滅茶滅茶嵌ったアニメがあった。適当にテレビつけてやってた、やっすいCGのアニメの二話、特に何があるって言うわけじゃないのに、なんか面白くて見終わる頃には連ドラ予約を入れてた。3話4話と続けて見るうちに、とんどん世界観に引き込まれていって5話からはリアタイ視聴。アイスとポテチを用意して、テレビの前で毎週毎週待機するのほど好きなテレビ番組なんて出来たの初めてだった。そのうち、アニメだけじゃ飽き足らずネットでも情報を収集するようになった。こんなアニメの情報あんまりないだろ、と諦めつつ調べたのに、物凄い量の二次創作が出てきてたまげた。何年も見ていなかった2chにも張り付くようになって、ピクシブ、ツイッター、ふたば、ニコ動も週七チェックした。みんなでワイワイコメントし合いながら、大好きなキャラを愛でるのは楽しくて、アニメ本編と同じぐらいファンアートも好きになった。クライマックス11話を見終わった後は放心状態。ナルトのキャラが死んで自殺、なんてニュースを信じられないと思っていた自分が、仕事も手につかないほどそのアニメに引き込まれていた。ついに12話放送の日、最終話は気になるのに、アニメが終わってしまうと思うと見たくなかった。そんなしんどい気持ちで12話を見始めて、終わる頃には涙目。見てよかった。ラストも最高によかった。続きが気になる終わり方。すぐにスマホで「〇〇 2期 いつ」とか検索して。待ちきれないから、友人と1期周回したり、ニコニコの放送でコメ欄眺めてニヤニヤしたり、アニメとコラボしていた商品を買いまくったり。終わったと思っていた1期に監督がおまけ続編を投下してくれたりして、待つのも楽しい初デートみたいなノリに乗った状態だった。
が、まあわかると思うが、2期を楽しみにしていた俺達にきたヒホーは「監督降板」。監督が脚本やってたし、監督の功績が大きかったから、降板はただただ残念だった。俺の好きなキャラも、版権の問題で2期には出ないらしいと言われたし、まさかのおまけで熱狂した12.1話も「監督が暴走して版権無視して作った作品」という扱いになってしまって、好きなものにケチがついて悲しかった。それでも、そのアニメには他にも好きなキャラが沢山いたから、2期はやっぱり心の隅で楽しみにしていた。
んでさあ、アレだった。大好きだったのんびりほんわか時々シュールなアニメは、2期ではなんかギスギスしてた。まあ5話ぐらいまではそれでもよくある子供向けアニメかなって感じだった。6話は本当に酷かった。1期の作中で、主人公達がかなり時間をかけて乗れなくなっていたバスを修理するんだよ。んでそのバスで旅をするのね。最初から最後までずっと乗ってた旅のお供。いろんな思い出の詰まったバス。それが6話では、敵になって襲ってくるの。それを主人公のうち1人がパンチで粉々に砕く。見てて、えっえっ?えっ?あっ…って。あんなに頑張って完成させたバスが一撃で。みんなで完成を喜んでわーいわーいするシーンが俺の中でも1、2を争うほど好きなシーンだったから6話は心底がっかりした。がっかり以上に、心臓がキュッとするぐらい精神的ダメージが大きかった。それでも、一応好きなアニメ「だった」から最後まで見た。見なきゃよかった。どこもいいところがなかった。途中で出てきたちょっと気になるキャラも、健気に主人公を守ろうとしてボロッボロに傷ついてたのに、主人公にガン無視されて放置。2番ちゃんはまだ立ち直れてないので割愛するけど、脚本はなんであんな仕打ちをしたのか。12話で1期のOPが流れた時は急いでチャンネルを変えた。見てられなぐらいストレスだった。本当に訳がわからない酷いアニメだった。
それまで、落ち込むから出来るだけネットは見ないようにしていたが、モヤモヤに耐えきれず、ニコ動を見た。呪詛が作った呪詛動画、2期製作陣が淫夢にクソコラしてある動画、2期主人公が爆発する動画、初めは無感情で見ていたが、ある時から笑えるようになった。例のカエルも嫌悪の対象になっていたが動画で馬鹿にされてると笑えた。2期はダンテ神曲のメタファーだ!主人公はロシアのスパイだ!という動画もゲラゲラ笑いながら見た。カ〇カワには以前から理由があって悪印象を抱いていたので、あの一件で炎上してザマアミロと思った。初めは吉崎観音が炎上に巻き込まれて可哀想だと思っていたが、いつのまにか自分の中で戦犯扱いするようになっていた。嫉妬説の真偽は知らないけど、もうただの嫌悪の対象でしかなくなっていた。
せめて、なぜ監督が降板したのか説明が欲しかった。結局監督降板のちゃんとした理由は明かされなかったし、Twitterでは製作陣の裏垢が暴れてたし、総監督はダンマリだし、訳のわからないまま、前作主人公は消されてバスは破壊されて、焼け野原だけが残った。
一緒にスレやコメントを盛り上げた1期ファンも、クソリプマンになって、信者と呼ばれるようになって、煙たがられたりして、何も望んだ通りにならなかった。
1期が楽しかったのは本当なのに、もうあのアニメの話をしても、炎上のことがついて回るようになった。ファンによる自給自足版や、ケムリクサは確かに大好きだけど、1期も同じくらい好きだった。胸がキュッとなるぐらい好きだったアニメは、今観ると心臓が締め付けられて気持ち悪い。どうしてこんなことになったんだろう。