自分のブログに書くとなんだか炎上しそうなのでここに書くことにする。
けもフレ人気が各地で大爆発を起こしているが、さすがに褒められすぎ、評価されすぎ、持てはやされすぎである。
この作品はどう評価しても100点満点中あげられるのはせいぜい30~50点くらいである。
アニオタ界隈のけもフレを評価する声として「安心してみていられる」「脚本がよくまとまってる」「やさしいキャラが魅力」などという言葉が交わされているが、これらは全て嘘っぱちのように聞こえてならない。
こんな薄い言葉で表現される毒にも薬にもならない作品は、「よくできましたね」くらいの評価を得ることはありえるが、猛烈に人を惹き付けて心を揺さぶる名作にはなりえない。
本当に人の心をガッツリと射貫く作品というのは、たとえガタガタでブサイクな出来だとしても、何か一つくらい魂に響く「核」のようなものがあるはずだ。
「けもフレ」に心を揺さぶられた人間などきっとほとんどいない。そう言っている人間がいたとしたら、熱狂的な空気につられて思い込んでいるだけなのだ。
その証拠にきっと「けもフレ」はすぐ忘れ去られる。あと一か月もしたら、おそらくこの作品には誰一人言及しなくなるだろう。
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「けもフレ」人気のインフレーションの理由は、基本的にネット空間における「極性化現象」であるといえる。
アニオタ・コミュニティという空間の中では、アニメ評価を巡ってぐるぐると再帰的な「言語ゲーム」を続けていく内に、しだいに表現に尾ひれがついて妄想が膨らんでいく傾向がある。
その中では、凡百のストーリーが「絶巧の脚本」になり、平坦な芝居が「神演技」になり、チープな謎が「深遠な哲学」になる。
このような現象は、ネット炎上などでよく観測されるメカニズムである。
ちょっといたずらをしただけの大学生や、何気ない発言をしただけの女性が、集団極性化した暴徒によって糾弾されまくる構図は、ネット上で毎日のように見られる風景である。
ネット上の言語ゲームというのは、往々にしてこのような「過剰」に至るのだ。
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基本的にアニオタというのは、他者を媒介しないと何も考えられない、何も感じられない存在である。
どんなアニメが面白いのか、どんなアニメを自分が好きなのか、そのアニメが自分にとってどういう価値を持つのか、一人では判断がおぼつかず何かを基点としないとリアリティを感じられない。
人間とは多かれ少なかれこういう側面を持つ動物だが、アニオタはこの性質がむき出しの形で露わになった存在である。
アニオタは、基本的に自分が欲望することを欲望している。アニメを楽しみたいというよりは、アニメを楽しんでいる自分を楽しみたいのである。
なのでアニオタにとって重要なのは、作品そのものではなくてその作品を取り巻く「人々」や「言葉」や「その評価」、いわば「アニメ・コミュニティ」という場そのものである。
この「場」に埋め込まれることによって、アニオタは初めて作品に対して欲望を抱くことが可能になるのだ。
このことは、アニオタを語る上で押さえておきたい重要なポイントである。
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アニオタたちが「けもフレ」を担ぎ上げる理由、「けもフレ運動」の意図を強引に深読みしようとすれば、次のようにも解釈できる。
そこで上位を占めているものは、メディアがSNSを通じてステマ的に人気を煽り、ブーストを仕掛けた「張りぼて」の作品ばかりと言っていい。
アニオタたちはこのランキング市場にどっぷりと身を浸し、どっぷりと依存しつつもキレている。
メディアに対してももちろんキレているが、それにまんまと乗せられている自分自身にもキレている。
その鬱々と溜め込んだ感情が、今回突発的に「けもフレ」を通じて連結した。
「けもフレ」という作品は、徹底的に薄味で、徹底的に無難で、徹底的に空っぽであり、「本当に売れたいのか?」と問いかけたくなるような、いかにも「ステマーケティング」と縁のなさそうな装いをしている。
「神輿は軽いほど良い」という言葉があるが、「けもフレ」こそはアンチ・ステマ運動のアイコンに相応しい空虚な作品であった。
アニオタたちは「けもフレ」を神輿として担ぎ上げて、自分たちを操縦しようとするランキング市場のかく乱を目指すための意味不明な舞踏を開始した。
これは江戸時代に流行したとされる「ええじゃないか運動」を彷彿とさせるものである。
アニオタたちの目論みは、自分たちに向けられた圧力を全く同じ方法で相手にオウム返しにすること、「張りぼて」に対して「別の張りぼて」を擁立して推し上げることであり、これは俗にいうミラーリング作戦というものである。
この作戦は幸か不幸か一定の成果を上げていて、アニメ関係者や一部のマーケッターたちは、なぜ「けもフレ」がこれほどまでにウケているのかを理解できずに、困惑の表情を見せているという。
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アニオタたちがもし上記の行動を「自覚的」にやっているのだとしたら、それはいかにもオタクらしく捻くれていて、しかし少々のユーモアも感じさせる、気の利いたいたずらのようにも思える。
しかしもし無自覚的・無意識的にそれをやっているのだとしたら、それは鬱々とした大衆の暗い感情が病理的に発露してしまったかのような、なんだかこれから先が心配になってしまう「症状」だともいえる。
なに言ってんだこいつ 見る目無さすぎだろ 少年ハリウッドに勝るとも劣らないクラスの神アニメが一月で忘れ去られるかよ もし一月で話題にならなくなる可能性があるとしたら、4月か...
こういう斜に構えて俺はお前らと違うみたいなこと言うオタクほんと無理
ぼくは違います(半ギレ) でもその評論自体はすごく重要だと思う。
この作品はどう評価しても100点満点中あげられるのはせいぜい30~50点くらいである。 採点表を明らかにしよう。 「安心してみていられる」「脚本がよくまとまってる」「やさしい...
anond:20170402171317 前半部は俺の普段思ってることを書いてくれた、って感じ。 けものフレンズは1話しか見てないし、作品についてどうこう言える立場じゃないが。 けものフレンズのブ...
プ ガルパンなんてうんこで喜んでるのかよ けもフレも初期は「けもフレはいいぞ」とパクリフレーズを使うしか能がない連中が多くてうんざりしてたわw
"性的"なキャラクター(男女問わず)を愛でるだけじゃバツが悪いからカモフラージュを求める奴が多いんだろ。 それが作品毎に小難しい設定やグロや他のマニア趣味との結合や名作リバイ...
確かにコンテンツの咀嚼方法さえわかればどんなコンテンツでも楽しめるなってのは、 最近フリースタイルダンジョンやハイローを見てて思った そういう意味ではアーリーアダプター、...
同意したい。あるいは、1話で切った自分を肯定したい。 その後、けものフレンズ構文の波に乗っかりたかったので視聴再開したが、 最後まで見た上で言えるのは1話で切った判断は誤り...
流行に乗ろうとして再視聴してしまった自分は否定しとけよ雑魚w mouseionを見習え
面白い文章だね。 でも、あなたの持ってるアニオタ像って90年台のまま止まってるんじゃないかな。 ポスト・トゥルースの鏡に映っているのは誰でもなくあなたの顔のほうなのではな...
これは言いたいことを全面的に言ってくれたいい評論 お前ら周りにあわせてすごーいって言いたいだけなんじゃないかと 自分の価値観を持って評価する前に周りの評価に流されてしまっ...
http://anond.hatelabo.jp/20170402171317 の元増田かな?顔真っ赤だぞwwwwwwww
こんな事書くと批判されそうだけど、「この世界の片隅に」や「君の名は」「シンゴジラ」よりも、けものフレンズの方が面白かった。 オタクの好みも十人十色
なぜ拙い表現が受けるのか?というのはアニメに限らず、実写や小説でも同じ事が言える。表現の巧拙が成功に直接結びつかないというのはずっと言われている事でもある。 だが、オタ...