2020-10-02

ネット議論の質の向上、場作り・進行について

白熱レスバトル教室

日本人議論が苦手だ、とは長年言われてきた。実際どうだかは知らない。比べるほど世界を知らないかである日本では西欧に比べて議論が好まれない、と主張する文化論がある。これは実体験として概ね正しいと思える。実際にそうかはわからないが。

ともかく日本人議論もしないし苦手と言われているにも関わらず、ネット上では議論が盛んだ。ネット上で議論するようなレスオタク野郎にはリアルの居場所がないからかもしれない、が、ともかく日本人ネットでは活発に議論している様が観察できるのである

議論破綻

しかし、ここで憂慮すべき事態は、ネット上の議論ほとんど噛み合わないということである。例えばTwitter、例えば増田、5ちゃんでもYouTubeコメント欄でもいい、少しページをめくれば簡単議論ダイアログは見つかるが、見つかるものはどれも頭が痛くなるような破綻した議論である。このような破綻した議論の多くが

論点がはっきりしない、ずれている

・主張の根拠が示されていない

主観客観区別がない

複数の論がある場合反論しにくいものスルーされる

相手発言を認めない

・最終的に相手批判して終わる

のような特徴を持つ。多くの場合人がネット議論を始める動機

相手矛盾をつきたい

自分正当性を示したい

というものではないかと思う。その欲求に従って議論すると上記のような実のない議論になりやすいのだろう。また、テキストによる議論では相手の反応が窺えないためすれ違いが生じやすいと言うのも理由の一つだろう。更に、インターネットには知識の量・方向性が異なる様々なか人間がおり、背景知識の共有がなされていないというのも大きな問題の一つである

議論の場を作ること

りある議論を行うにあたって重要なことの一つが議論の場を作ることだ。議論目的を設定し、事前配布資料を用意し、進行をおき、書記をおき、発表者をおき、聴衆をおく。各々の役割分担をはっきりさせ、進行役に従って議論を続けることが望ましいだろう。

石川氏vs青識氏

インターネット上で果てしない議論を生んだ案件の一つに石川優実氏発端のkutooがある。

ジェンダーという誰にでも参加しやす議論

差別というセンセーショナル話題

・本人からレスポンスが貰いやす

と、レスバトルを発展させやすい格好の材料だったと認識している。この案件の特徴的な点は「進行役を設定してルールを決めて討論会」を開いた点である。発達バズりアカウント借金玉氏主導で、彼の友人でありネット論客自称するアカウントせいしきあろん氏(変換がめんどくさい)と石川氏がプレゼンテーターとして聴衆を招いての討論会を行った。これは今までのネット議論ではなかった画期的な試みである自分はこれに大変期待した。現地には赴かなかったものの、有志のメモツイート殆どに目を通した。

特に最終的にアジテーションに終わったと言う点から(また他の様々な理由で)この討論会には失望しかなかったが、それはともかくとして、あの討論を開こうとしたこと自体は素晴らしい行為だったと思う。最近では、ネットレスバトルをしていたもの同士がツイキャスで公開討論を行うこともあり、レスバトルに時代の風を感じる今日この頃である

ネット議論の場の現状

ネット上の議論ホットスポットといえばTwitterだろう。Twitter議論の場としては最悪である

話者にとって

・140字という制限

・横やりが入りやす

・ツリー分化議論が散漫になりやす

聴衆にとって

発言を追いにくい

・後から見返すことが難しい

という絶大なデメリットを抱えている。また、基本的議論は2者の間でしか行えない。グループ議論すること(討論)は出来ないのである。これは大きな制約である

ネット議論の場作り

インターネットで質の高いレスバトルを繰り広げるための案を考えてみた。

①進行役を設定すること

②議題を絞ること

議論目的を設定すること

議事録をつけること

⑤外部ツールを用いること

である。無論こんなに意識の高い議論などなかなか成立させられるものではないだろう。だが、少しずつなら可能だろう。クソリプがついたらすかさず「②〇〇についてわたしはこう、あなたはそう思うんですね。③あなた意見理解したいのでもう少し話してもらえませんか?××についてはどうお考えでしょうか?」と畳み掛け、議論の場に引き摺り出すのである。④はTogetterなどによって実現可能だ。①については難しいが、ツイキャス討論会を開くのと同じ程度の労力だろう。

先ほどからリプが続いておりますがこのままでは水掛け論です。進行役に@unchiburivurigogogoさんを招いて議論しましょう

とかなんとか書けば済む話である

⑤は、Twitterよりも議論に向いたSNSレスバすることだが彼に関しては適切なものを見つけられていない。Wikipedia議論のページのようにテキストでの議論のために設計されたもの必要だ。さらに、匿名アカウント開設が簡単スマホで見やすいことが最低条件だろう。さらにそこに、議長AIなどがいれば完璧である。例えるなら白熱教室マイケルサンディルのように(例えが適切か自信がないが)、話者発言趣旨を汲み出しながら議論を進めるAIがそのうちきっといつか開発される筈だ。

さいごに

ここまで書いていて思ったが、wikiの討論ページならオープンソースで誰でも開設できるじゃないか少子化、働き方、移民表現の自由、とか、その辺のセンセーショナル話題掲示板感覚ひとつ開いてみれば良いのかもしれない。

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