はてなキーワード: セーフティーカーとは
当方30年来のF1ファン。「あのぐるぐるを見て、何が面白いの?」っていう人は結構いる。でもねF1の1回のレースっていうのはそれだけで人生。それはあの隊列のどこを切っても、そうなんだよ。人生があの2時間未満に圧縮されている、それを見るのが面白いのね。
●いきなり先頭から猛ダッシュで逃げて、差を広げて優勝する。でも、差を広げられたからと言って決して楽では無い。エンジンやタイヤだっていたわらないと最後まで持つか分からないし、ゴール切るまで何が起こるとも限らない。何かトラブルが起きても対処できるだけの幅を持たせて走る。トップエリートの生き様。
●逆に、序盤で差を作ったのにもかかわらず、2番手以降に徐々に詰め寄られ、終盤にトップを明け渡してしまう。下手したらトラブルで大きく順位を落とす、もしくはストップ。あんなに素晴らしい人生を送っていたのに、ちょっとの油断が呼び込む悲劇。一方で追い上げた方をみれば、地道な努力が報われての逆転優勝。その一周ごとに徐々にタイムを詰めていく様子(6.5秒、4.2秒、1.9秒、0.6秒)そして最後の追い抜きは痛快。
●車の調子は良かったのに、予選や序盤のトラブルで最後尾付近まで落ちてしまった。鬼の形相での追い上げで表彰台まで挽回(勝つことはほぼ無い)する。苦境に立たされてもベストを尽くすその姿に勇気をもらう。むしろハイになって「あれはベストレースのひとつ」とすら言うドライバーもいるね。逆にトラブルで腐って沈んでしまうやつもいる。性格が出るよ。
●同じチーム内での順位争いはいつもバチバチで、見ている方が冷や汗かく。同期入社のライバルみたいな関係。バチバチ過ぎて、同士討ちしたり、キレてチーム移籍したり、心が折れてNo2に甘んじたり。ライバルに勝つためなら、レース直前にトイレに籠もって、もう一人にはギリギリまで使わせないといったような汚い心理戦だって平気でするよ。
●中堅勢の走り。トップチームには地力では絶対かなわない。だが、キラリと光る戦略(タイヤ選択・ピットタイミング・走り方の工夫)で気づいたら、入賞上位。トップチームに何かひとつでもトラブル(メカトラブルかも知れないしクラッシュかも?ペナルティが出るかも?)があれば、あわよくば表彰台もありうる。人事を尽くして天命を待つ。
●中盤のポイント争い(10位以内)。来年のシートもかかった瀬戸際。真ん中くらいの順位で大勢には影響を与えないのに、本人達は大真面目に激しい攻防のガチバトル。でもね、その1ポイントが来年のチームの予算配分を変えるかも知れないし、よりよいチームの目にとまって、来年すくい上げてもらえるかも知れない。そのためにはすこしくらいマシンが当たってでも前に行くよ。
●万年最後尾。マシンもボロボロで、いつ止まるか分からないし。でもね見ている人はちゃんと見ている。そういうチームから始まってチャンピオンへとのし上がっていった人だっている。
●ドライバーだけじゃ無く、ピットのマネージメントを見ているだけでも面白い。各チームの監督はドライバー二人のバチバチバトルが同士討ちになるんじゃないかと気が気じゃないし、戦略が嵌まったときの気持ちよさはつい顔に出ちゃうし、トラブルがあると、机を叩いて憤る。まさに人生だよ。
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追記:
●ルマンは年一度だしさすがに24時間見てられない。あとフォーミュラカー(タイヤが露出している車)が好き。F1とINDYをレギュラーにチェックしているが、INDYよりもF1のほうがドラマ性が高い。INDYは黄旗警告でセーフティーカーが出ることによる茶舞台返しが激しすぎてリアルドラマが入ってきにくい。
●自転車も好き。というか乗ってる。