はてなキーワード: 隠し口座とは
親父がギャンブル依存症だ。それも普通のギャンブルじゃない。商品先物だ。
母によると、親父は50年以上の投資歴で、なんでも自分の隠し口座を持っていて、給料が入るとその一部を隠し口座に移動して投資をしていたらしい。
酷くなったのが、祖母つまり親父の母の死で遺産が入ってからだ。よく知らないが、祖母は相当な資産を持っていたらしい。
それを相続してからというもの、それまで以上に先物にのめり込んだ。それまでに買っていた投資用マンションも売り払って先物につぎ込んだ。
言うまでもないが、収支は大幅なマイナスだ。損失額は1億円近いらしい。聞いた時にはショックで気分が悪くなった。
当然、母は止めたが「先物の負けは先物で取り返す!」と言って聞かなかった。
何度も離婚騒ぎになったそうだ。俺は実家を離れていたので全く知らなかった。
さらに困ったことに、親父は俺の住んでいるマンションまで売り払う気で俺に連絡してきた。
俺が住んでいるマンションは親父が俺に買ってくれたもので、もちろん所有者は親父だ。
俺は「そんなことされては困る!俺の生活はどうなるんだ!」と文句を言ったが、親父は「母が投資を理解してくれないから困る」などとトンチンカンな返事をよこした。
さらには俺に先物取引をさせようと、親父独自の(意味不明な)先物取引の理論なんかを開陳し始めた。
だめだこいつ。はやく何とかしないと。
俺はギャンブル依存症で検索をかけて相談をしたが、直接取引をやめさせることは無理なようだ。
そこで、俺は一計を案じた。
実家に帰ると親父に談判を始めた。
初めは理屈で説得しようとしたが、50年来のギャンブラーにまともな理屈など通じない。
そこで俺は秘密兵器として、知り合いの女性の写真を差し出して「俺はいま付き合ってる女性がいるんだ!」と大嘘をついた。
これが予想以上に見事にヒットした。
親父は急に態度を変え、「そ、そうか…」と言って自分の部屋に戻っていった。
妹に聞いたところ、親父は息子である俺に特に期待していて、俺の結婚についてかなり気をもんでいたらしい。
親父の中では俺>母>>>>>妹という序列になっているらしい。
それを聞いた俺は、さらに計略を練った。
「結婚のためにマンションを俺の名義に変更してほしい」と親父に切り出した。
ずいぶん長くなった。もし需要があれば後で続きを書くかも。