先日のモスバーガーのトム・ブラウン超合体CMになんか否定的だったので、識者の俺が音MADの楽しみ方を教示しよう。
最初に言っておくが強烈なハイコンテクストが特徴の文化なのでNot for meと思った瞬間に立ち去るように
そしてなんと教材にもってこいの28秒! この音MADに出会えたからこの増田書いてるまである
各ソースは現時点では見なくてよい
では動画を見ましょう。
タイトルとトラック、特徴的な文字演出からこの動画が「神っぽいな」の音MADということがわかる。
そしてアニメ(もしくは原作小説)を知っていると、画像のキャラクターが結婚相手に高い理想を抱いているシーンを想起する。
まずここで視聴者にコンテクストがロードされる。この作品への向き合い方が決定される。
あまりにもロマンチックな理想の独白が「神っぽいな」のワードとシンクロする
しかしアニメの音声だと思いこんでいた矢先の「高学歴 高身長 高収入」の3連打によりなんだこの音声(音源)は!?の驚きと遭遇する
追い打ちのように音声のリリックはオフボーカルのサビ部分にカッチリとはまり込み、リズムが気持ちよくなる
作中世界にあるはずもない「ママ友とのランチとヨガとネイルサロン代」の登場により感情は更に加速される
ネタとしての異常性という部分ではもちろん、作中婚活期のロキシーの境遇からすればあまりにも遠い理想に胸が締め付けられる。
そして続く「山崎賢人と阿部寛と坂口健太郎を足して割らない」、素材の爆発力である。
まず感情として、割らないで大丈夫なのか、1人で十分じゃないかの不安感が脳裏をよぎる。
そしてその場合顔は3つなのか? それはもう阿修羅なのでは? 阿修羅って神っぽいなと脳のシナプスが一気につながる
そういやケルベロスも顔3つだな。犬っぽいな。ぽいじゃん。脳内の連想ゲームは危険な領域へ突入する
そして化け物「顔の青年に迷宮の奥底で偶然助けられるんです」と原作の展開に帰ってくる
この作品は投げっぱなしではなく、非常に練られた展開という満足感が気持ちよさに変換される
しかしここで終わらない
最後の最後で内容がいきなりYouTuber「syamu game」氏の名言に変化する
「コイニハッテンシテ 素敵なことやないですか」あまりにもの急カーブ、脳はsyamu氏のコンテクストをロードする
そして最後の音声「理想たかっ!」、BGMでは「憧れちゃうわ!」に重なる。歌詞を考えると関西弁のダブルミーニングも想起する
そしてsyamu氏が登場することにより同氏の「おい!それってYO!」という名言も脳裏によぎる。
この動画で描かれていないことまで、沢山のシナプスがつながったと思う。この音MADの素晴らしさが理解できただろう。
非常に素晴らしい音MADでした。
音声素材の強すぎる力を見事に制御しきっていますし、動画のエフェクトも最小限に留めています
とはいえそれは手抜きではありません。
素材の発掘力は音MADの肝ですし、楽曲のPVのオマージュは極めて精緻で丁寧さが伺えました。
キャラクタや楽曲、syamu氏の持つコンテクストのシナジーがキマったシナプス感涙の作品でした。
その性質ゆえに表社会に出ることは稀ですし、件のCMが音MADではない、そうだとしても劣っていると批判が一部でなされる理由もわかっていただけたかと思います。
ここまで聞いてくださってありがとうございます。
それでは最後にトトトトトム・ブラウン、ぱちんこCRおどれまさのりファイアーの作者で知られる零氏がRTしたツイートの引用を持って終わりにしたいと思います。
ご清聴ありがとうございました。
音MADが表沙汰になってることに対して賛成派も反対派もいる様子ですね
僕としては「音MADという手法」は表沙汰になっていいが、「音MAD界隈のネタ」は絶対に表沙汰になるのは絶対にやめてほしい派です
トトトトトム・ブラウン
作者です なんかTwitterで呼び出されたみたいですが出頭は断固拒否いたします 悪文読んでくれてありがとう パワー