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2024-01-25

数学III数学Cに入らない段階の三角関数つまんない

指導要領で数学Cが復活したから「数学IIIと数学C」と表記するけどまぁそれはともかく…

その範囲に入らない段階での三角関数について学んでもかなりつまんないとは正直思う

結局数学II・数学Bまでの三角関数グラフを書いてどんな形になるか確かめたり、せいぜい加法定理を習うまでだから

これでは特定のxに対して sin x, cos x, tan x が幾つになるかばっかり考える事になる

三角測量という重要な応用があるにはあるが、それは結局実生活に役立ってる事が分かりはするが

三角関数自体の豊かな性質には触れられない

これじゃ退屈に感じてしまう人がいても仕方ないよ

一方で数学IIIや数学Cまでやると三角関数はどうなるか

微積分と繋がる訳だ

これで様々な有理関数不定積分三角関数を用いて表す事が出来たりと

他の分野との有機的な繋がりが見えてくる

様々な平面図形や立体の面積・体積も求められるようになるし変種を含むサイクロイドもよく分からない曲線では無くなる

加法定理の応用範囲も色々と出てきて特定のxに対しての三角関数の値を求めやすくするためだけの定理ではなくなる訳だ

学習指導要領の都合だと平面上の回転変換が三角関数を用いて表される事まで学ぶようになるかもしれないな

ゲームで言うとそれまで一部の地域しか冒険してなかった主人公が急に世界全体を冒険出来るようになる滅茶苦茶面白い段階と言っていい

こうしてみると数学IIIや数学Cを勉強しない人にとっては

三角関数というもの面白い部分がすっかり抜け落ちた存在に映っても仕方ないものがある

世間で「三角関数文系で習わなくてもいい」みたいな事を言う人達はこんな退屈な状態で学ばされたから言ってるのかもしれない

そんな事を言った某議員とかも三角関数微積分までは勉強していないのは個人的に知ってるから尚更思ってしま

からといって数学II・数学Bから三角関数を無くすべきではないとは思いたい

逆にどうだろう…数学IIで三角関数を学ぶのと同時に簡単微積分も習うんだから

そこで実は三角関数が絡むと微積分はとても豊かになるんだって証明抜きで簡単に紹介してみるのはいいんじゃないか

そうすると三角関数が嫌いな人が減るような気がするんだ

2020-08-27

中学高校数学にいわゆるユークリッド幾何学不要

ここでいう「ユークリッド幾何学」とは、座標空間ベクトル三角関数微分積分などの解析的手法を用いないいわゆる総合幾何学のことです(*1)。2020年8月現在高校数学カリキュラムでいえば、「数学A」の「図形の性質」に該当する分野です。

ユークリッド幾何学不要だと思う理由単純明快で、何の役にも立たないからです。大学に入って、「補助線を引いて、相似な三角形を作って~」とか「コンパスと定規による作図」みたいなパズルゲームをやることは絶対にありません(*2)。これは常識で考えても分かると思います。たとえば工学研究で、ある物体の弧長や面積などを測定しなければならないとして、ユークリッド幾何学の補助線パズル適用できる多角形や円などしか測れないのでは話になりません。一方、座標空間ベクトル三角関数微分積分などの手法一般的現象記述する上で必ず必要になります

もちろん、たとえば三角比定義するには、「三角形内角の和は180度である」とか「2角が等しい三角形は相似である」といった初等幾何学性質必要になります。そのようなものを全て廃止せよと言っているわけではありません。しかし、高校1年生で習う余弦定理:

OABに対して、|AB|^2 = |OA|^2 + |OB|^2 - 2|OA||OB|cos∠AOB

証明してしまえば、原理的にはユークリッド幾何学問題は解けます。それ以降は、ユークリッド幾何学的な手法問題設定にこだわる必要はないと思いますし、実際それで問題ありません。

現状、少なくない時間ユークリッド幾何学に費やされています数学の1単元を占めているだけではなく、その他の単元にもユークリッド幾何学の発想に影響された例や問題が多く登場します。たとえば、複素平面において4点の共円条件や垂直二等分線を求めさせる問題など。そして最も労費されているのは生徒の自習時間です。以前よりマシになったとはいえ大学入試等には技巧的な図形問題が出題されるため、受験生はその対策に多大な時間を費やしています

高校数学では以下のような事項が重要だと思いますユークリッド幾何学を学ばせている時間があったら、このような分野を優先的に修められるようにすべきです。

これらの分野は数学手法としても非常に強力ですし、大学以降で数学を学ぶ際、現実的問題数学物理問題として正確に記述する際に必ず必要になります。仮にユークリッド幾何学が何らかの場面で応用されるとしても、微分積分などと同レベル重要だと真剣に主張する人っていらっしゃるでしょうか?

ユークリッド幾何学初等教育で教えるべきだとする根拠には、大雑把に言って以下の4つがあると思います

  1. ユークリッド幾何学では証明の考え方を学ぶことができる
  2. 図形問題代数や解析の問題よりも直感的で親しみやす
  3. ユークリッド幾何学問題を解くことで「地頭」「数学直観」などが鍛えられる
  4. ユークリッド幾何学歴史的重要である

しかし、これらはいずれも正鵠を射ていません。

まず①は明らかにおかしいです。ユークリッド幾何学に限らず、数学のあらゆる命題証明されるべきものからです。高校教科書を読めば、相加平均・相乗平均の不等式、点と平面の距離公式三角関数加法定理微分ライプニッツ則や部分積分公式など、どれも証明されていますそもそも数学問題はすべて証明問題です。たとえば、関数極値問題は、単に微分が0になる点を計算するだけではなく、そこが実際に極値であるかそうでないか定義や既知の性質に基づいて示す必要があります。したがって、ユークリッド幾何学けが特に証明の考え方を学ぶのに有効だという理由はありません。

②もおかしいです。図形問題を扱うのはユークリッド幾何学だけではないからです。ベクトル微分積分でも図形問題を扱います。たとえば、三角形の5心の存在や、チェバの定理メネラウス定理などはベクトルを用いても容易に示すことができます。また言うまでもなく、曲線の接線は微分で求めることができ、面積や体積は積分で求めることができます。また、ユークリッド幾何学手法問題ごとに巧い補助線などを発見しなければいけないのに対し、解析的な手法一般方針が立てやすく汎用的です。したがって、図形問題を扱うのにユークリッド幾何学手法にこだわる理由はありません。

③は単なる個人思い込みであり、科学的な根拠はありません。そもそも数学教育の目的は「地頭」などを鍛えることではなく、「大学や実社会において必要数学素養を身につけること」のはずです。また、これも上ふたつと同様に「ユークリッド幾何学以外の数学では、『数学直観』などは鍛えられないのか」という疑問に答えられておらず、ユークリッド幾何学特別視する理由になっていません。

④もおかしいです。そもそも歴史的重要である」ことと「初等教育で教えるべき」という主張には何の関係もありません。歴史的重要ならば教えるというなら、古代バビロニアインド中国などの数学特に扱わないのはなぜでしょうか。もっと言えば、文字式や+-×÷などの算術記号が使われ始めたのでさえ、数学史的に見ればごく最近のことですが、昔はそれらを使わなかったからといって、今でもそれらを使わず数学記述するべき理由があるでしょうか。

数学重要なのはその内容であるはずです。ユークリッド幾何学擁護する論者は、「(表面的に)計算問題に見えるか、証明問題に見えるか」のようなところに価値を置いて、一方が数学教育的に有意疑だと見なしているようですが、そんな分類に意味は無いと思います

大昔は代数計算方程式の解法(に対応するもの)は作図問題帰着していたようですが、現代でそれと同様の手法を取るべき理由は全くありません。記述する内容が同じであれば、多項式や初等解析のような洗練された方法重要な結果を導きやす方法を用いればよいに決まっています数学史家は別として)。同様に、ユークリッド幾何学も、解析的な手法で解ければそれでよく、技巧的な補助線パズルなどに興じたり、公理的な方法にこだわる必要はありません。

たとえば、放物線は直線と点から距離が等しい点の軌跡として定義することもできますが、初等教育重要なのは明らかに2次関数グラフとして現れるものです。放物線を離心率や円錐の断面などを用いて導入したところで、結局やるのは二次関数の増減問題なのですから最初から2次関数グラフとして導入するのは理にかなっています数学教育の題材は「計算問題証明問題か」などではなく、このような観点で取捨選択すべきです。

三角比などを学んだあともユークリッド幾何学を教えたり、解析的な手法では煩雑になるがユークリッド幾何学範疇ではエレガントに解けるような問題を出して受験生を脅したりするのは、意味が無いと思います。それは、「掛ける数」と「掛けられる数」を区別したり、中学連立方程式を学ぶのに小学生鶴亀算を教えるのと同様に、無駄なことをしていると思います

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(*1)

現代数学では、n次元ベクトル空間R^n = Re_1⊕...⊕Re_nに

(e_i, e_j) = δ_i,j (クロネッカーデルタ)

内積定義される空間上の幾何学はすべてユークリッド幾何学に分類されます。したがって、上にあげた座標空間ベクトル微分積分、一次変換なども敢えて分類すればユークリッド幾何学です。しかし、ここではその意味でのユークリッド幾何学不要と言っているのではありません。飽くまでも、技巧的な補助線問題や、公理的な方法にこだわることが不要だと言っています

(*2)

数学科の専門課程で学ぶガロア理論では、コンパスと定規による作図可能性が論じられますが、これは「作図問題ガロア理論が応用できる」というだけであり、「ガロア理論を学ぶのに作図の知識必要」というわけではありません。

2020-06-05

Galois拡大って何?

分離的かつ正規代数拡大のことです。

集合Kが2つの二項演算+: K×K→K、*: K×K→Kを持ち、以下の性質を満たすとき、Kは体であるという。

  1. 任意のa, b, c∈Kに対して、(a + b) + c = a + (b + c)
  2. ある元0∈Kが存在して、任意のa∈Kに対して、a + 0 = 0 + a = a
  3. 任意のa∈Kに対して、ある元-a∈Kが存在して、a + (-a) = (-a) + a = 0
  4. 任意のa, b∈Kに対して、a + b = b + a
  5. 任意のa, b, c∈Kに対して、(ab)c = a(bc)
  6. 任意のa, b, c∈Kに対して、a(b + c) = ab + ac、(a + b)c = ac + bc
  7. ある元1∈Kが存在して、任意のa∈Kに対して、1a = a1 = a
  8. 任意のa∈K\{0}に対して、ある元a^(-1)∈Kが存在して、aa^(-1) = a^(-1)a = 1
  9. 任意のa, b∈Kに対して、ab = ba

体の例
  • 有理数全体の集合Q、実数全体の集合R、複素数全体の集合Cは、通常の和と積について体になる。一方、整数全体の集合Zは体にはならない。
  • 素数pについて、整数をpで割ったあまりの集合Z/pZ := {0, 1, ..., p-1}は、自然な和と積によって体になる。

代数拡大

K, Lを体とする。K⊂Lとなるとき、LをKの拡大体という。L/Kが拡大であるともいう。もちろん、これはLの部分群Kによる剰余群のことではない。

C/Rや、C/Qは体の拡大の例である。K(X)/K(X^2)なども体の拡大の例である

L/Kを体の拡大とする。任意のa∈Lに対して、K係数の多項式f(X)存在して、f(a)=0となるとき、LをKの代数拡大体、またはL/Kは代数拡大であるという。

そのような多項式存在しない元が存在するとき、LはKの超越拡大体、またはL/Kは超越拡大であるという。

代数拡大の例

C/Rは代数拡大である

なぜならば、任意のz∈Cはz = x + yi (x, y∈R)と表わせ、z* = x - yiとおくと、zは二次方程式

X^2 -(z + z*)X + zz* = 0

の解だから

Kを体とする。K上の任意多項式F(X)に対して、Fの根を全て含む体Lが存在する。言い換えれば、FはLで

F(X) = a(X - a1)...(X - an)

と一次の積に分解する。このようなLのうち最小のもの存在し、Fの(最小)分解体という。Fの分解体はKの代数拡大体である

最後の一文を証明する。

LをFの分解体とする。Lの部分環Vを

K[X1, ..., Xn]→L (f(X1, ..., Xn)→f(a1, ..., an))

の像とすると、VはK上のベクトル空間である。各aiはn次多項式の根であるからaiのn次以上の式はn-1次以下の式に等しくなる。従って、VはK上高々n^2次元の有限次元ベクトル空間である

Vは整域であるから、0でない元による掛け算は、VからVへの単射線形写像である。したがって、線形写像の階数と核の次元に関する定理から、この写像全射である。よって、Vの0でない任意の元には逆元が存在する。つまり、Vは体である

Lは、Kと各aiを含む最小の体であり、V⊂Lなので、L=Vである

さて、Lの元でK上のいかなる多項式の根にならないもの存在したとし、それをαとおくと、無限個の元1, α, α^2, ...は、K上一次独立となる。これはVが有限次元であることに矛盾する。□

上の証明から特に、KにFの1つの根αを添加した体K(α)は、Kの代数拡大体である。このような拡大を単拡大という。


拡大次数と自己同型群

L/Kを代数拡大とする。LはK上のベクトル空間となる。その次元をL/Kの拡大次数といい、[L : K]で表す。[L : K]が有限のとき、L/Kは有限拡大といい、無限大のとき無限代数拡大という(上の証明でみたとおり、超越拡大は必ず無限次拡大である)。

M/K、L/Mがともに有限拡大ならば、L/Kも有限拡大であり、[L : K] = [L : M] [M : K]。

α∈Lとする。K上の多項式fでf(α)=0をみたすもののうち、次数が最小のものが定数倍を除いて存在し、それをαの最小多項式という。

[K(α) : K]は、αの最小多項式の次数に等しい。なぜならば、その次数をnとするとαのn次以上の式はすべてn-1次以下の式になるため、[K(α) : K]≦n。1, α, ..., α^(n-1)が一次従属だとすると、n-1次以下の多項式でαを根に持つもの存在することになるので、[K(α) : K]≧n。よって、[K(α) : K]=n。

Lの自己同型σでKの元を固定するもの、つまり任意のa∈Kに対してσ(a)=aとなるもの全体のなす群をAut(L/K)と書く。

任意の有限拡大L/Kに対して、#Aut(L/K) ≦ [L : K]。


Galois拡大

L/Kを有限拡大とする。#Aut(L/K) = [L : K]が成り立つとき、L/KをGalois拡大という。L/KがGalois拡大のとき、Aut(L/K)をGal(L/K)と書き、L/KのGalois群という。

Galois拡大の例

L/Kを有限拡大、[L : K] = 2とする。#Aut(L/K) ≦ [L : K] = 2なので、Aut(L/K)に恒等写像以外の元が存在することを示せばよい。

[L : K] = 2なので、α∈L\Kが存在して、1, α, α^2は一次従属。したがって、α^2 - aα + b = 0となるa, b∈Kが存在する。解と係数の関係から、α, a - α∈Lは、2次方程式X^2 - aX + b = 0の異なる2解。

α∉Kより、K⊕KαはK上2次元ベクトル空間で、K⊕Kα⊂LなのでL=K⊕Kα。

σ: L→Lをσ(1)=1, σ(α)=a-αとなるK線形写像とすれば、σは全単射であり、Kの元を固定する体の準同型でもあるので、σ∈Aut(L/K)。□

C/RはGalois拡大。

Gal(C/R)={id, σ: z→z*}

平方因子のない有理数αに対して、Q(√α)/QはGalois拡大。

Gal(Q(√α)/Q) = {id, σ: 1→1, √α→-√α}。


正規拡大

L/Kを有限拡大とする。任意のα∈Lに対して、αのK上の最小多項式が、Lで1次式の積に分解するとき、L/Kを正規拡大という。

L=K(α)とすると、L/Kが正規拡大であるのは、αの最小多項式がLで一次の積に分解するときである

K(α)/Kが正規拡大で、さらにαの最小多項式重根を持たなければ、αを他の根に写す写像がAut(K(α)/K)の元になるから、Aut(K(α)/K) = αの最小多項式の次数 = [K(α) : K]となり、K(α)/KはGalois拡大になる。

nを自然数として、ζ_n = exp(2πi/n)とする。ζ_nの最小多項式は、Π[0 < m < n, gcd(m, n)=1](X - (ζ_n)^m)であり、Q(ζ_n)/QはGalois拡大である


分離拡大

L/Kを有限拡大とする。任意のα∈Lの最小多項式重根を持たないとき、L/Kは分離拡大という。

体Kに対して、1を1に写すことで一意的に定まる環準同型f: Z→Kがある。fの像は整域だから、fの核はZの素イデアルである。fの核が(0)のとき、Kの標数は0であるといい、fの核が(p)であるとき、fの標数はpであるという。


Q, R, Cの標数は0である。Z/pZの標数はpである

標数0の体および有限体の代数拡大はすべて分離拡大である

F_2 = Z/2Zとする。F_2係数の有理関数体F_2(X)/F_2(X^2)は分離拡大ではない。

実際、XのF_2(X^2)上の最小多項式は、T^2 - X^2 = (T - X)(T + X) = (T - X)^2となり、重根を持つ。

Galois拡大であることの言い換え

有限拡大L/KがGalois拡大であるためには、L/Kが分離拡大かつ正規拡大となることが必要十分である


Galois拡大の性質

L/KをGalois拡大、Gal(L/K)をGalois群とする。

K⊂M⊂Lとなる体Mを、L/Kの中間体という。

部分群H⊂Gal(L/K)に対して、L^H := {a∈L| 任意のσ∈Hに対してσ(a)=a}は、L/Kの中間体になる。

逆に、中間体K⊂M⊂Lに対して、Aut(L/M)はGal(L/K)の部分群になる。

次のGalois理論の基本定理は、L/Kの中間体がGalois群で決定されることを述べている。

L/KをGalois拡大とする。L/Kの中間体と、Gal(L/K)の部分群の間には、以下で与えられる1対1対応がある。

  • 部分群H⊂Gal(L/K)に対して、K⊂L^H⊂L
  • 中間体Mに対して、Aut(L/M)⊂Gal(L/K)

さらに、以下の性質を満たす。

  • H'⊂H⊂Gal(L/K)ならば、K⊂L^H⊂L^H'⊂L
  • K⊂M⊂M'⊂Lならば、Aut(L/M')⊂Aut(L/M)⊂Gal(L/K)
  • 中間体K⊂M⊂Lに対して、#Aut(L/M)=[L : M]。つまり、L/MはGalois拡大
  • 部分群H⊂Gal(L/K)に対して、#H = [L : L^H]、#Gal(L/K)/H = [L^H : K]
  • 中間体K⊂M⊂Lに対して、M/Kが正規拡大(L/Kは分離的なのでM/Kも分離的であり、従ってGalois拡大)であることと、Gal(L/M)がGal(L/K)の正規部分群であることが同値であり、Gal(L/K)/Gal(L/M)〜Gal(M/K)。同型はσ∈Gal(L/K)のMへの制限で与えられる。

K=Q, L=Q(√2, √3)とすると、Gal(L/K)はσ√2→-√2とする写像σと、√3→-√3とする写像τで生成される位数4の群Z/2Z×Z/2Zである

この部分群は{id}, {id, σ}, {id, τ}, {id, στ}, {id, σ, τ, στ}の5種類があり、それぞれ中間体L, Q(√2), Q(√3), Q(√6), Kに対応する。

2020-05-22

中学高校数学ユークリッド幾何学不要である

中学高校数学から、いわゆるユークリッド幾何学廃止してよい。理由単純明快で、何の役にも立たないからだ。

大学に入ったら、どの学部に行っても、「補助線を引いて、相似な三角形を作って〜」などと言ったパズルをやることは絶対にない。メネラウス定理高校卒業以降(高校数学指導以外で)使ったことのある現代はいないだろう。こういうことは、別に高等数学知識の無い高校生でも、常識で考えて分かると思う。たとえば工学で、弧長や面積を測定する機器必要になったとして、補助線パズル適用できるごく一部の多角形などしか測れないのでは話にならない。現代数学および科学技術を支えているのは、三角関数ベクトル微分積分などを基礎とする解析的な手法である

もちろん、たとえば三角比定義するには「三角形内角の和は180°である」とか「2角が等しい三角形は相似である」等のユークリッド幾何学定理必要になる。そういうものを全て廃止せよと言っているわけではない。しかし、余弦定理まで証明してしまえば、原理的にはユークリッド幾何学問題は解ける。また、実用上もそれで問題ない。したがって、余弦定理を初等的な方法で示したら、ユークリッド幾何学手法はお役御免でよい。

高校数学では、以下の分野が特に重要だと思われる。

これらはいずれも、高等数学を学ぶ際に欠かせない基礎となる分野である。仮にユークリッド幾何学が何らかの場面で使われるとしても、いくらなんでも微分積分などと同等以上に重要だと主張する人はいないだろう。

現在、これらの分野は十分に教えられていない。微分方程式と一次変換は現在2020年5月)のカリキュラムでは教えられておらず、ベクトル文系範囲から除かれ、代わりにほとんど内容の無い統計分野が教えられている。また、高校生にもなって、コンパスと定規による作図みたいなくだらないことをやっている。本当に、どうかしているとしか言い様がない。

ユークリッド幾何学を教えるべきとする根拠代表的ものは、証明の考えに触れられるというものだ。つまり代数や解析は計算主体であるが、ユークリッド幾何学証明主体なので、数学的な思考力を鍛えられるというものだ。

しかし、これは明らかに間違っている。別にユークリッド幾何学の分野に限らず、数学のあらゆる命題証明されなければならないからだ。実際、高校数学教科書を読めば、三角関数加法定理や、微分ライプニッツ則など、証明が載っている。そもそも数学問題は全て証明問題である関数極値問題は、単に微分が0になる点を計算するだけではなく、そこが実際に極値であることを定義に基づいて示さねばならない。数学思考力を養うのに、ユークリッド幾何学が他の分野より効果的だという根拠は無い。

 
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