はてなキーワード: 長襦袢とは
オンラインや対戦ゲームでのプレイヤーで異性を使っている人はわりと多いけどさ。それを現実でやったらおもしろいんじゃね?と思ったのがきっかけ。みんながゲームの世界でやることを俺は現実でやってみるわ。
身体のスペックは身長160台前半 体重50kg台 童顔で痩せ型なので「これはいける!」という謎の自信にも後押しされ、ネットでサクッと予約した。
女性の店員さん2人(男性じゃないし可愛かった)に迎えられ、カルテを書く。
コースが複数あったが、今回は着物とワンピースの2パターンでお願いした。基本料金は17000円ほどだが着付け等の追加料金で23000円した。まさか6000円も上乗せされるとは思わなかったがソシャゲよりはマシだと割り切る。パズドラのイシスなんて10000円出して出なかったしな。然るべきお金を払えば確実に実現できる女装は素晴らしい…?
流れとしては
着物の着付け→化粧→写真撮影→ワンピースに着替え→写真撮影→お出かけ→化粧落とし→お支払 のべ3時間のサービス。
全部事細かに書くとグダグダになるのでいくつかポイントごとに。
成人式でも無難にスーツを着たし、茶道等の経験もないのでこれが初めての和服デビュー。これが初めてになってしまった。今後和服を着るたびに女装のことを思い出すのかと思うと複雑な心境だった。
の順番でやるんだけどさ。文字にすると一行で終わるけど実際には10分から20分はかかった。
着付け後はメイクを施すため、試着室からメイク台へ5mほど歩く必要がある。短い距離なのにこれが思いの外大変だった。
なんでかっていうと
①着物が重いこと ②着付けの関係でいつもの歩幅で歩けない ③下駄 と簡単にハットトリック達成するから。
着物って背すじがピーンと伸びるし疲れるわ。もうすぐ成人式だけど振り袖ガールズには優しくしような。
・男はどうあがいても男
化粧以外にもフェイシャルエステだのテープによるリストアップだのありとあらゆる手を尽くしたが、目を開けば紛れもなく男性がメイクをした姿がそこにはあった。俺は女の子にはなれないと実を持って知った。素顔はゴリラ系ではないので3秒くらいは騙せそうなのが救いだった。
いつだったか資生堂のCMで女装メイクが話題になったことがあった。あれは技術もそうだけど日本中から集められたイケメンの中のイケメンだからこそできる芸当だ。女装でもイケメンは強い。
女性よりも女性らしいポーズを頼まれ、「カワイイ」と言われ続け(これが不思議と悪い気はしない)、果てには自分の口から
「今日のコーデどう?」「にゃは♡」「かな(カルテ記入時に決めたニックネーム)のこと、カワイイ?」
撮影中の店員さん達の楽しそうなことと言ったらもうね。そもそもどっかずれてないと女装サロンの店員さんなんてやらないしな、変態に決まってる。
身も心も女性に塗り替えられていくような気がした。店内には俺と店員さん二人しかおらず、タガは簡単に外れた。頭がおかしくなりそうだった。
着付けを始める前に好きな曲を聞かれ、適当にクイーンと答えたのが救いだった(以後最後までクイーンの曲が店内に流れ続けていた)。
プレイの影響でもう女でもいいじゃねえかと思っていた最中、耳を傾けると「We Are The Champions〜」と頼もしい歌声が聴こえて来た時は心の中で「なんのチャンピオンだよww」とツッコんだし心強かった。
「俺は男なんだ」そう思った。
・女らしい振る舞いは一日にしてならず
12月の寒い日だったがなぜか暑かったため服装による寒さは気にならなかった。なんでだろうな。
でもここまできたら女性らしく歩きたい。すれ違う女性を参考に真似をしてみるが自分でもぎこちないとわかる。ヒールも悪さをしていてかなりおぞましい姿だったろうな。
アレだ。『メタルギアソリッド』で女性隊員のメリルは歩きを男らしく出来てなかったけどアレの逆バージョンだ。メリルができなかったのに俺にできるはずもなかった。
ノリでコンビニに入って飲み物を買ったけど、店員さんのドン引きした顔が今でも忘れられない。そうだよな、わかるわかる。
外は寒いだけでなく風も強かった。
こうなると少し長めの髪型が乱れていないかものすごい気になった。身だしなみは大事だ。たとえそれが女装だとしても。
そうなると必要なのは手鏡だが、元々そういうのを持つ人間ではなかった(たまーにいるよね)。
仕方なく誰もいないガラスの前で髪型を確認し少し直した。外出時間は30分と短めにしたが、もっと長時間外にいたら化粧崩れでも不安になってたはず。
電車内では鏡を見ながら髪や化粧直しをしている女性をよく見かける。個人的にマナーとして良くないんじゃない?とは思うが気持ちは理解できるようになった。
・おわりに
化粧落としをして終了。帰際にTwitterの女装アカウント開設をめちゃくちゃ勧められたがごめんなさい。
はてな匿名ダイアリーに書いたからゆるして。