弁をして特に異論は出ていない。つまり、この解釈は制定当時から何ら変わっていない。

○松澤(兼)委員 其の次に「いかなる宗教團體も…政治上の權力を行使してはならない。」と書いてあるのであります、是は外國によくありますやうに、國教と云ふやうな制度を我が國に於ては認めない、斯う云ふ趣旨規定でありまして、寺院や或は神社關係者が、特定の政黨に加はり、政治上の權利を行使すると云ふことは差支へがないと了解するのでありますが如何でございます

○金森國務大臣 宗教團體其のものが政黨に加はると云ふことがあり得るかどうかは遽かに斷言出來ませぬけれども、政黨として其の關係者が政治上の行動をすると云ふことを禁止する趣旨ではございませぬ

○松澤(兼)委員 我が國に於きましてはさう云ふ例はございませぬが、例へば「カトリック」黨と云ふやうな黨が出來まして、是が政治上の權力を行使すると云ふやうな場合は此の規定に該當しないと了解して宜しうございます

○金森國務大臣 此の權力を行使すると云ふのは、政治上運動をすることを直接に止めた意味ではないと思ひますから授けられて正式意味に於て政治上の權力を行使してはならぬ、斯う云ふ風に思つて居ります

第九十回帝國議會衆議院帝國憲法改正委員会會議録 第十四回より

(http://teikokugikai-i.ndl.go.jp/ から検索可能)

※「帝国憲法改正案」となっているのは、形式上日本国憲法大日本帝国憲法改正によるため。

2019-01-05

anond:20190105020924

日本同性結婚が認められていない現状が違憲であるかどうか争った裁判はまだない。

ただし、憲法24条1項に「両性の合意」「夫婦」という文言があることから憲法学者の君塚正臣は、同性結婚憲法の想定されたものではなく憲法問題と認められずに棄却されると推測している[3]。

自身同性愛であることを公表している市民活動家明智カイトは、司法関係者の間に「憲法改正しなければ、同性婚は法的に成立しない」という意見があると述べている[4]。一般社団法人平和政策研究所によると、憲法は「結婚が男女間で行われることを前提」とし「同性婚を認めていない」とする解釈が「現在憲法学界の主流派解釈であるという[5]。過去には青森県憲法24条の規定理由同性婚の届出が却下されたこともあった[6][7]。法学者植野妙実子は憲法24条を根拠同性婚違憲論を唱え[8]、憲法学者の八木秀次憲法規定は「同性婚排除している」と主張し[9]、弁護士藤本尚道も「明確に『両性の合意のみ』と規定されていますから、『同性婚』は想定されていないというのが素直な憲法解釈でしょう」と述べている[10]。法学者辻村みよ子憲法24条の規定が「『超現代家族』への展開にブレーキをかけうる」として同性婚合法化障壁になっているとの見解を示している[11]。

一方で、憲法学者の木村草太は、憲法24条1項は「異性婚」が両性の合意のみに基づいて成立することを示しているにすぎず、同性婚禁止した条文ではないと説明している[12]。弁護士の濵門俊也は、憲法24条で規定されている「婚姻」には同性婚が含まれず、憲法同性婚について何も言及していないため、同性婚法制化は憲法上禁じられていないと考察している[13]。また、憲法第14条を根拠同性婚を認めるべきだという見解存在する[14]。セクシュアル・マイノリティ問題に取り組む弁護士行政書士司法書士・税理士社会保険労務士などで構成するLGBT支援法律家ネットワークは、2015年12月、「『憲法24条1項は同性婚否定していない』というのが憲法趣旨や制定過程を踏まえた正しい解釈です。したがって、日本同性婚制度をもうけたとしても、憲法24条1項に違反することにはなりません。日本憲法同性婚制度禁止するものではないということは、憲法学者、民法学からも有力に唱えられているところです」とする意見書を公表した[15]。

 
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