とある理由から、私は地方の田舎の私立大学に編入してぼっちになって浮きました。
その大学は車で通学できるのでいつも車で私は通っていました。
ぼっちになってから、友達ができない理由より過去問入手不可のため、精一杯自力で勉強しある年に賞をもらいました。
すると急にある男子学生が私によく声をかけてくるようになったのです。
「なにか情報が入ったら教えてあげる」
と親切にも言ってくれるので、わたしも過去問があるならやりやすいかなと思いつつ見せてもらうことが2回ほどありました。
特に親しいわけではありませんが、試験時期になるとよく声をかけてくるので恐縮しつつコピーさせてもらうことをしていました。
それが1年ほど続き、たまにメールで学内の試験情報連絡を交わしている状態が続きました。
ところが、ある夏の日に思案していたことが明確に起こりました。
編入2年後に、私はある難病にかかって通院しながら大学にかよう日々をすごしていたのですが、出席日数はぎりぎりになった状態になりました。
そして、ある実習中に継続して立っていられず倒れてしまったり、早退したりという日々が続いたのです。
服薬すればなんとかたてるので我慢しながら、出席していたのですが、前年度に学内で成績優秀賞のある賞を受賞していたこともあり、周りの人たちがとても中傷したりいやがらせをはじめてきました。
気にすることなく、気丈にふるまいがんばっていたのですが、いじめ(班実習で私にだけ材料を渡さない。物品を潰してくる。ノートを捨てられる)なども耐えて単位のために頑張っていきました。
もともとぼっちではありましたが、いじめや噂話、病気をもっていることの差別、中傷が顕著になり、私はかなり学内で浮いてしまいました。
ですから、私と一緒にいる人はみんな私と同類になると周りから判断されてしまうことになるのです。
私は、みんなの前を通行しただけで鼻で笑われたりクスクス笑われるような存在でした。
そんな折、ある夏期試験の試験問題についてコピーをさせてくれるとかいうあの男子学生はとても私の予想どうりの行動をしました。
彼は、私に話しかけるときは人のいる学内では堂々と話しかけてはきません。
こそっと誰にもわからないように話しかけてきて味方のような小声をこぼしてきます。
過去問を手渡しするときも、学内でぜったい人のいないとこを指定してきます。(病気のこともあり、あまりに冷房のない暑い物置小屋や隣町のコンビニまではタクシーで取りに行ったり等会うのが
だんだん苦痛になったので、このあたりでもう連絡を取り合うのをやめたほうが良かったのかもしれません。何度もそう思いましたが、過去問資料めあてに応じてしまった私も精神的にかなり弱っていたと思います。実際、貰う資料はあまり有用なものでなかったので、独学で良かったのは後から感じた印象でしたが・・・交友関係のないぼっちにはそれがわからなかったのです)
彼は資料を渡すとき、彼自身の友人にすら気取られてはいけない細心の注意を払います。
私はぼんやりと、精神的にも当時はボロボロだったのでやさしい言葉や気配りに「配慮してくれてるんだな」と勘違いしていました。
しかし結局はそれは彼自身がいじめのターゲットにならないようにするための手段だったのでした。
ある夏の日、炎天下の駐車場の車内でコピーさせてもらう資料の情報を教えてもらっていました。
おそらく、学内で私も見知った顔の人たちで、彼の知り合いだと思います。
エンジンをかけてフロントガラスにサンシェード(銀色のやつ)をかけたままクーラー全開にしてるけど、私は運転席に座ったまま見つかることはないだろうと思い、資料を目にしていました。
(当時、たまに具合が悪くてよく駐車場でクーラーをかけて休憩していたことの多い私だったので)
しかしその時、彼は私のうしろの席で縮こまっていったのです。慌ててひっくりかえった声でやばいやばいと愚痴っていきました。
「見つかるから。あいつすごく言いふらす奴なんだ!言いふらされる!」
焦った様子で、後ろに置いていた予備のサンシェードや雨よけのレインコート(私が後部座席においていたもの)を頭からかぶって20分くらい彼は身を隠していったのです。
私は、見つかるから、言いふらされるっていう被害めいた言葉にドキンっとしました。
胸が痛くなったのです。
私と一緒にいることで自分は被害を受けるんだっていう彼の本心がうしろの席から聞こえてきて目に涙が滲んで行きました。
20分後、駐車場の男子学生らが車にのっていなくなったあと、うしろの席の彼は汗まみれになりながらため息をついて安心した様子で起き上がってきました。
私はその間、すごく悲しくて不愉快でした。
たしかに過去問、情報や資料を教えてくれるのは助かるけど、逆にわたしもまとめた学内試験ノートやまとめ表を作成し、彼に提供していたのです。
そのまとめ表を複写して周りの人にもこっそり配ってるんだって彼は言ってたことも耳にしていたので、私のノートがみんなに役立ってくれてるんだなって密かに嬉しく思っていたのはたしかです。
(でも、周りはあいかわらず私を中傷したりクスクス笑っていたのでこの辺で私自身の精神はある意味、それ以上考えないよう麻痺していたようです)
だからこっそりと、人目をはばかるほうがよいかなと思い、こうして会っていたのですが、これほどまで身近で私と一緒にいるのを人に知られることに恐怖する彼の行動に気分が悪くなりました。
特に好きでもない相手なので思わせぶりな対応をどこかでしてしまったのかもしれないけど、私と一緒にいることをこんなに嫌がられるのを目の当たりにして、涙がとまりませんでした。
運転席からホッとした顔で、冷や汗を垂らしながら「またね」っていうかれに、私は涙を拭って笑顔で「ありがとう」って言って帰宅しました。
以後、私は彼とは連絡を立ちました。
病気の治療の方に専念し、きちんと出席して単位をとることのほうを選択したからです。
風の便りで彼はまだ卒業していないそうです。
けれど・・・たまに、当時のあの彼の態度からショックを受けた日々をこうして思い起こしてしまいます。
いじめ、中傷されてたり、ぼっちになっている人と一緒にいることを、周りに知られることをとても恐怖する人は確かにいました。
狭い団体とはこんなものだと今はわりきっていますが、当時の記憶は今でも苦しいです。
いまの友人たちや恋人にも私と一緒にいることをすごく嫌なんじゃないのかって不安になる時もありますが、やはり当時の行動が奇特すぎる環境なんだったんだなって思えるようにしたいです。
高校までいじめは経験したことなかったので、大学で本当に戸惑い辛い思い出ばかりの日々となりましたが、みなさんはいじめられたことはありますか?
いじめなどあなたの置かれた環境の厳しさ困難さは伝わってきますが、そのことがわかっていれば、男子学生が隠れる理由もわかりそうなものだけど。 彼が隠れて自分が傷ついたという...