2016-01-25

http://anond.hatelabo.jp/20160124230856

俺は若いころ自意識過剰自分にはそれしか掛けるものがないと思い込んで3流美大に飛び込んだ。

結局打ちひしがれて今にいたるけれどそこで言われた言葉で印象に残ってるものが2つある。

一つは「君のこれは作品とは呼べない」。

どんなに持論をこねくり回したり拘りを突き詰めたりしようが、

結局それを評価価値を決めるのは、それを観る人間なのだ

どんなに素晴らしく個性的感性を持っていても、

マジョリティに拒絶され表現することを正当化するバックグラウンドを失ってしまえばただの変人として嘲笑されるしかない。

二つ目は「褒められたくてあえて奇抜なことをやってるんだろうけど〜」

本当にこれは衝撃的だった。当時僕は愚直にしていれば誠実でいられると思っていたからだ。

僕の誠実さは教授に一声で否定され証明するすべを失い、自分個性が強みになるなんてことは幻想だと思い知った。

周りの評価も気にせず思ったように自由に振る舞っとしても、結局評価されなければそれが個性だと規定されることもない。

評価されないということは無価値であり、価値が見いだせないということは本能感情に従った素直さも思想も見受けられないということではなかろうか。

万人にとって価値がないというのであれば当人意思など外部からみても存在しないに等しい。

では他人は何を基に評価を下すのかということになるが、これは共感できるか否かという点によって判断しているのだと思う。

人間は結局己のレリジオンを補完するために、社会との交流のあり方を模索している。

もし自らの考えに反するものを受け入れてしまったとすればたちまち破錠してしまうのは目に見えている。

からそぐわないものを受け入れることが出来ない。

どれだけ自分の素晴らしさを説こうが、人々の共感が得られなければ各々の思考の中で無価値化され

「愚かで浅はかで見るに堪えない」というレッテルを貼られ黙殺されるということだ。

媚びたからといってそれが非難されるとは限らないのだ。それが観る側にとって心地よければどうでもいい問題であり、

逆に不快もの対峙したときは、それを拒絶する正当性を欲し、表現者人格までも批判し出す。

僕は結局その大学を辞めた。誰が悪いわけでもなく僕自身が愚かだったというだけだ。

しかしながら評価されることを意識しつつ創作活動を行うことが美大生活の意義だという観念ジレンマを抱いていた。

自分感性さらけ出すという表現のあるべき姿を成り立たせる前提として、既に評価されているという事実必要。」

「だが良い評価をもらうために制作したもの協調性しか持ちあわせておらず、理想的表現者としての定義矛盾が広がっていく。」

このように小賢しさを気取った馬鹿者にならず兎角無心で制作に励めばよかったと反省はしているし、

さっくりとウケのいいものを作り一定の評価を経てから作家性をささやかに出すような器用さにかけていたのも事実だ。

理想主義なんぞ田舎の3流大学生には無用の長物だと今では自分にあきれてしまう。

はいえ未だに当時の自分が抱いていた鬱屈もっともなんじゃないかと思う。

増田はA子や家族等が自分の美を確立している才能ある人物だとしているが、

それは増田主観であり、そう考えるに至らしめるのは

「賞をとった」「選出された」「絵を描くことが生業として成立している」といった既成事実しかない。

もしもA子じゃなくて増田が全国に選出されていれば、

高校時代増田自分には才能がないと思うこともなかったしA子は馬鹿にされたままだったはず。

なおかつ高校卒業後によほど劇的なことが起こらない限り、

A子より増田のほうがポテンシャルが高いということが紛れもない事実として誰も疑いはしなかっただろう。

要は結果論だ。増田よりA子のほうが評価された、増田の絵は酷評されたという事実増田自身が受け入れるために「才能がなかった」という結論を用意しただけだ。

多分周囲の人々もあなたに才能がないとおもっている。才能がないということは自認ではどうすることもできないソーシャルでの自分の位置づけになっているのだ。

憶測だが内心そんな状況に増田は納得していないのだと思う。

もう自分には才能がないというほかない状況にすっぽりはまって、自分自身自分をどう認識しようがお構いなしの現状。

それを拒絶したところで何にもならないから、受容するのが一番マシだから「才能がない」というほかない。

僕は何も「才能がないなんて思い込みだ。可能性は無限大」みたいな自己啓発のなりぞこないを啓蒙したいわけじゃない。

お気に入り納豆外国人PRするように、一見客観的ポテンシャルがあるように思えてもそんな物の影響力なんて全くなくて、

他人認知を意のまま変えることなんざ真っ当には到底無理なのだから

これはただただ勝手あなた共感し、踏まえて違和を感じたことを提示したいと思ったまでだ。

釣りにひっかかる有様になろうが稚拙文章晒すことになろうがなんでもいいからかいってやりたいとおもわせた増田は素晴らしい。

記事への反応 -
  • 幼いころから、絵を描くのが「得意」だった。 美術に携わる家系に育ったという経緯が一番影響したのだと思う。夏休みの宿題で出す絵は大体入賞したし、それが当たり前だと思ってい...

    • 俺は若いころ自意識過剰で自分にはそれしか掛けるものがないと思い込んで3流美大に飛び込んだ。 結局打ちひしがれて今にいたるけれどそこで言われた言葉で印象に残ってるものが2つ...

    • 自分より上手いやつがいて、向き合う前に逃げただけだろ? そんな程度のやつだから戦わなかった自分を慰めるためだけにこんな情けないモノを書く。 お前が未だに絵を書きたくなるの...

      • そんな、ありふれた理由で美術から逃げられたらどんなに楽か。 聞きかじった感情や理由で、ひとはいっしょうけんめいになったことから逃げられない。

    • 金持ちで文化資本のある家に生まれ育ったお嬢ちゃんのくだらない戯れ言。

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