はてなキーワード: 原罪思想とは
まず反出生主義には、アンチ「出生主義」と、「アンチ出生」主義の2つがある。
そして日本語の「主義」という言葉自体に大まかに「国家や地域の運営方針」「個人もしくは集団の主張・思想」の2つがある。
の2つが存在するわけだ。
そしてこの2つも別に「子供を沢山増やすと国家がたち行かないぞ(一人っ子政策)」 「人間が存在していることが間違っている(ある主の原罪思想)」の2つだけという訳じゃない。
特に主張や思想は多岐に渡り「人生で得られる幸福を不幸が上回ってるから産まれてこない方がマシ」 「セックスはキモいからこんなことをするぐらいな滅んだほうがマシ」 「親ガチャ時代ガチャといった理不尽を子供が許容できる事前承認も得てないのに生命を作るな」 など個々人ごとの多様な考えが展開されている。
そしてこれがアンチ「出生主義」になると出生主義自体をどういうものとして捉えるのかについての議論が始まり更に状況は混沌とする。
なぜなら「出生主義」自体が上にあげた「アンチ出生」主義の様々なパターンを持っていうえに、それに対してアンチテーゼや対立政策を投げかける理由もそれぞれで違うからだ。
つまり、「A」を批判するために「B」を持ち出すという状況における、「A」「B」の中身がそれぞれいくらでも存在しており組み合わせ無限大状態なのだ。
「反出生主義」と一口に言ったときに、それが何を意味しているのかを整理しなければ全く別のものについて皆で議論することになるわけだ。
こんなのは「田中ってヤバいよな」といきなり語りだして、どの「田中」を指しているのかを誰も確かめることなく延々語り合うようなものだ。
話す内になんとなく「あれ?俺の考えてる田中と違うんじゃね?」と違和感を覚え、確かめてみたら結局全員が違う「田中」について愚痴や擁護をしあっていたという虚無空間が誕生する未来は確定事項とさえ言える。
マジで、何度でも言うが、「反出生主義について語りだすときに、その反出生主義の内訳を最初にちゃんと定義しないやつは相手にする価値のない馬鹿と断じてしまって問題ない」が現状だ。
ヴェーバーなんかは初期資本主義とカルヴァン派の予定説に駆り立てられ救われていることを確信するためにがむしゃらに働く人々がいたこととの関連を指摘したわけだけど、やっぱ極端な性悪説としての原罪思想自体が強い感じはあるね。
そもそも人間が全て罪人であり間違える存在であるという発想が根底にあると失敗や間違えることを恐れずに挑戦しようという気にもなるだろう。
アメリカでなぜトランプが少しの間でも大統領でいられたかというのもやはりアメリカがキリスト教信仰の根強い州の多い国であり、州によっては人間が神によらず自力で正しいことができるというポリコレの発想に拒否反応があるからだ。
逆に正しいことを目指すのではなく、人間がそれぞれ自由にやった結果、見えざる手によって上手く行くという自由と市場を信じる考え方とは相性がよくアメリカが資本主義の絶対勝者であり続けるのは当然のことだろう。
またアメリカというのは中絶が選挙の重要な争点に上がったりする国であり、依然としてアメリカではキリスト教は政治を揺るがす一大勢力であり続けている。
バイデンがこれをどこまでひっくり返せるかは注目すべきところだが、平等になりすぎたアメリカというのは思想的な強みを失って日本並みの低成長に陥るのではないかと少し危惧している。