2022-04-06

いつかの意識高い系無能新卒Xくん

新入社員の一挙手一投足に対する怨嗟SNSに溢れはじめる今頃になると、毎年思い出す。

いかにもリア充風の見た目で、話題流行りのJ-POPワンピースと恋バナ(という名の下ネタ)と留学自慢だけのXくん。

弊社は側から見たらキラキラベンチャーなので、意識高い系の彼は喜び勇んで入社してきたのであった。

しかしXくんは学歴だけはそこそこだけど、仕事が恐ろしく出来ないとんでもないウスノロ無能新卒だった。

例えばXくんに「急ぎなので、○日の朝イチまでに最優先で仕事Aをやって」と指示したら、

「一旦自分なりに考えて先手を打って仕事B・Cをやりました!(ドヤァ」「仕事Aは今から着手で大丈夫かと!」

と○日の前日の夕方に言ってくるような、人智の及ばない常軌を逸した思考回路の持ち主だった。

もちろん肝心の仕事Aは徹夜(するなと言ってるのにする)しても○日の朝イチに当然間に合わないし、優先した仕事B・Cなんて今は必要ない作業

しか仕事A・B・Cいずれも提出できるレベルを満たしていない。(100点満点で採点すれば、どれも20点以下とかそれくらい。)

一事が万事この調子。進捗報告も一切しないので、半ば強制的報連相を促しても「順調です(嘘)」「大方完璧です(大嘘)」といった抽象的な返答で話にならない。

で、蓋を開けてみれば①納期間に合わない、②完成度半分以下、③ギブアップです...後はお願いします!、という鬼コンボを決めてくるので手に負えない。

先の例で言うと仕事B・Cを力ずくで取り上げて、当初の仕事Aだけに専念させてもそれすらも終えられないという有様で周囲の人間ほとほと呆れ返っていた。

自主学習を言い渡すと「はい!」と威勢のいい返事が返ってくるものの、5分後にはクソ小さくしたウィンドウ大学生彼女とのlineとインスタの反復横跳びが始まる。

そんなXくんもいざ会議の場になると、活き活きと「僕が海外で学んできた知識を活かして、この会社グローバル戦略サポートしたいです!」だの、

「先輩達の熱い指導のおかげで、自分の日々の成長を実感しています!」だの、何処かから受け売り大言壮語を壊れたレコードのように毎回並び立てる。

流石に周囲が疲弊しはじめてきたところで、待ってましたと言わんばかりに牙を剥いたのが、弊社随一のパワハラ上司だった。

(ちなみにこのパワハラ上司もたいして仕事はできない。周囲を辞めさせることで物理的消去法にて昇進した生え抜きウジ虫。)

それからまあ、周囲が引くほどにXくんを詰める詰める。退路を一つずつ潰してって追い込む。崖のギリギリまで追いやって平気でそのまま落とす。

Xくんは「申し訳ございません」という高等語彙を持ち合わせていないので、「ごめんなさい!次は頑張ります!」と毎度、うな垂れていた。

しかし一向にXくんの勤務態度は改善されず、ほとんどウジ虫パワハラ上司サンドバッグになる日々が続いた。

そんなある日、Xくんが席を立った際につい出来心で、彼のPC画面を覗いてしまった。そこには数個のタブにyahoo検索結果が表示されており、

検索窓には「発達障害 診断」「発達障害 治したい」「発達障害 治療」とかそんな感じの文言が並んでいた。

「いやいや、君が無能なのは障害のせいじゃないと思うよ・・・」と苦笑が漏れた。むしろ彼にとっては障害のせいにできた方がよっぽど楽だったろうな。

話を聞く限り関西にある実家がかなり裕福で、ガキの頃から過保護な母ちゃんと姉ちゃんに面倒な事は全てやって貰って自分は好き放題・遊び放題。

父親の金とコネでそこそこの学校に入って、学生時代はノリと口先だけで上手いこと渡り歩いて来たらしい。現に彼女は途切れないし、ノリが良く友達も多い。

そんな彼も齢23歳にしてメッキが一気に剥がれてしまった。いや、むしろ遅すぎたくらいか。彼自身の為にも中高あたりで一回コテンパンにされるべきだったのだ。

一度も真剣課題解決したことがなかったんだと思う。多分「うーん...」とか言って首を捻れば母ちゃんや姉ちゃん彼女が全部やってくれてたんだと思う。

「もー!Xちゃんしょうがないなぁ!」とか言われてね。言動も見た目も年齢の割に妙に幼かったので、二十歳前後までさぞや周囲に可愛がられてただろうが、

流石に仕事においてはそうは問屋が卸さんわけでね。我々同僚にしてみれば身長168cmの3歳児を掴まされたようなものでたまったもんじゃない。

3歳児なら可愛くてチヤホヤもしてやるが、Xくんは23歳児である。アーンや尻拭いまでしてやる義理こちらにはない。

前述のウジ虫パワハラ上司が立派に昇進できている時点で賢明な読者諸君は既にお分かりかとは思うが、この会社自体

外はキラキラ・中は肥溜め的な下痢便チャーだったので、事の成り行きを見届けずに俺自身もとっとと辞めてしまった。

っていうか、Xくんレベルの傑物が社長の肝入りで入社できてる時点で終わってるよな。そう、そんな会社に勤めてた俺も同じ穴の狢で終わってるってこと。

その後も退職する人間が続出し、会社運営にもいよいよ支障をきたし始めたというところまでは小耳に挟んだが、以後の流れは知らないしもう興味もない。

さあ、Xくんはどうなったんだろう。今30代前半かな。そのままの会社に生ける粗大ゴミとして鎮座してるのか、ビシバシ転職して方方で疎まれてるのか。

それとも金持ち実家に帰って、家業役職だけ得た上で仕事せずに親の金放蕩だろうか。←多分これがカタイと踏んでる。人生って公平じゃないよな、ホント

「どこ行っても通用しない」ってのは、彼みたいな人物の事を言うのだろうな。天地がひっくり返っても、彼がバリバリ仕事こなしてるイメージが一切浮かばないもん。

「働かない方が世の為、人の為になる人間ってのも居るもんだ。」っていう貴重な教訓を、このXくんから学んだ。

  • 身長168cmは嘘松

  • 声に出して読みたい日本語「下痢便チャー」

  • 格闘技の世界だとほとんど負け越しの鳴かず飛ばずの成績が競技を変更したら(ムエタイからボクシングに転向とか)いきなりチャンピオンレベルに強い選手になったとか あるいはその...

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん