そのくせ女に弱くてすぐ惚れて
いざその女が自分に振り向いたら「あんたはまともで素晴らしい女性
なんだから自分みたいなヤクザに惚れちゃダメだ」って姿を消すんだ。
家族や身内にとってはヤクザで放浪グセで迷惑でめちゃくちゃな強い男と
一人の女のためには何でもして自分が騙されてると知ってても受け入れて
ぼくは一体なに田なんだろう
描いてる人大体分かって来るよ
子供の頃から見ていたので馴染み深い作品なのだが、どうにもこの作中に登場する車寅次郎が大嫌いだ。
何が嫌いかというと、自分は好き放題しておいて他人のやっていることには口をはさみ、
ある作中で、寅次郎がいない間に叔母がメロンをそこに居る人の分だけ切って食べるというシーンがある。
みんなで、さぁ楽しく話でもしながら食べましょうというところに寅次郎が帰ってきて、自分の分のメロンはどうした?と言う。
寅次郎は不在だったのだから当然切っているわけもないが、その事に腹を立てて「俺のおかげで手に入ったメロンだ」と主張する。
不在の寅次郎の分も残しておけばよかったというのも間違いではないが、その事に関していつまでもグチグチと繰り返し、
叔父がブチ切れて金を投げつけて「好きなだけ食ってこい」と怒鳴った所に、寅次郎は激昂する。
それを見たヒロインは腹を立てて「男がみっともない、いつも世話になっている叔父と叔母に対してありがとうと言って差し出すくらいの器量をみせろ」と言うと
寅次郎は素直に聞くはずもなく、今度はヒロインに噛み付く騒ぎになる。
これだけでもクソみたいな男なのだが、普段からテキ屋であちこちを流浪しておいて、フラッと帰ってきたと思えば…
他人のやることなす事に口を出した挙げ句にトラブルを作っていく。
最終的には、寅次郎の人情がどうのこうのと良い話のように終わる。
これが『男はつらいよ』の定番であり、人情話として人気があった。
ラストでは人情あふれる車寅次郎の魅力のように終わっているので、そう見えるが実際はそうでもなく
性格に難がありすぎて結婚もできない独身の自称テキ屋という男が、やりたい放題やっているだけの作品だったりする。
なぜこれが人気があるのかが、大人になっても未だに理解が出来ない。
親が見ていたので一緒に見ていたが、全然理解出来ないし、車寅次郎というキャラに嫌悪を感じるくらいなのだ。
ちなみに寅次郎を演じた渥美清は好きだ。あの人の金田一耕助は面白かった。とても印象のある俳優だ。
今もうちの父がケーブルTVで暇さえあれば見ているのだが、やっぱり車寅次郎というキャラは好きになれない。
身内に高説を垂れ流して、俺の言うことを聞けというばかりに偉そうにして、
ヒロインに対して迷惑をかけていることを気にもせず、トラブルを巻き起こすその姿は現代でいえばSNSでバカなことをする人と似ているのだ。
でも、あれが昭和が愛した作品だというのだから不思議なものだ。
何が面白かったんだろうな…。今も思うのだ。