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2010-02-23

http://anond.hatelabo.jp/20100222201027

テメーは何一つわかってねえ。

効率とか能率とかの問題じゃねえ。

精神の問題だ。

大抵ほとんどの人間が恐怖と不安から逃げる事しか考えていない。

その考えの最悪の状態が、恐怖回避からの現状維持と言う逃げの一手。

お前は日頃の「苦労をせずに生きてゆこう」という脆弱精神ベースゆえに肝心な時に、

その逃げの一手で自滅、すなわち死ぬ。

そんな事もわからずにこんなことを書くお前は故に死ぬ。

2010-02-20

http://anond.hatelabo.jp/20100220104132

引きこもりになってしまって辛くて苦しんでいるのは息子本人だ。

どうして母親被害者ぶって感傷に浸ってるんだ。

母親人生には何の障害もないんだから勝手自分人生を生きていればいいだろ。

子供人形じゃないんだから親の思い通りにはならないんだよ。

息子には息子の人生があるんだから勝手な心配をするな。

成人するまで、住むところと食べるものだけ保証してくれればいいんだよ。

中学生がたった数カ月不登校になったくらいで人生が堕ちぶれたとか言ってるんじゃねえよ。

どれだけ完璧主義もしくは脆弱精神なんだよ。

もっと酷い境遇から大きな成功してる人なんて腐るほどいるんだろ。


俺も小六から二十歳まで引きこもりをしていたけど、何が一番苦痛だったかって言うと親なんだよ。

それまで過保護過干渉で自分ひとりじゃ何もできないように育てといた癖に、

いざ問題が起きて引きこもったら途端に心配しだしてわーわー喚きやがってなんなんだよ。まあわかるけどさ。

2010-01-26

就職活動を巡る言説に対する違和感

http://d.hatena.ne.jp/nagano_haru/20100124/1264349181

 全体の論旨の言わんとしていることは、とても痛いほど分かります。昨年、自分就職活動を実際にやってみて体験して同様のことを感じました。また文脈的には、「心理学化する社会」であったり、本田由紀さんが提唱する「ハイパーメリトクラシー」と同一線上に位置づけられると思います。

 しかし、就職活動に限って言うならば、それが現代的にアクチュアルな問題なのか、と問われるといまいちピンとこないところがあるわけです。なぜならば、「就活」に対する多くの論旨は、過去現在就職活動には明らかな断絶があると強調する一方で、現在にばかり着目し、過去には一切目を向けていないからです。

 上のid:nagano_haruさんの論考も例に漏れず、過去就職活動現在就職活動の違いをまるで自明のように取り扱っています。

企業労働者採用するときの「自己PR」をどんどん先鋭化させていくところだ。

……(引用者略)

以前のエントリーシート以前の就活とは決定的に違う。

企業に入って、企業価値観内面化してくのではなく、

企業に入る前から、企業の好む価値観役割期待適応するように、「自己改革」を迫られる。

 id:nagano_haruさんは、エントリーシート発明によって、就職活動自己に与える影響が変化したと主張しています。しかし、この根拠となる部分が明らかにされていないため、果たして本当にそうなのか、という疑問がどうしても残ってしまいます。つまり、歴史がない、通時的な視点の欠如が論旨の前提を脆弱なものにしています。このような歴史の欠如は、議論を極めて内輪的なものにしてしまう恐れがあるのではないでしょうか。

 別にこれはnagano_haruさんに限ったことではなく、就職活動に言及する学者評論家全てに言えることだと思います。彼らがなぜ具体的な資料も根拠もなく、現代的な就活に特有の問題である、といえるのか。そこが全く分かりません。

 私見では、メディアの形式が変化しただけで、恐らく、三菱財閥住友財閥富士電機といった明治大正にかけて一世を風靡した大企業たちは、面接段階で、現代以上に自己の刷り合わせを求めてきたのではないか、と思われます。当時の産業はまだまだ発展途中であり、その成員に家族的な同質性を求めていたこと、当時の大学生は全人口の数パーセントに過ぎないエリートであったことから、横の学歴よりも個人の思想、忠誠心が問題とされたこと、などが考えられます。またこの時期に就職活動本の原点とも言えるハウツー本が発売されたのは、決して偶然ではないでしょう。

 つまり、現代的な問題というよりむしろ、近代以降、職業選択の自由によって開放された労働市場が、開放された個人を取り込むために始まった就職活動に内在している問題系なのではないか、ということです。

 こんなこと書くと、お前が調べて根拠出せよ、と言われてしまいそうなので、時間があるときに昔の就職活動について調べてみます。ただ、個人的に一番問題だと思うのが、現時点で体験している人以外あまり問題として感じられない点があると思います。自分もそうですが、就職活動やっているときは、そのシステムの不条理さに怒りを露にするのですが、いざ内定をもらってしまうと、それまでの苦労は笑い話となり、理不尽さは隠蔽されてしまう。誰しも経験しているにもかかわらず、喉元過ぎると熱さを忘れてしまうところに、この問題の難しさが潜んでいるのではないかと思います。

2010-01-25

http://anond.hatelabo.jp/20100125175911

仮定の話だってのに。

それにこれは日本国軍事力と立ち回り次第だと思うので、必ずしも袋だたきにあうかどうかわからない。

既に大日本帝国の例がある。そして、現在は当時よりも脆弱軍事力や士気でしかない。

日本人憲法理念を優先させようというコンセンサスはないよ。

ニッポソ人にはコンセンサスがないのかも知れんが、日本国民にはあるだろ。

日本国憲法が現に存在しており、一向に改正されないのがその証拠だ。

2010-01-17

欺瞞と実態

【IT】深刻な情報処理技術者の不足、社会基盤を支える人材の育成を急げ--東洋経済 [01/14]

http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/bizplus/1263458599/

1 名前ライトスタッフ◎φ ★[] 投稿日:2010/01/14(木) 17:43:19 ID:???

賛否両論の渦巻いた事業仕分けの中でもとりわけ注目を集めたのが次世代スーパー

コンピュータだろう。学界、産業界からの強い反発を受けて、鳩山首相から

「凍結見直し」が示唆されたが、現政権国家戦略・百年の計のなさをはしなくも

露呈する結果となった。

民主党マニフェストにも「科学技術の育成」はうたわれている。しかしターゲット

不明なうえ、育成のために何をすべきかすらもまったく見えない。政策の骨格が見えず、

予算削減という目先の目的一つで政策自体がぐらつく。この政権に対する産業界

不信は根深い。

開発が中断し、ロードマップが途切れると、その遅れは二度と取り戻せない。単にその

期間分の遅れにとどまらない。産官学の共同研究は、いったん解体されると二度と同じ

メンバーを集められない。

さらに、スーパーコンピュータ開発の遅れは、他分野の研究にも多大な影響を及ぼす。

医療宇宙、気象など、さまざまな分野での解析・シミュレーションに不可欠な

インフラだからだ。インフラ脆弱では、世界のトップをうんぬんする以前の話で、

国際競争の中で生き残ることすら難しい。

資源の乏しいわが国にとって、唯一の資源人材であり、中でも「ものづくり」を

中核とした科学技術の力は、最も期待の大きい分野といっても過言ではない。しかし

科学技術開発のタイムスパンは長い。ハイビジョンテレビという民生技術でさえ、

技術方式が考案されてから一般に普及するまで30年の歳月を要した。量子コンピュータ

開発ロードマップも30年計画だ。長期にわたる技術開発だけに、現在科学者技術者

だけで終わる話ではない。研究開発の継続性を念頭に置いた、教育による人材の育成も

また、計画の中に織り込まれねばならない重要な要素だ。国家単位での長期的視点からの

下支えがなければ、企業努力だけではどうにもならない。

人材確保に苦しむ情報産業

国の財政支援によって育成すべきは、スーパーコンピュータのような最先端技術だけ

ではない。表面的には見えにくいが、今や情報産業経済社会インフラというべき

重要な存在だ。資金、生産・販売、コスト、労務人事、決済に至る企業活動のすべてが

情報化され管理されている。鉄道、航空など輸送の運行制御、高速道路ETCシステム

銀行オンラインシステムお財布携帯など電子マネー自動車家電製品電子シス

テムなど機器組み込みソフトに至るまで、情報産業バックグラウンドなしに経済

社会も生活も成立しえない。

IT産業のうちシステムソフトウェア開発等サービス関連の市場規模は5兆円(IDC調べ)。

自動車産業の十分の一にすぎないが、重要性において他産業に決して劣るものではない。

にもかかわらず、人材の確保が非常に厳しい環境にある。

情報処理技術者試験を管轄している独法情報処理推進機構IPA)の集計によれば、

情報大学出身者の半数以上が情報産業以外に職を求めている。卒業生数自体、年間

わずか2万1000人にすぎないのに、である。一方で情報学生新卒求人情報産業

一般企業を合わせると、毎年7000人の供給不足だ。

※続く

ソース 週刊東洋経済

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20100114-00000000-toyo-bus_all

686 名前名刺は切らしておりまして[sage] 投稿日:2010/01/17(日) 01:25:53 ID:rK1wYYKs

ピンポンパンポ~ン 定期的にお知らせします。

>>1-2の記事の「人材不足」とは「新卒不足」のことです。

新卒でなければ人材にあらず(>>143)だそうです。

143 名前名刺は切らしておりまして[sage] 投稿日:2010/01/14(木) 20:42:03 ID:J4ojKbk3

だからさぁ、不足してるのは人材じゃなくて新卒の間違い。これがFA


320 名前名無しさん@毎日が日曜日[] 投稿日:2009/11/17(火) 14:23:09 ID:XvIqWccI

既卒という言葉がある。

既卒とは、就職内定がないまま大学卒業してもらったことを

一般的に人事部ではそう呼ぶ。

(中略)

はっきり言ってしまえば、殆どの企業で「既卒者は門前払い」となる。

それは、本人の学歴がどんなに素晴らしくても変わらない。

「計50社ぐらいは送りましたね。履歴書と送料で3万円は払ったかな」

近藤君は28歳のフリーターだ。現在は都内で進学塾講師バイトをしながら暮らしている。

月収は15万円ほど。家賃が6万だから、けして楽な暮らしではない。

実は、彼は東京大学法学部卒業という学歴を持っている。

(中略)

ネット企業就職説明会でエントリーしても、その後なかなか呼び出されないんです。

 でも、ネットで調べてみると同じ時にエントリーした人は内定を貰っている。

 10社以上回ってみてからですね、ようやく変だな、と思ったのは」

私自身、人事部に配属されて最初にやった仕事は、新卒応募者の中に紛れ込んでいる

既卒者の履歴書をチェックして引っ張り出すことだ。

取り除けた履歴書は、オフィスの隅の箱に入れられたまま、二度と人の目にすることは無かった。



・出典

若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本未来城繁幸

これは記事の文脈を読めば気付くはずですが、皆さんはボケレスされていることと思います。

奴隷が不足してるってことだろ?というのも違います。

下っ端の奴隷はむしろ余ってるので言及する必要すらないだけです。

本当に高度な技術者はITに限らず育成で何とかなるものではないので、やはり言及なしでしょう。

足りないのは新卒です。奴隷たっぷりいます。

新卒が不足すると困る理由は、大手IT企業年功序列を維持できないからです。

そして肝心の、新卒不足の理由は>>116、キャリア・パスに全く希望・魅力が無いということです。

ちなみに実質人材余りの理由は>>294の後半。これが奴隷化への意図的な布石意図まであったとしたら悪魔戦略でしょう。

116 名前名刺は切らしておりまして[sage] 投稿日:2010/01/14(木) 19:20:32 ID:J4ojKbk3

262 名前名無しさん@十周年[] 投稿日:2009/12/17(木) 01:34:58 ID:Lf+iFfjd0

IT系の会社は、社員がある程度歳を取ったら 『自発的に』 辞めてくれるような環境を作る。

みんな 『愛想を尽かせて』 辞めたり、『仕事苦痛になって』 辞めたりするんだけど、これ実は会社の意向なのよね。

この手の会社は平均年齢を若く保たないと駄目だから。

IT系は若い頃は他の業種より多少収入がいいんだけど、 これ実は未来自分の財布から(不効率な方法で)現金をくすねているだけに過ぎない。

新卒100人が独立系の上場IT企業に入ったとしよう。



     会社に残る 中小ITに転職 零細ITに転職 異業種に転向 独立開業 無職

35歳     40人       20人       10人        20人     5人  5人

40歳     20人        15人       20人       30人     5人  10人

45歳     15人        10人       15人       40人     10人 15人

50歳     10人       5人       10人          65人     10人 10人

定年        5人       0人       0人        75人    10人 10人

IT業界20年の俺が見た所、人数の推移はこんな感じ。

加えて言うなら、定年まで会社に残れる5人の中に、経営者親族が3人くらいは入っているw

独立して最終的に食えるのは、業界の1割ほどに過ぎない。

残りはほとんど未経験の異業種で恐ろしく低賃金で働かざるを得ない人生負け組として人生を終える事になる。

若い頃のプログラミング楽しいものだが、それを仕事にしてしまうと、かなりの高確率負け組が確定する。

この業界に入るなら、能力が上位1割(独立開業できるライン)に入る自信がなければ止めといた方がいい。


270 名前名無しさん@十周年[] 投稿日:2009/12/17(木) 01:43:12 ID:ZfD4e96GO

262の言う通りだべ。何か読んだが、ITは30までに管理職になれないと辞めさせられる環境らしいしな。


342 名前名無しさん@十周年[sage] 投稿日:2009/12/17(木) 03:37:05 ID:miR7gPpU0

本当はアメリカと比べたくないけど、アメリカの場合は職種が専門家されていて、デベロッパー(あえてプログラマと書かない)だったらデベロッパーとして、ITプロとしてだったらITプロとして食べていけるけ。

日本の場合は、管理職にならないと給料が上がらない仕組みだから、ある程度の年齢になると、希望する/しないに関わらず管理職にならざるを得ない。(それが嫌なら独立するか)

これが日本にIT職が根付かない理由だと、個人的には思っているんだけど。


↑↑↑

だれがせっかくの新卒カード切ってこんな業界に就きたいと思うのかw

294 名前名刺は切らしておりまして[sage] 投稿日:2010/01/15(金) 04:39:15 ID:5gPqY2Sw

>>160,167,226

人材不足じゃなくて新卒不足w

新卒でなければ人材にあらず、だってさw

>>172,206,228

その通りなんだろうが、記事の文脈では人材不足じゃなくて新卒不足を言ってますw

新卒を湯水のように使い捨てたいらしいですw

>>242

ピンって1割って意味だったらしいよw

1割ならすっごくすっごく良心

この国をダメにしたのは>>273

さらに日本のIT業界ダメにしたのは>>116と↓

165 名前名無しさん@毎日が日曜日[sage] 投稿日:2009/10/26(月) 20:13:06 ID:/5Ruvz1N

ほんの少し前まで未経験30男を採用する企業が実際にあったのよ

ブラック限定だったけど

で、その頃の情報ネットに飛び交ってるし、職安馬鹿職員共の頭にもこびりついてて、

こいつらは職安でその当時の情報を吹き込まれてるわけ・・でそれを鵜呑みにしちゃってるの

何故ITは一時的に極度の人手不足になったのか?

それは急激にIT化が進んだ為であり、あくまで一時的に人が大量に必要になった為。

今はIT化の波が一段落して逆に人余りの状況になっている。

そして、その人余りの状況に、この大不況がぶつかってしまった。

だから仮に何年先かわからないが、景気がよくなっても、残念ならITの需要はかつてのようには増えることはない。

そして人余りの状況に変わりはない。当然、30代の未経験者が仕事にありつけることはない。

ITなら就職できるというのは、情報として古すぎる。

457 名前:非決定性名無しさん[sage] 投稿日:2009/10/27(火) 00:40:22

顧客にものすごく工数がかかると錯覚させるのが元請けの戦略なんだよ

100人規模のプロジェクトで本当に必要な人材は上位20人のみ

他80人はいてもいなくても関係ない人材だからね

これで1人月100~200万×100人を顧客に請求していたわけ

その他80人に対して50~100万×80人を払えば差分は丸儲けの仕組みだったんだよ

このその他80人を埋めるための人材を提供していたのがIT人売りと言われる企業

スキルあろうがなかろうがどっちでもいいから未経験でも受け入れてもらえてたんだよ

466 名前:非決定性名無しさん[] 投稿日:2009/10/27(火) 07:56:43

多重下請構造の生み出した、無駄無駄のヒダの間で生きていたのが、人売り会社フリー

業界スリム化して、入り込む隙間が小さくなれば、そりゃ生き残れる奴は少なくなる

でもこれが本来の姿

二度と戻る事はない



奴隷から抜け出せない現象は、手配師やタコ部屋、“型にはめる”などのヤクザの手法が応用されているかもしれませんね。

一見カオスですが、不完全情報ゲーム下での均衡状態の一つなような気がしますが如何でしょうか。

IT業界に限らない日本低迷の理由は、硬直した年功序列新卒至上主義+ピーターの法則、一段階正義パターナリズム、そして>>273ではないでしょうか。

273 名前名刺は切らしておりまして[sage] 投稿日:2010/01/15(金) 03:36:03 ID:PYTcTri7

日本下士官は優秀だ。

 下級将校は熱狂的に戦う。

  しかし、将軍は無能である。

 特に金モールを吊った高級将校は低能としか いいようがない。」

    ゲオルギー・ジューコフ



以上、詳細は引用先をご参照ください。 ピンポンパンポ~ン。

2010-01-09

http://anond.hatelabo.jp/20100109234721

認めないんじゃなくて、失敗を受け止めるから強くなるという意味

失敗から様々なことを学ぶとも言える

元増田脆弱なのは失敗体験から何も学んでないからだと予想

挫折した人間は強いって言う人がいるけど絶対嘘だよね。

俺なんて脆弱だし。

人間人生のうちに一度は挫折が必要」なんて言う奴は自分の失敗を認めたくないだけなんだと思う。

2010-01-03

http://anond.hatelabo.jp/20100103022724

別に何らやましいことはないさ。

wikipedia加工貿易のページ

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8A%A0%E5%B7%A5%E8%B2%BF%E6%98%93

加工貿易は、中継貿易と異なり加工のプロセスが追加されている分だけ付加価値が高まるため、有利な貿易である。

また、最終製品の行き先をあらかじめ輸出に頼る構造であるため、国内経済の変動に左右されにくく、大きな資本力技術力を有しながら経済基盤の脆弱な国においては基幹産業となる。また、こうした条件を十分満たしていなくても労働賃金が安く生産性比較的高い国であれば成立しうる余地がある。さらに、原料調達を外国依存しているため、コストに応じて調達先を変更できる。国内からの原料調達に依存した場合、コストを理由に取引を切ることが政治的にも困難になるからである。


お前は物事を悪い方向に考えすぎる。

もちろん世界には悪いこともあるが、それがすべてじゃないよ。

全員が悪意を持ってたら世界はとっくに崩壊している。

多くの人々の悪意に耐えられるほど世の中のシステムは強靭じゃない。

2009-12-16

信じる

年末進行でクソ忙しかったがようやく目処が立ち、久々に定時帰りできた。

ビールもどきを飲みつつ、テレビを見てたたら、チャイムの音が鳴った。

時刻は七時三十過ぎ。

宅急便かなと思い、ドアを開けると若い男の二人組が立っていた。

俺に近い方の男がエホバの証人佐藤だと名乗り、宇宙が誰の為に作られたのかという事を話しにきたと言った。

馬鹿馬鹿しい。

宗教には興味ありません。俺は空飛ぶスパゲッティ・モンスター信者ですから」

「えっ?」

「だから、空飛ぶスパゲッティモスンター教だよ」

冗談のつもりでそう言ったら、後ろにいた男が口を開いた。

増田さんはインテリジェント・デザインを信じてるのですか」

「え、ええ、まぁ」

びっくりした。まさか宗教まっしぐらの奴らからインテリジェント・デザインという単語が出てくるとは思わなかった。

それから、後ろにいた男はべらべらと喋りだして、地球人間が住む為に設計されたとか、人は神を求めてるとかそんな事をしゃべった。

あまりにも熱く語るもんだから、なかなかドアを閉じれない。

数分ほど話して、俺からの険悪な空気を読み取ったのか、そいつはしゃべりすぎましたと言って丁重に謝った。

気づくのおせえ。

それでは失礼しますと言って、そいつらは出て行った。

ドアを閉めてしばらくしてから、あの男が言っていた言葉がふと思い浮かんだ。

「何を信じるのかというのはとても重要だと思いませんか」

その時は適当に答えたが、俺は一体何を信じてるのだろうかと考えたとき、思考が詰まった。

あくまで俺は自分学習してきた事を本当の事だと思って来たが、その根拠はなんだったのだろう。

経験と勘だけだ。

それが恐ろしいほど脆弱な根拠である事に気づく。

三十年弱の経験と勘。弱い。弱すぎる。

鏡を見ると、疲れ切った俺の顔。

あいつらの晴れ晴れとした表情が煩わしい。

何て対照的なんだ。

盲信であろうとも、きちんと自分が信じてると言い張れるあいつらを、ほんの少しだけ羨ましいと思った。

2009-11-19

セレブって可哀相だと思うけど

http://anond.hatelabo.jp/20091119010322

なんで、そんな家の子供が似たような家庭環境の子が集まる私立に行っていないのかが最大の謎だけど、通常公立には行かせないよね。こんな風に嫉妬されるから。

年収が多い家は、その分生活レベルも上がっていて、かかる生活費の規模が変わってしまうから、1千万程度じゃ1人がやっとってのもうなずける。

問題はその収入が無ければ、その人は生き延びることが出来ないだろうということ。生活レベルを落とさなくてはならないってのは、上流階級には耐えがたいだろうから、何かあって収入が途絶えたら即自殺するしかないだろう。

そのセレブさんは「脆弱ペット」でしかないのだから、元増田が「自分は自立しているキチンとした人間」って自覚があるのなら、哀れんであげればいいんじゃないのかな。

2009-11-17

ドラゴンボールフリーザ一派のビジネスについての疑問

サイヤ人フリーザ一派の概要

鳥山明の人気少年漫画ドラゴンボール」に登場する悪役、宇宙帝王とすら呼ばれているフリーザを頂点とする一派。

彼らの普段の活動について、主人公である孫悟空の兄ラディッツ単行本15巻71ページで以下のように述べる。

われわれ サイヤ人

戦闘民族

環境のよい星を探し

そこに住む者を

絶滅させてから

適当な星を求めている

異星人たちに

高く売るのが仕事

当初はサイヤ人という種族そのものがそういう「星間貿易」みたいなやり方で外貨を獲得しているのかと思いきや、74~75ページですぐに否定されてしまう。

サイヤ人は もともと

少数民族だったうえに

惑星ベジータ

巨大隕石の衝突で

爆発してしまったのだ

………

のこったサイヤ人

おまえを含めても

たったの4人しかいないのだ!

彼らはたった3人で星を売買してるのか?というとそうでもない。

単行本29巻153ページでフリーザ直属のエリート戦士集団「ギニュー特戦隊」が、登場直前まで別の星「ヤードラット」を攻略中だったと明かされている事からも、フリーザ一派とはフリーザを頂点とする様々な星の種族の戦士達の寄り合い所帯のようなものだと推測される。言うなればフリーザ派遣企業社長で、サイヤ人を初めとする配下の戦士達は派遣社員みたいなものか。まとめると「フリーザ一派」はおおよそ以下のような存在と推測できる。

そういえばスカウターとかあったね

スカウターという機械の存在もこの説を補強してくれる。スカウターとは主に任意の相手の強さを数値化し表示する装置である(他にも遠方の相手との通信機能などもあるようだ)。フリーザ一派の殆どがこれを装備しているあたり、携帯電話並みにありふれた存在と言える。

星を売る商売をしているとなれば、効率的に対象となる星の原住民を排除する必要がある。そのためには、投入する戦力は常に適性に配分されなければならないのは明白だ。地球のような脆弱民族しかいない星に、ギニュー特戦隊のようなエリート戦士を大量に投入したり、もしくはエリート戦士でなければ対応出来ない屈強な原住民がいる星に下級戦士を逐次投入して人的損害をいたずらに増やすというのは無駄以外の何物でも無い。よって排除対象の戦力を正確に把握するデバイスラディッツのような下級戦士にまで広く普及しているのは必然と言えるだろう。

で、誰を相手に商売してるの?

さて、ここで気になる点が出てくる。

一つは、会話の中で触れられながらも「ドラゴンボール」作品中に最後まで登場しなかった存在。前述のラディッツが語った「適当な星を求めている異星人達」である。彼らの存在は非常に厄介である。なぜなら、具体的な姿が想像しにくいからだ。

考えてみると良い。フリーザ一派のトップであるフリーザおよび彼の一族は宇宙一強いと広く認知されている(原作では父親、劇場版アニメでは兄の存在も明らかになっている)。その配下の戦士達も、質、量ともに大軍団と言うべき規模を誇っているはずだ。はっきり言って彼らを止められる存在など宇宙には存在すまい。

であるならば、相手とまともなビジネスを展開する必要があるだろうか。

何せ星を丸ごと滅ぼして商品にしてしまうような戦力・組織力をもった一派である。顧客の星も有無も言わさず収奪してしまえば良いではないか。

星を売って代わりに何を得てるの?

二つ目の気になる点は「高く売る」という表現である。「売る」という行為は基本的に、手元の商品や権利などを相手に差し出し、それと同時に相手から対価をもらい受ける事である。では、惑星丸ごと一つと同等な対価というのは存在しうるのだろうか。

仮に「売る」が物々交換意味しているのならば、対価は少なくとも以下の条件を満たすものである必要がある。

  • 星ではない
    • 星同士の交換なら直接奪えば良いので交換する必要は無いはず。
  • 星丸ごと一つに匹敵する価値がある
    • 希少な鉱物、食料、奴隷、製造に高度な技術が必要な製品などは、生産・保有している星自体を奪えば良いだけだろう。もっと別次元の「価値ある何か」のはずだ。
  • フリーザ一派には入手不可能(入手しにくい)
    • 星ごと強奪できるフリーザ一派が手に入れられない物って何?

貨幣で売買しているシチュエーションはさらに難しい。フリーザ一派以外の誰がその貨幣価値を担保しているのか、という問題からして解決不可能。

結局よく分からない

仕事中の眠気覚まし程度にはなったが、結局結論は出ずじまいだった。誰かスパーンとこの辺を解決出来る説を頼む。

と思ってたら…

単行本21巻の扉絵特集でフリーザについて「星を集めて支配するのが趣味」と解説が。利益とか度外視道楽でやってんのか?

もしかしたら、星の売買は副業程度の位置づけなのか?

2009-11-16

徒にスクロールバーを長くさせるだけの迷惑極まりない掌編

ぱがん、と、乾いた音が耳を突いた。まどろみに埋もれていたわたしの意識が、急速に引き上げられていく。気だるげに開いた眼は、薄暗く静寂に沈んだログハウス天井を視界に捉えていた。

ぱがん、と、乾いた音が再び聞こえてくる。のっそりと上体を起こしたわたしは二段ベッドの上から室内を見渡し、まだサークル仲間の誰も彼もが目を閉じたまま微動だにしない様子を確認すると、がりがりと寝癖のついた頭を掻いてしまった。

もう一度眠ろうかと考えた。予定では、今日は引率している野獣の如き子ども達を宥めてオリエンテーリングに向かわせなければならなかった。下手に寝不足のまま参加してしまえば足手まといになってしまうだろうし、やつれて無駄に疲れてしまうことが目に見えて明らかだった。

やっぱり眠ろう。決めて身体を横たえて瞳を閉じる。小さく、仲間達の呼吸が小さく聞こえてきていた。意識はじゅんぐりと眠りの海に沈み始める。布団を引き寄せて、身体を小さく抱え込んだ。温もりが再度まどろみに沈んだ身体にとても心地いい。

ぱがん、と、三度あの音が鼓膜を振動させた。瞬間、わたしの瞼は何者かに支配されたかのように勢いよく見開かれる。まだ浅いところで引き上げられてしまったせいで、とうとう完璧に目が冴えてしまった。こんな朝っぱらからうるさいなあと少し腹が立ったわたしは、仲間達を起こさないよう静かにベッドから降りると、懐中電灯を持ってひとりログハウスの外へと足を向けてみることにした。

「……すごい」

扉を閉めると同時に、立ち込めていた噎せ返るような濃霧に、思わず呟いてしまっていた。少し息が苦しいような気がする。まるで水底に立っているかのようだと思った。山間だというのに立ち並んでいる木々の姿さえも確認できない。濃密な霧の姿に、わたしは途方もなく圧倒されてしまった。

霧はまだ陽も昇っていない早朝の薄闇の中、心なしか青白く色付いているように見えた。纏わりつく気配の中手を動かすと、水流が生まれるかのように顆粒が小さな渦を巻く。懐中電灯がなければとてもじゃないけれど踏み出せそうにはなかった。霧のせいで迷子になってしまう恐れがあったのだ。ともすれば壁だと錯覚してしまいそうなほどの密度を持った濃霧は、その奥底に圧倒的な幽玄を潜ませながら、音もなくキャンプ場を覆い尽くしていた。

そう。本当にあたりには何も物音がしなかった。鳥の鳴き声も、梢の囁きも、虫の音までも、一切が外気を震わせていなかった。空間を満たしているのは、どこまでも深い霧ばかりだ。昨日来たときには煩わしいほどに感じられた生き物の気配は、どれだけ耳を研ぎ澄ませてみても拾い上げることができなかった。

先ほどの言葉でさえも、口にした途端に濃霧に絡め取られてしまったのだ。生き物達の振動も、片っ端から霧に呑まれて分解されているのかもしれないと考えた。

ぱがん。辺りにまたあの音が谺した。随分近くで。あるいはとても遠い場所から。あの音だけは、やけに周囲に響き渡っている。まるで、霧があえて分かりやすくしているかのように。わたしは音がした方向に向けて懐中電灯の心細い光を放つ。

「誰かいるんですか?」

返事の代わりなのか、しばらくしてから再びぱがん、と音がした。導かれるようにして、わたしは濃霧の中に一歩足を踏み出す。一定の間隔で聞こえてくる音だけを頼りに、見通しの悪い、すでにどこにログハウスがあるかも分からなくなってしまった霧の中を進んでいく。

唐突に、光の円の中にひとりの老人が浮かび上がった。

思わず息を呑んで立ち尽くしたわたしの目の前で、どこか古めかしい翁のような雰囲気を纏った老人が手にした斧を大きく振り被る。耳に張り付いてしまったあの音を響かせながら、刃が突き刺さった丸太はぱっくりと左右に割れて落ちた。

「お早いのう」

こちらに振り返ることもしないで黙々と薪を割っていく作業を続けながら、老人が言った。

「音が聞こえましたから」

「ああ、そうじゃったか。……もしかして起こしてしもうたかな?」

言いながら老人は斧を振り被る。ぱがん。薪が割れる。

態度に少し気分を害したわたしは不機嫌を装って返事をした。

「まあね。うるさかったから」

「そうじゃったか。それは申し訳ないことをした」

と、老人はまったく反省したような素振りを見せずに口にする。なんなんだ、この人は。思ったわたしは口を噤むと思い切り睨みつけてやった。友達から、怖いと評判の眼差しだった。止めた方がいいよと。

けれど、老人は意にも介さない。丸太を立てて、斧を振り被って、割れた薪を横に積み上げていく。

漂い始めた沈黙と続く変化のない作業に、先に耐え切れなくなったのはわたしの方だった。

「あなたは、この辺りに住んでいるの?」

「ええ。長いもので、かれこれ三十年近くになりましょうかね」

「こんな朝早くから薪を割りにここまで昇ってくるんだ?」

今日はちょうど薪を切らしてしまっていての。寒いし、こりゃあ大変だということで、急いで準備に取り掛かったんじゃよ」

「でも、この霧だと大変じゃなった? よくここまで来られたわね。住み慣れた経験がものを言ったのかしら」

少し嫌味っぽく言うと、老人の口許に淋しそうな笑みが浮かんだ。その表情に、わたしは思わずどきりとさせられてしまう。老人は一度作業を中断させると、腰を伸ばしてから額に浮かんだ汗を拭った。

「深い、とてつもなく濃い霧じゃからなあ。あなたも驚かれたんじゃありませんか?」

「え、ええ。まあ」

「息が詰まって、溺れてしまいそうだと思った」

発言に、わたしは無言のまま頷く。老人は初めてこちらに目を向けると、とても柔らかく微笑んだ。穏やかな、それでいてどこか影の差し込んだ微笑だと思った。

「私も、初めてこの霧を経験した時にはそう思ったもんじゃからなあ。とんでもない霧だとな。けれども、いい場所だとは思わんかね。神聖な気配が満ち溢れているような気になる」

「神聖?」

突飛なキーワードに思わず声が口をついて出てしまった。

「ええ。ええ。そうじゃとも。この辺りには神聖な気配が満ち満ちておる。とりわけ、こんな濃霧の日にはの」

言って、老人は濃霧の向こう側を、その奥底を眺めるようにそっと目を細めた。

「……辺りを少し歩いてきてみたらどうですかな。きっと、とても気持ちがいいはずじゃよ」

しばしの沈黙の後、再びわたしの方を向いた老人は穏やかに微笑んでそう提案してきた。

「それに、もしかすると今日不思議なことが起きるかもしれない」

不思議なこと?」

繰り返すと、老人はこくりと頷いた。

「ええ。まあ、噂にすぎないんじゃがね」

そう口にして苦笑した老人に、わたしは最早当初抱いた不快感を消し去ってしまっていた。この人は少し仕事に集中していただけで、本当は親切ないい人なのだ。そう思うことで、優しくなれるような気がした。

「あんたなら、あるいは出会えるかもしれん」

口にした老人に、ありがとう、と礼を言うと、わたしは言われたとおり少し辺りを散策してみることにした。依然として先の見えない濃濃密密たる霧には変化がなかったものの、どういうわけか迷子になって帰られなくなる、といった不安は感じなくなっていた。ぱがん、と背後から断続的に薪割りの音が聞こえてきたからなのかもしれない。わたしの足はずんずんと霧の奥へと進んでいった。

どれほど歩いたのか、濃すぎる霧はわたしから時間感覚を奪ってしまったようだった。ぱがん、と聞こえる音の回数も、五十を過ぎたあたりから数えられなくなっていた。

一体、ここはキャンプ場のどの辺りなのだろう。どこをどう進んで、どこまでやってきたのかが分からなかった。劣悪すぎる視界は距離感覚も曖昧にさせてしまっていたのだ。加えてどういうわけか聞こえてくる薪割りの音はいつも同じ大きさだった。遠くもなることも、近くなることもないせいで、同じ場所をぐるぐる回っているような奇妙な感覚に陥ってしまっていた。

先の見えない霧の中、疲労にがっくり項垂れたわたしは、とうとうその場に屈んで、膝に手を置いてしまった。上がった呼吸を整えながら、もうそろそろあの老人の許へ帰ろうかと考えた時だった。

幼い笑い声が耳に届いた。

驚き、わたしは素早く顔を上げる。聞き間違いじゃないかと思ったのだ。引率してきた子ども達がこんな時間に外出しているはずがないし、そもそもその声がこの場所で聞こえるはずがなかった。

わたしは膝に手を突いたまま硬直して、こんなことはありえないと念じ続けていた。目の前にいる何かを幻だと理解しながらも、どこかでそうではないと信じていたかった。

再び笑い声が響く。たった三年だったにも関わらず耳馴染んでしまった、最後に息を吸う特徴のある、誰が笑っているのかを知っている声が谺する。

視界に映った霧の中で、その影は確かに楽しそうに口角を吊り上げていた。

「七恵なの……?」

呟くと、ひらりと身を翻して小さな子どもの姿をした影は霧の奥へと駆け出してしまった。

「待って!」

叫び、わたしは全力で影の背中を追う。疲れた身体の都合など知ったことではなった。実際、膝はすぐに悲鳴を上げ出し、やがて横腹も痛みを訴え始めた。いつの間にか木々の間に入ってしまっていたらしく、足場が安定しないのも苦しかった。

けれども、それでもわたしは身体に鞭を打った。影を追わなければならなかった。ここにいるはずのない、ましてやこの世に存在しているはずのない妹が、いま目の前を走っているのだ。どうして追わないことができよう。彼女に伝えなければならない言葉をわたしはずっと胸のうちに秘め続けていた。

掠れ始めた呼吸音と、立ち込める霧そのものが発しているかのように響く七恵の笑い声を耳にしながら、わたしはあの一日のことを思い出していた。決定的に何かが失われてしまった、手を離すべきではなかった日のことを。

あの日まで、わたしはお姉さんだった。三歳になったばかりの七恵を、監督し守ってあげなければならない責任があったのだ。

なのに。

先を行く七恵の影は、どうやら現状を鬼ごっこか何かと勘違いしているらしい、奇声のような歓声を上げながらするすると木々の間を縫い進んでいく。

「待って……待って、七恵」

もう手放さないから。絶対に、必ず握っておくから。

――だから、もうどこへも行かないで……!

ぎゅっと閉じた瞼の裏側に、あの日の光景フラッシュバックする。病床に臥していた祖母のお見舞いに向かっていたのだった。病室でわたしは暇を持て余していた。近くにいるように母に言われていたのに。七恵を連れて院外へ出てしまった。

近くにあった商店街。立ち止まり見惚れてしまった文房具店。陳列されたいろいろな文房具は、小学生になったばかりだったわたしの目に、キラキラ光っているように見えた。どれもこれも可愛くて、熱中してしまた。

握り締めていたはずの七恵の小さな掌の感触。いつの間にか、なくなってしまった感触。

生々しく思い出せるが故に、後悔は杭となって打ち込まれていく。鈍痛は、いまなお血と共に滴り続けている。槌を振るにやけ顔の罰は、愉快そうにこう告げてくる。

「おいおい、なにを寝ぼけたことを言ってるんだ。それだけじゃないだろう。お前の罪はそれだけに留まらなかったはずだ」

そうだ。そのとおり。文房具から目を上げたわたしは、隣に七恵の姿がなかったことをかなり早い段階で認識していた。その時点でわたしが探していれば、もっと違った現在があったかもしれなかったのだ。

幼かった七恵。まだ三歳になったばかりだった。生意気で、なんでも真似して、両親の愛情まで奪っていって――。わたしは邪魔だったのだ。幼い独占欲は、妹の存在をうっとおしく思い始めていた。

わたしはあの時、本当は喜んでいたのだ。疎ましい七恵がいなくなったと。人通りの多い商店街の中で、これでようやく好きなだけ文房具と向き合えると思ってしまっていた。

失った感触。温かくて柔らかくて、小さかった脆弱な掌。

両親は血相を変えてわたしたちを探しに来た。どうして急にいなくなっちゃったの、と、鬼のように母さんに怒られた。それから、父さんが言った。

「七恵はどうした」

ななえはどうしたななえはどうしたななえはどうした……。

わたしは言葉を何度も頭の中で転がした。意味を理解しようと努めた。そして、同時にかっと全身が暑くなって、唇が動かなくなってしまった。

「ねえ、七恵は。七恵はどこに行ったの?」

怒ったままの鬼の母さんまでもが々ことを口にする。わたしは俯いた。父さんは周りを見渡しながら困ったなと呟いたはずだ。探してくる、と駆け出していったから。

「どうして勝手に抜け出したりしたの」

母さんはヒステリックに叫んでいた。思えば、あの時すでに最悪の事態を予想していたのかもしれない。当時、近くの町で未解決の誘拐事件が発生していたのだ。高圧的に、そして混乱しながら怒鳴り散らす母さんの声を、わたしは俯いたままぐっと唇を噛んで耐え忍んでいた。

罰が愉快そうに口にする。

「そうだ。思い出すんだ。お前の罪がなんなのか。本当に最悪ないことはなんだったのかを」

母に怒られながら、しかしわたしは七恵の手を離してしまったことを後悔していたわけではなかった。むしろ、七恵を恨んでいた。勝手にいなくなって、そのせいでわたしが怒られてしまったのだと、やっぱりいらない奴だと考えてしまっていた。

だから、わたしは泣かなかったのだ。いくら怒られても、いくら詰問されようとも。そして、時が経つにつれて本当に泣くないようになってしまった。

記憶は正確に当時の状況を把握し続けている。行き交う人波の中から戻ってきた父の表情。分からない、との呟やきを耳にした後の母のパニック。宥める父と泣き崩れた母の姿。ようやくわたしにも事態の深刻さが理解できかけてきたのだった。両親が人目も憚らず取り乱す姿なんて後にも先にもこの一件以外に見たことがなかった。

警察への連絡、掴めない足取り、過ぎていくだけの日数、憔悴していく両親。わたしは何も言えなかった。言えなくなってしまった。そもそも言う権利など、端から存在しなかったのだ。

誘拐事件への疑い、寄せられた怪しい人物の目撃情報。七恵は、商店街の出口付近で、若い男に手を引かれていたのだという。

そしてその翌々日。

七恵は、近くの池に浮かんでいた。寒空の下、下着姿でぼんやりと漂っていた。性的暴行を受けた末に、死体の処理に困った犯人に投げ捨てられたのだった。その後、連続誘拐犯の若い男は逮捕され、死刑が決まった。

けれども、もうなにも蘇らなかった。わたしのせいでわたしは、わたしの家族は、そして七恵は、どうしようもなく損なわれてしまった。もう二度と元へは戻れない。失われた存在の代償など、七恵本人以外にありえるわけがなかった。

足がもつれる。転びそうになってしまう。前を向いて、歯を食いしばり、泣き腫らしながらわたしは走り続けている。影に追いつかなければならなかったのだ。あの掌を握り締めることだけが、わたしにとって可能な唯一の贖罪だった。

唐突に影が急に立ち止まる。限界を通り越した身体で追いすがるわたしに振り向くと、にこりと微笑んだ。表情など見えないはずなのに、なぜか笑っていると理解できた。同時に、迎えなければならない別れの予兆も感じ取れた。

「な……なえ……」

息も絶え絶えにそう呼びかける。七恵はどうしてわたしが苦しみを抱いているのか分からないといったような顔をして、首を傾げる。

「ごめん、ごめんね、七恵。わたしが手を離したばっかりに、わたしはあなたを死なせてしまった」

そう、全てわたしのせいなのだ。幼いわたしの自分勝手な考えが、全てを反故にしてしまった。用意されていたはずの七恵の未来も、温かな家族の団欒も、些細な笑い声さえも、残された家族から損なわせてしまった。

崩れ落ちるようにして膝を突き、両手で落ち葉を握り締める。瞑った両目からは、涙が零れ落ちていった。

「ごめんなさい。ごめんなさい」

この言葉しか口に出せないわたしの肩に、そっと手が触れたような気がした。

顔を持ち上げる。霧の中で七恵は満足そうに笑っている。影の腕が動いて、大きく左右に振れた。口が動いたのが見えなくても分かってしまった。

さよならの合図だった。永遠の別れ。奇跡は二度とは起こってくれないだろう。

焦ったわたしは手を宙に伸ばす。待って。行かないで。もうどこにも。この手から離れないで。そうじゃないと帰れなくなってしまう。あなたは二度と帰られなくなってしまう。

膝を立てて懸命に、力の入らない足を遠ざかりつつあった影に踏み出そうとした瞬間だった。霧の向こう側から、鋭い陽光が網膜を貫いた。

そのあまりの輝きに堪らずわたしは目を閉じる。瞬間、周囲を穏やかな風が通り抜けていった。柔らかな、優しさに満ち溢れた風だった。

ゆっくりと瞼を開く。あれほど濃密で深かった霧がすっかりと薄くなり始めていた。見れば、手を突き出した先の地面は、すとんと途切れてしまっている。山の断崖に出ていたわたしは、昇り始めた太陽に照らされた雲海を、裂け分かれていくようにして音もなく消えていく霧の姿をじっと目に焼き付けることとなった。

壮麗な光景言葉を失っていた最中、そよいだ風の合間に幼い声を聞いたような気がした。バイバイおねえちゃん、と聞こえたその声は、紛れもなく妹のそれであり、もう決して届かなくなってしまった彼女のことを思ってわたしは再び涙を流した。

泣き疲れて適当に歩いていたせいで、どこをどう帰ってきたのか分からなくなってしまった。気がついたとき、わたしは再びあの老人を視界に捉えていて、何かに操られるかのようにして近づいていったのだった。

老人は相変わらず薪割り続けていた。

「どうじゃった。なにか、起きたかね」

斧を片手に顔を上げないまま、そう口にする。如実に現実感が蘇ってきて、わたしはついさっき体験した出来事を思い出し、それからそっと笑顔になって口を開いた。

「ええ。とても素敵な出来事でした」

もう二度と合えない相手と、たとえ影だけだったとしても会うことができたのだ。伝えられなかった想いも、伝えることができた。一方的ではあれど、わたしにとっては確かに素敵な体験だったのだ。

「……前を向けそうかね」

老人の問い掛けに、やはりこの人は霧の山で起きていることを正確に把握しているのだなあと理解した。わたしはくしゃりと表情を崩して、どうでしょうと口にする。

「また会いたくなってしまうかもしれません」

言葉に、老人は少し困ったような笑みを浮かべた。ぱがん、と薪が割れる。

「あんたも過去に囚われてしまいますか」

わたしは何も答えない。額を拭って、老人は斧を振り下ろす。ぱがん、と薪が割れる。沈黙が二人の間に染み込んでくる。

「かく言う私も、この山の霧に魅せられてしまったひとりでね」

不意に口にして、薪を割る手を休めた老人は恥ずかしそうに頭を掻いた。

「失った日々を前にしてからというもの、ここから離れられずに、こうして樵のような真似事をしておるわけなんじゃよ」

「ご家族の誰かを?」

自嘲気味に笑った横顔に、失礼とは承知で訊ねたわたしに対して、老人は素直に頷いて答えてくれた。

「妻と娘をね、冬場の火事でいっぺんに亡くしてしまったんじゃ。あの冬はとても寒くての、ストーブは欠かせなかった。今思えば不幸なことに違いないのだろうが、ちょうど私は出張で家を離れていてのう。事のあらましを聞いて駆けつけてみれば、二人は見るも無惨な姿に変わり果ててしまっていた。面影すらなかったんじゃ。熱によって筋肉が収縮したんじゃろうなあ、口だけぽっかり開いていて並んだ歯が見えるんじゃよ。でも、それだけじゃ。身体は顔も全身も真っ黒に焼け爛れてしまっとってな、まさしく消し炭で、私は一瞬妻と娘じゃない、他の誰かが死んだんじゃないかと思ってしまったんじゃよ」

進んで訊いたくせにどうとも反応することができず、わたしは目を伏せて小さく頭を下げた。老人は遠く、消えつつある霧が覆い隠してしまった妻子を見つめるかのようにして目を細めた。

「この山はの、異界と繋がっているんじゃよ。もしくは、壮あって欲しいと心のどこかで願う者に山が望むものを与えてくれる。けれども、だからこそあまり長居をしてはならないんじゃよ。私は運よく山に管理者として認めらはしたが、私以外にここで長居をして無事にいられた者は他にはいないんじゃ。皆、山に呑まれてしまった。霧の奥へと誘われて、とうとう帰ってこなかった」

その淋しそうな物言いに、わたしは抗うようにして微笑を湛えた。

「それでも、またいつかこの場所に来てもいいでしょうか?」

驚きに目を見張って振り返った老人が、わたしの表情に何かを見たようだった。柔和に顔をほころばせるとそっと口を開いた。

「……いつでも来なさい。ここはどんな時でもちゃんとこのままであるはずじゃからのう」

「はい」

確かな返事をして背後に振り向く。木々の間を縫って差し込んできていた朝陽に目を細めた。鳥が羽ばたいて空を横切っていく。甲高い鳴き声が響き渡る。存外近くにあったログハウスの中から、いなくなったわたしを心配したらしい大学サークル仲間達が顔を出し始めていた。

「行かなくっちゃ」

呟きに、老人は力強く頷きを返してくれる。

「またいつか」

「ええ。またいつか」

言うと、老人は割り終えた薪をまとめて背中に担いだ。木々の間に分け入っていく背中を見えなくなるまで眺めてからわたしは踵を返した。

帰るべき日常へ、あるべき仲間の場所へと、わたしは歩を進めた。

他人から一人前と承認されること

http://anond.hatelabo.jp/20091116004629

「男性は妻子を持って一人前」なぜなら「妻子に対して責任が生じるから」。

男性ってのは、そもそも「実験性」で、放っておくと、どんなことをしでかすかわからないのであります。でも、たったひとつ、この社会適応したままでいさせる方法があります。それが「結婚」。男性が一人の女性を手に入れることで生ずる責任は半端ないのです。子供など、育ててやらなきゃ死んじゃうって、ものすごい脆弱なもんです。だから、男性が妻子を持って初めて回りの人間は安心するのです。

 「ああ、奴もとうとう、お腹にアンコが入った。これで、大海に泳ぎだして行ったりしないぞ」と。

 くだんの歌の通り、お腹のアンコを気にしつつも、大海に出てしまう男性も皆無ではありませんが、無いよりはあったほうがはるかに出て行く確率は減るのです。

 そゆこと。

2009-11-01

http://anond.hatelabo.jp/20091101231928

英文おかしくないよ。出典は何?すげー英文だな。

直訳:

ブラウンブーストの主な推測は、以下のことだ。すなわち、脆弱な仮説から、騒々しい例が繰り返し、誤ってラベル付けされるあろうこと、また、正しく騒々しくない例が、「信頼できない」とされないために充分なくらい、正しくラベル付けされるであろうことだ。

日本語にしたほうが意味わかんねーな。多分、example, labeled, noisyが、「例」とか「ラベル付け」とか「騒々しい」じゃなく、専門的な意味で使われてるんだろう。

追記:

理解した。noisyは、不正確なものを「ノイズ」っていうあれだろ。

2009-10-29

http://anond.hatelabo.jp/20091029173359

昔の軍艦ってのは砲弾とその破片を受け止める前提で作ってあって、装甲が厚い。

するとフネは大きく重くなるが、大砲をぶっ放すときに反動を受け止めるためにもある程度図体の大きさと重さが必要なので、そういう事情もあって船体は大きく重く堅い造りだった。


でも今の軍艦にはそんなに分厚い装甲はないよ。ロシアキーロフ級なんて特別な例はあるけれど、まぁあれは化け物だから。

艦上にレーダーアンテナなどの脆弱ハイテク装備がこんもり載っていて、攻撃も防御もそれに頼っている現代では

・まずは敵に見つからないことを目指す

・撃たれたら科学の力で敵弾を逸らす

・それでも敵弾がこっちに向かってきたら撃ち落とす

という方法で身を守っている。装甲を厚くしたところで敵弾が命中すればハイテク装備は壊れるし、図体が重く大きくなると隠密性や回避能力の点でかえって不利になるからあまり丈夫なつくりはしてない。


ま、最近テロリスト体当たり攻撃とかあるご時勢なので構造を強固にしなくちゃいけないのかもしれないけど、それでもなお側面は難しいだろうね。正面は衝角とかドリルとかつければ強化できると思うけど。

2009-10-27

BLは次のステップに進むべきである

いやよく知らないんだけどさ

このテの作品に明るい作風のものが割と増えてきたように思うのですよ、pixivなんかを見てるとね。

そもそも男の同性愛なんか救いようがないのが普通ですよ全く。

それをあんなに大っぴらに求め合うのが普通かのように描きたくる創作家はけしからんわな。


ヘテロセクシュアルの男性に比べてホモセクシュアルの男性の自殺率は六倍!

http://www.gaylife.co.jp/news/533.html


とのような話もあるように、本来救いようのないくらい暗い世界観が厳然と現前しているのを、描き手は理解するべきだと思うなー。

まあ俺が言いたいのはアレだ、ちょっとはネタにされてる側の気持ちも考えて見ろよ腐女子共ってこった。

その上で創作に移るのが普通なんじゃないかね?

もっと高度なステップに上がるべき時が来てると思うよ。



ところで蛇足になるが、逆に言えば精神性の脆弱さが目立つ故に女達はゲイを愛でるのやもしれんね。

ホラ、愛玩動物にしたってほとんどの場合、自分より愛くるしくて脆弱なものを飼うだろ?

2009-09-29

リサーチ会社へのギャラの問題じゃね?

http://anond.hatelabo.jp/20090929003723

いやうちでも使っているけど、条件次第。

集計データだけの納品なのか、そこからレポートまであげてもらうか、会場調査とかドライテストまでやるかで全然金額違うし、仮設を持って担当と打ち合わせたらそれなりの答えを返してくれるところが多い。

個人的な雑感で申し訳ないけど、ある程度のベンチャーの方がそのあたりはガツガツ提案してくれるイメージがある。ただし母体脆弱だけど。

※ああ小遣い稼げるぐらいの大手の話か。読み飛ばしてた。って言っても大手でせいぜいひと月100円レベルじゃね?

それは別としても大手となるとある種クライアントからの提案力が求められるかもね。どのレベルレポートイメージまで打ち合わせておくかがカギ。

2009-09-13

http://anond.hatelabo.jp/20090913125614

>男も女も大差はない。

日本男性成熟した女性直視できないほど精神脆弱になってしまったということか。

大差がないなら脆弱な女ばかりで成熟した女自体がいないんじゃなかろうか。いないものは見れなくて当然。泥酔して嘔吐するようなのを直視できるのが成熟ならそんなものいらないし。

2009-09-04

ダウンロード違法化反対家はセキュリティ研究家にどう対応すべきか

このエントリーを書くべきか大分悩んだが、セキュリティ研究家(以下Sとする)周辺で余りにも判っていない意見が乱立しているので書く事にした。

ことわっておくが、私は件のダウンロード違法化反対家を擁護する気は全くない。寧ろ強い怒りを感じる。

だが、それはそれとして、ここで書くのは別の話だ。

なお、ここではダウンロード違法化反対家(以下Dとする)が「SがDの事を記載した」と認識しており、かつ「本当にDの事が書かれていた」物とする。

Dがやるべき事は以下の6点である。

これだけで良い。

名誉毀損罪は具体的氏名を挙げていなくても成立する。

更に、名誉毀損罪は毀損の内容が事実であっても成立する。

背徳または破廉恥な行為のある人、徳義または法律違反した行為をなした者であっても、当然に名誉毀損罪の被害者となりうる。

今回のSの日記名誉毀損罪の成立要件を充分に満たしている。

では、Sはこれに対して何が出来るか。

恐らく出来る事は何も無い。

考えうる対策が役に立たない理由を以下に示す。

  • Dの事を書いた訳ではないと主張する

「DのIPアドレスを入手した」等の記載からSがDを特定した方法は明らかである。

日記の内容が真実であると主張するならば、Sが誰の事を想定していたかを偽装する事はまず不可能だろう。

また、日記全てが架空の話だと主張する事は可能だろうが、その場合、Sの信用は地に落ちる。

Dにとってはそれ以上裁判継続する必要も無いだろう。

  • 真実性の証明による免責を訴える

名誉毀損行為がa)公共の利害に関する事実に係るもので、b)専ら公益を図る目的であった場合に、c)真実性の証明による免責を認められる。

a)に関してはS(ないしS周辺のBLOG)が主張する通り公共の利害に関する事実であると認定されるかもしれない。

b)に関しても同様だが、SとDはa)に関連する事項で主張を違えている。また、Sの日記上、明らかに感情的にDを罵倒・嘲笑する記述が散見されており、「専ら」公益を図る目的であったと認定されるかは危うい。少なくとも裁判官の心象は相当に悪いものだろう。

最大の問題はC)である。

Sの主張は「偶然入手したIPアドレス」を元に「監視システムの記録」と一致したと言うものである。

しかし、「偶然入手したIPアドレス」がDのものであった事を証明する方法があるだろうか。

仮にあったとして、そのIPアドレスが「監視システムの記録」と一致したからなんだと言うのか。

「監視システムの記録」というが、所詮、自作サーバ自作ソフトウェアログに過ぎない。そんなものが裁判の証拠に成り得る訳が無い。

監視システム自体がwinnyネットワークを正しく記録している事は裁判後にも証明可能だろう。

だが、Dを糾弾したログの真正性を証明する事は不可能だ。少なくともSだけでは絶対に出来ない。

真正性を証明しようと思えば、同じ様にwinnyを監視しているセキュリティ研究機関のログをあてにするしかない。

公的機関がやっている記録ならば、裁判でも証拠として採用されるだろうが、個人のシステムであれば真正性は同程度だろう。

しかも、Sのシステムは単純にIPアドレスを記録しているだけでなく他の情報も記録しており、Sの主張はそれらの組み合わせで構成されている。

同じだけの記録を保管していて、なおかつ真正性を保証出来るだけのセキュリティ研究機関が都合よく出てきてくれるだろうか。

出てきてくれれば、なんとかなるかも知れない。

なければアウトだ。

監視システムログなど持ち出さなくても、Dが利用しているISPログを提出させれば良いと思う人も居るだろう。

過去に使用していたIPアドレスもそれで判ると。

だが、ISPログがいつまで保存されているかはISP次第だ。

一応の目安として3ヶ月位になっているが、絶対に3ヶ月保存しろと言うものではない。

Dは3ヶ月で不安なら、半年待てば良い。1年でも待てば良い。

名誉毀損罪の公訴期限の方がずっと先だ。

半年経って何故今更、と言われたら公訴方針を弁護士と相談していたと言えば良い。

真正性の証明が出来ないと言う事は、「Dの悪行」自体証明できないという事に他ならない。

これも選択肢として有り得る。

確かに名誉毀損はしたがDの悪行は証明された、と言う結末だ。

だが、Dの行為を証明する為には、先に述べた真正性の問題を解決しなければならない。

従って真正性の問題を解決できたが、公益性が認められなかった場合の選択になるだろう。

要するにDと心中だ。

しかし、名誉毀損罪の法定刑は3年以下の懲役若しくは禁錮または50万円以下の罰金である。

さて、私が言いたいのは「図に乗ってんじゃねーぞ、くたばれS」って話ではない。

私としては、SにDの様なくだらない人間心中されては困る。

不法行為セキュリティプライバシー著作権侵害児ポル等々)に関わる研究は、それ自体が不法行為に近い行動を伴う。

winny著作権ファイルが流れている事を確認する為には、流れているファイルを見なければならず、それ自体限りなく著作権侵害に近い。

捜査権のない個人がやるならなおさらである。

強力な捜査能力を持っていると言う事は、捜査権を持っていると言う事を意味しない。

強力な発言力・影響力を持っていると言う事は、何を言っても良いと言う事を意味しない。

目的の正当性は、手段を正当化しない。

してはいけない。

筋の通らない事をやっている人間が居て、それが虚飾に満ちている事を知ったとしても、それを個人で裁く事は許されない。

それはただの私刑だ。

その昔、脆弱システム運用する企業に対して私刑の如く罵倒し、企業の無能を暴露しまくった人が居た。

結局、その人は正当な手順を踏まずに脆弱性暴露し、結果として逮捕された。

ミイラ取りがミイラになってしまったのだ。

個人がやれる事には限界があるし、一般的な限界突破出来る能力を持っていても、超えてはいけない一線がある。

今回のSの行為はその一線を超えている様にしか見えない。

「大いなる力には、大いなる責任が伴う」のだ。

2009-09-03

それでも、自民党が嫌だったんだよ!

選挙を突き動かしているのが幼稚な感情でしかないこと、何よりそれが大問題だと思うのだけど。

そしてそれと同じくらい、そういう曖昧なものに国政が振り回される仕組みをまず改めないといけない。

テレビだって散々問題だって言ってたじゃん!』

というのが今回の無党派層の挙動の結果、というのはいくつかの報告に上がっていますが……。

みんな今起こっている政治の混乱も覚悟の上で投票したんですよね?

自民党ネガティブキャンペーンしか出来なかったのは、まあ地盤脆弱なおっさんしか居なかった

せいもあるんですが、負けを前提として有権者に覚悟を問うことしか出来なかったからですよ。

選挙民意だからそれに従うのが当然、というけど、多分間違ってる。

そもそも『民意』なんてものは自然と一つにまとまるはずがない。選挙結果民意を一つに見せてるのは、

単純に『多数決』という数の暴力で対抗意見を持つ存在をふるい落としているだけにすぎない。

本来ならば、ほどよい混沌さの中で、様々な意見を『討論』で戦わせながらブラッシュアップしていくべきなのだ。

でも、なんだか日本にはそういうことをする余裕もなくなってしまった。

スピード感』が大事、とかなんとか言ってな。

そんなの議論が下手なだけじゃないか。リーダー意志決定方法が下手なだけじゃないか。

討論や意思統一を前提とした話し合いに、リーダー以外の人間が慣れてないだけじゃないか。

本当に平等だからこそ、衝突しないといけない局面はどんどん増えてくるのに、

実際はうまいこと相手を既得権益者認定、無能認定、仮想敵認定して黙らせる、

それが今の日本意志決定手法なのだとしたら、それこそ病んでる。

2009-07-28

小説家になりたい

 役に立たない駄文を書き綴りながらの息抜き

 僕は昔から小説家になりたかった。小説でなくとも、何か文章を書いてメシを食いたかった。

 世の中には物書きになりたいという人間が腐るほどいる。僕もその腐った残飯の中であることは違いないが、しかしその夢を捨てきれずにいる。

 今年、4月にある小説の賞に作品を送った。僕が生涯で完結させた小説では2作目となるものだった。今まで沢山の完結しない小説もどきは書き綴ったが、なんとか完成させたものではふたつめである。

 先日、1次選考の結果が発表され、稚拙な我が作品は何とか残ってくれた。僕の書いたひとつめの作品は、とある文学賞に投稿したのだが、そちらでは箸にも棒にもかからず、下読みの段階で落選してしまったわけだが、今回は何とか生きながらえてはいるようだ。

 こうやって、我が作品落選してしまうかも知れないというやきもきした気分で毎日を過ごしていると、何故自分小説家になりたかったのかを反芻せずにはいられなくなる。そもそも、僕にとって小説は本当に大事な存在であった。

 僕は小さな頃から父親に暴力を受けて育った。言動でも行動でも、つまりそのどちらにも暴力の力が伴っていて、僕は文字通り精神的にも肉体的にも鍛えられてきた。父親はアル中だが、この話には関係ないので省く。

 そんな鬱屈した毎日の中で、中学生くらいの時に本気で自殺をしようかと考えたこともある。自殺の方法をいくつか考えている内に、生きていることがくだらなくなってきて、同時に自ら死ぬことのくだらなさにも気付かされてしまい、感情が空白になってしまった。

 誰かと話していても、楽しくはなく。勉強ゲームに没頭していても楽しくはなかった。何だか、全部流れていくだけの白昼夢に思えて仕方がなかった。

 醒めてしまえば、全部が存在しないんじゃないか。なんて意味もなく思ってしまっていた。

 僕はそんな風にして、幼少期を過ごし、共に遊ぶ「友達」と呼ばれる存在もいくつか出来たが、だけど友達ってのが何なのかよく分かっていない。それは未だに理解が出来ない。

 辞書を引いてみれば友達というのは――親しく付き合っている友人。友。――だなんて説明されているが、『友達』なんて言葉を『親しい友』だなんて同意義としか思えない言葉で説明している辞書ですら、酷く滑稽に思えた。

 意味が分からなくなってきた僕には、本当に心が許せる友人は存在しなかった。過去形で表されているが、だが、今でも本当の意味での友人はいないのかもしれない。

 同時に、僕には本気で好きになったひともいなく、「ああ、もしかしたら彼女のことが好きなのかも知れない」と考えても、何故、好きなのか? と考えてしまうともう駄目で、顔が可愛いだとか、振る舞いが華麗だとか、性格が良いかも知れないだとか、そんな曖昧な理由で人を好きになってしまうなんておこがましくないのか? と勘ぐってしまう。こんな浅はかな理由で人を好きになるならば、別にその人じゃなくても良いハズだ。とも思う。

 もっとシンプルで良いハズだ――とも、確かに思う。好きだから、好きで好きで理由はないだとか、そんな風で本当は良いのかも知れない。

 そんな諸々の世界に対する訝しみ、この世界と付き合う方法を考える時には、どうしても脆弱であっても――言葉が必要だった。

 僕はある日、こんな恥ずかしい話はないだろうが、中学校の頃に学んだ夏目漱石の「こころ」の抜粋部分(確か授業中には抜粋部分のみだったはずだ)を読んで、初めて文章を読むことの意味に気付かされた。「大造じいさんとガン」を読んでも気付かなかったが、「こころ」で気が付いた。

 鮮烈でめまいがするような秀逸な筆致が、その頃の僕には酷く輝いて見えた。夏目漱石なんて、千円札でしか知らない人だったけど、彼が何かに煩悶しながら世間に訴えたいことがあるということは幼い僕にも分かった。それは幼少期の勘違いであったかも知れないがね。

 それからは、様々な小説を読んだと思う。世間の読書好きの人々には決して敵わないだろうが、それでも本は読んでいた。昼休みや授業中や帰宅後も、暇があれば読んでいた。

 ここでは、誰の小説を読んだとか、どこそこが良かったとか、そんな無意味なことをあげつらう気はない。ただ、僕が重要視したのは『本を読んで考えること』であった。

 だけど、間違いだったかもしれない。

 余計な言葉知識が頭に埋め込まれてしまったせいで、余計に僕は生きていく上で悩んだり、無意味さを噛み締めたり、そんな感慨を抱くことが多くなってしまい、なんて生きていくのは切ないんだ。と物思いに耽る中二病患者になってしまった。

 今は、社会人として仕事をしているが、自分が雇われている企業での僕のこなす業務というのは、僕以外の何者かが代行しても全く僕と変わらないレベルでやり遂げることが出来るのではないか、と思う。当然ではあるが、大抵の仕事はそうだ。

 地下鉄の駅を降りて、ホームからの階段を登り、世間の人々の波に埋没していたら、すごく自分が存在していないんじゃないか? なんて思ってしまう。

 恥ずかしいことだ。だけど、こんな風な思考回路を構築してしまったのは僕だ。僕が悪いのはよく分かっている。

 だから、そんな自分に対するセラピー意味合いもあるかも知れないが、僕は文章を書くことで精神の安定を得る。実際は何でも良い。文章だったら何でも良い。ブログを作って意味の伴わない単語を羅列したっていい、誰にも理解されない主張を標榜してもいい、だけど何か考えていないと、何か書いていないと、僕は本当におかしくなってしまうんじゃないかと、そう感じてしまう。

 だったら、もうそこまで来たら、僕は仕事をやめて、実家に帰ってニートをやって、インターネット世界に没入して、日々を食い潰して、そのまま死んでしまった方が良いのかも知れない。その方が、誰の毒にも薬にもならず、迷惑を掛けないまま、緩やかな自殺として完遂出来るかも知れない。

 だが、親に迷惑を掛けるのも嫌だ。これは我が儘に違いないが、僕は誰にも迷惑を掛けたくないのだ。自分以外の誰にもに、人畜無害な存在であり続けたい。本当に自殺するなら立ち入り禁止の富士樹海コンパスを持って行く。

 そうした曖昧模糊な思考の行く末は、誰しもが抱く物書きになりたいという夢だった。

 結局、こうなってしまう。馬鹿な邯鄲の夢だ。

 実際、小説家仕事についてはよく分かっている。自分の書きたいことを書けずに職業として編集者に指示を受けながら書かねばならないことや、サラリーマンよりも低い年収で、しかも売れなきゃゴミだと評価されることも分かっている。

 それでも、こうして文章を書くことに意義を見い出すことが出来るのは、個人的に素晴らしく有意義に思える。自分が真っ当に生きていく結論としては、小説家になることが最も分かりやすくてシンプルなんじゃないかと、そう思った。

 先述した――恋はもっと、シンプルで良い――なんて青臭い科白は、そのまま僕の文章に対するスタンスに直結している。

 もっと、シンプルで良く。僕は心の底からシンプルでありたいと思っている。

 だから、小説家になりたい。そう思って僕は文章を書き続けている。

2009-07-18

選挙が近い

麻生首相はまずは景気対策だと主張している。しかしちょっと待って欲しい。まずは景気対策だと主張するには早計に過ぎないか。

麻生首相の真摯な姿勢が、今ひとつ伝わってこない。

例えば民主党からは日本日本人だけのものではないと主張するような声もある。

このような声に麻生首相謙虚に耳を傾けるべきではないか。

思い出してほしい、過去にも何度も麻生首相民主党の叫びを無視している。

麻生首相民主党日本日本人だけのものではないという主張を間違いであるかのような発言をして、批判を浴びた。

確かに民主党には売国推進という問題もある。だが、心配のしすぎではないか

麻生首相の主張は一見一理あるように聞こえる。

しかし、だからといって本当に麻生首相はまずは景気対策だと主張できるのであろうか。

それはいかがなものか。的はずれというほかない。

事の本質はそうではない。その前にすべきことがあるのではないか。

麻生首相は、未来を担う一員として責任があることを忘れてはならない。

麻生首相の主張には危険なにおいがする。各方面の声に耳を傾けてほしい。

麻生首相に疑問を抱くのは私だけだろうか。

まずは景気対策だと主張したことに対しては民主党の反発が予想される。日本日本人だけのものではないという主張を支持する声も聞かれなくもない。

麻生首相もそれは望んでいないはず。しかし麻生首相は党内基盤が脆弱である。

まずは景気対策だと主張する事はあまりに乱暴だ。麻生首相は再考すべきだろう。

繰り返すが麻生首相は党内基盤が脆弱である。

麻生首相のまずは景気対策だと主張したことは波紋を広げそうだ。今こそ冷静な議論が求められる。

2009-07-17

http://anond.hatelabo.jp/20090717190651

脆弱ってのは語句のとおり弱い事。弱い所がある事。弱い所があるなら強い所もあって、何をもって弱いとか強いとか言うかは相対的なもの。そして、環境が変われば変わるし、時代と共に変わって行く。さらに、コストパフォーマンスメリットデメリットによっては、脆弱であっても仕様とする。一概には言えない。

ちなみに、それでまず間違いなく落としたり固まって復帰が難しい状態にできるなら直して欲しい脆弱性だろう。ただ、IEは多分直してくれない。safariなら直してくれるんじゃないか?

2009-07-11

ふと俺が死んだらどうなるか想像してみた

恐らく誰も悲しまないだろう。家族も。

俺の家庭は日常的に「死ね」などという罵声が飛び交う下品な空間だ。

みな、「あんな奴死んだって構わない」そんな目つきをしている。

そんな中で誰が俺の死を悲しむというのか?寧ろ死んで喜ばれるような人間ではないのだろうか俺は。

俺もこんな連中が死んだって人間が死亡したという悲しみと同時に障壁が無くなったからと嬉しがる感情も抱くしな。

不幸だ。もっとまともな家庭に生まれたかった。

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次の社会構造学校

死に方にもよるが、俺が死んでもどうにも思わないような奴らばかりだ。何故なら、俺はぼっちだから。

俺なら、人の死なら執行された死刑囚だろうがテロに巻き込まれた人間だろうが無条件で悲しむがここ日本にそういう慈悲深い連中が多いかと言うとそうでもない。

やる気のない、どうとも思わない、センスのない、平和ボケした連中ばかり。

はっきり行ってこんな脆弱構造に対してこれ以上考察する内容はないよう。終了。

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結局なんだったのか。

残酷な死に方をしてマスコミに取り上げられてプロパガンダに影響された人間達に同情される方がひっそりと死ぬよりも余程幸せなのだと主観で思った。

なら俺はそういう死に方を望んでいるのか?必ずしもそういう推論にはならない。俺は死なない事を望んでいる。笑。

2009-07-05

あれ? もうトリニータ詰んでね?(財務的な意味で)

現状全ての記録を塗り替える勢いでJ1最下位街道まっしぐら大分トリニータですが。連敗数とかいう以前に16節で14敗って何なの? 15位との勝ち点差12って何なの? (J2に)逝くの? と早くもお通夜ムードですが。

 

さてここでJ1とJ2の入会(昇格)基準を見ると、「債務超過だったらJ2に上がらせない」「J1昇格時には法人財務状態をチェックする」的なことが謳われている。

http://www.j-league.or.jp/aboutj/j-club/

基本的には

債務超過とは、総資産から総負債を引いた値(純資産)が、負であること』

なわけだが、ここでトリニータ財務を見る。今Jで公表されているのは2007年度の分なのだが、

http://www.j-league.or.jp/aboutj/jclub/2007-8/pdf/club2008.pdf

債務超過! まさに債務超過じゃないか!! しかも余所とは桁が違うぞ!

 

(2008分のチーム公式の決算書があるが財務諸表のうち損益計算書しかウェブ上には載ってないので債務超過かどうかの判断はつかない。

http://www.oita-trinita.co.jp/pdf/2009/release0424.pdf

ただ、「累積の赤字幅が削減」と言っているものの累積赤字解消とは言ってなかったりする。

http://www.oita-trinita.co.jp/information.php?_mode=detail&id=3234 )

 

流石にJ2に降格するときに入会審査を適用するなんて話は聞いたこともないが、問題は次にJ1に昇格するとき。直接J1の基準に「債務超過があったら昇格させない」と書いているわけではないが、「経営面の昇格基準を満たしている」か否かの条件には当然「J2の経営面の昇格基準=債務超過の有無」が強く加味されるだろう。

もっとも、実際に審査するときの債務超過か否かの判定は少し甘めで

『([1]前期末の純資産)+([2]今期の収支見込み)+([3]今期中の増資)』

要するに前期末に債務超過でも今期(資本の増強・純利益の増加により)債務超過を脱する見込みが確実にあるなら構わないよ、ということになる。ただ、J2に落ちると通常は収入が減る上、トリニータの場合単純にバランスシート脆弱ってんじゃなくて累積赤字が多額なのである。再昇格時に増資に応じる企業がどれだけあるだろうか。

 

J2に落ちたが最後、たとえチームそのものは再建できてもJ1には財務的な意味で戻れないかもしれない、それくらいトリニータはヤバいのである。

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