私は先日、シャドウバースのアプリをアンインストールしました。
理由はシャドバをやる気力がなくなり、BGMを聴くだけで苦痛を感じるようになったからです。
私はダークネスエボルブ期からシャドバを始め、すぐさまロイヤルというクラスに心を惹かれました。ロイヤルと聞くと、何だお前も結局脳死アグロ使いかよと言う人もいると思いますが、私が愛したのはコントロールロイヤル(以下、コンロ)です。
その頃の私はスタンダードパックからあるレオニダスを軸としたコンロで戦うことに快感を覚えていました。その時からエイラなどの強いデッキに負けることはありましたが、その都度デッキを見直し試行錯誤を重ねることで勝ったり負けたりを繰り返しながらシャドバを楽しんでいました。
しかし、私にはどうしても許せないカードが二つありました。それは「次元の超越」と「リノセウス」です。
これらのカードを軸とした「超越ウィッチ」と「OTKエルフ」に私は長い間苦しめられてきました。
そもそも超越というカードは「自分のターンをもう一回追加する」というカードゲームを全否定する糞カードであり、その発動条件の容易さから「超越は猿以下」と呼ばれるほどでした。
そしてリノセウスというカードも低コストかつ疾走持ちのフィニッシャー型のカードで、盤面にうじゃうじゃと湧いて出てくることから「ゴキブリ」と称される害虫でした。
いずれも盤面を取り合うというカードゲームの基本を否定した糞デッキであり、相手を無視したオナニーでありました。
そしてこれらのカードを使う人に共通するのは、とにかく考える時間が長いということです。
なぜ簡単な足し算さえも出来ないのか?超越使いとゴキブリ使いには2秒で十分なのでないか?そんな疑問が私の頭から離れませんでした。
私の愛したデッキを散々待たせた挙句、結局リーサルかよ、という相手に対して敬意の欠片もない彼らの行動に怒りを感じていました。
この状況で自分の愛するコンロの勝率はみるみる下がり、どれほどデッキをいじっても勝てなくなり、むしろ改造すればするほど勝率が下がるという悪循環に陥りました。何十回、何百回と負けました。しかし、私には「自分の愛するカードで勝つ」という信念がありましたので、ひたすらデッキをいじりながら試行錯誤を繰り返しました。
正直言って、デッキをいじる作業も好きでした。どうやったら勝てるようになるか?まだ誰も知らない戦法があるのではないか?そう考えるとワクワクしてくるという感覚はあの時の自分にはありました。
次の新弾で強いカードが来ればきっとコンロの時代が来るぞ、そう思っていました。
しかし、一向にコンロは強くならず、ドロシー、ヘクター、昏きといったパワーカードたちの餌にされていきました。
この頃からシャドバをやめる友人が増えていきました。理由は「自分の好きなデッキで勝てないから」でした。彼らは自分の愛するデッキで勝てない現実に耐えきれなくなってしまったのです。また、超越とゴキブリに対抗してアグロデッキが台頭してきており、先攻を取ったアグロデッキが勝つというゲーム内容にネット上で「本格スマホじゃんけん」という蔑称をつけられてしまう事態となっていました。
そんな状況下でも私は「好きなカードで勝つ」ことを諦めませんでした。自分の好きなカードで戦うことこそが自分にとってのシャドウバースだと信じていました。負けてばかりでしたが、運営からの下方修正があり、なんとか戦えるくらいには改善されました。
そしてついに目標であったマスターランクに到達することができました。私は心の底から嬉しく思いました。辞めずに続けてきて良かった、自分は間違っていなかったと確信することができたのです。
それからしばらくして、運営は「ローテーション」と「アンリミテッド」の導入を発表しました。ローテーションでは新弾を含む最新5パックのカードのみで戦い、アンリミテッドではすべてのカードで戦うというルールが新しく追加されたのです。
つまりローテーションルールで戦えば、初期のカードである超越とリノセウスに出くわすことは100%ない、という画期的な発想でした。
私はこれを聞いて「ああ、ようやく自分の好きなカードで戦えるんだな」と安堵しました。長く続いた暗黒時代がようやく終わる、もう超越とリノセウスを見なくていい、そう思っていました。
しかし現実は違いました。ローテーションとは「新弾で追加された強いカードを使って、先攻で殴るげーむ」と化していたのです。ローテーションは私の期待を裏切りました。信じていました。自分の好きなカードで戦える時代が来ると、運営はユーザーの願いを叶えてくれると。
またレオニダスをはじめとするコンロで使われる一部のカードはローテーションでは使用禁止となっており、そのこともコンロ弱体化を加速させていきました。
私の生きる道はアンリミテッドしかありませんでした。しかし、そこは超越使いとゴキブリが行き場を求めてさまよう地獄絵図でした。私のコンロは為すすべもなく、敗北を重ねました。まるでゴミクズのように彼らは私のデッキを痛ぶりました。それはさながら暴力でした。
私は運営に馬鹿にされているように感じました。「お前まだそんなデッキ使ってんの?wwww」「ローテーションは新カードを使う場所だから、大人しくアンリミで超越に負けてろよwwww」「好きなカードで勝つとか笑わせるわwwww」
こういう声が画面の向こうから聞こえてきました。
もう私の心は限界でした。疲れたのです。シャドウバースというカードゲームに。勝っても負けてもどうでもよくなったのです。
それでもログインとミッションだけは続けていました。一年近く続けて情が沸いたのです。しかし、それも先日ピリオドを迎えました。
きっかけはリーダースキン人気投票の結果発表でした。この投票では某配信者が声優を務めるカード、「トイソルジャー」が候補にもなったことで話題を呼びました。
残念ながら多くの票を集めたにもかかわらずトイソルジャーがスキンになることはありませんでした。多くのネメシス使いがこう言いました、「ランクマで使うことのない雑魚のトイソルジャーがリーダースキンになったらたまったもんじゃない」と。
なるほど、その理屈は正しい。勝つためにシャドバをしている人にとってトイソルジャーは必要のないカードであり、それよりも構築に入るオーキスがスキンになるべきだと。その言い分は十分にわかる。
ではなぜビショップのブローディアが一位になったのでしょうか?ブローディアをランクマで一度でも見たことがある人がいるでしょうか?あんな8コスの守護で大した効果も持たないゴミカードがどうしてスキンになれたのでしょうか?
ドラゴンのスキンにも疑問があります。スキンに選ばれたのは今まで長い間ランプドラゴンを支えてきたアイラではなく、ぽっと出のフィルレインであったこと。ドラジのみなさまは彼女への恩を忘れたのですか?古くなったカードは用済みですか?新しく強くて可愛いカードの方が好きですか?
私は新しく強いカードが優遇され、昔からあるカードが馬鹿にされていると感じアンインストールしました。
今のシャドウバースは「好きなカードで戦う」のではなく、「新弾の強いカードを好きになれ」という押し付けをしてくるカードゲームです。
二周年を迎えカードの種類は増えましたが、戦えるカードの種類は減りました。
今後のシャドバはごく少数のtier1デッキとアグロデッキがローテーションを支配し、超越とリノセウスがアンリミをさまよい続けるでしょう。
トップランカーが大会専用の特殊デッキを開発することがあってもそれはランクマで勝てる訳ではありません。あくまで大会用なのです。
カードゲームとは勝つためだけにやるものではありません。先攻を引くものでもありません。
誰もが自分の好きなカードで戦うべきなのです。カードゲームとは勝敗以前に楽しむものだからです。
みんな同じデッキ、同じカードでしか戦えない今のランクマッチ環境はカードゲームとして間違っています。
大正解。俺もシャドバやめて久しいけどそのおかげで人生充実してるぞ。絶対に戻るな。
あれは勝利を求めてイキるゲェジ向けだよ 自分なりの楽しみ方はもう無理だ tier1のテンプレを使ってテンプレ通り回せば連勝できて満足する豚向けゲームだ