はてなキーワード: カンボジア政府とは
カンボジアのコロナ対策が、あまりにも日本と違うので興味を持っていただけたらと思い日記にします。
この1年間、カンボジアのコロナ感染者は約500名で死者ゼロ。多少のクラスター発生はありましたが、速攻封鎖&関係者全員PCR検査で大きく感染拡大することはありませんでした。なので、東南アジアの中でもコロナの封じ込めが成功している国と言っても過言ではありませんでした。
2月20日の数日前、ドバイからプライベートジェットで中国の金持ち4人組が入国しました。
カンボジアでは、入国時のPCR検査と2週間の強制隔離が義務づけられており、この金持ちグループも例にもれず、指定されたホテルに移送されました。しかし、彼らは警備員に賄賂を払い脱走、その後プノンペンのとあるクラブで2月20日に行われたイベントに出席します。最悪なことに、彼らがPCR陽性だと判明したのは脱走してイベントに出席した後だったのです。
どうやらそのクラブイベントは中国人コミュニティ主催だったらしく、コロナ感染者のほとんどは中国人でした。さらに、クラブイベントの出席者が地方のホテルで行われた大規模な結婚式に出席、そこでもクラスターが発生。あれよあれよという間に、カンボジア全土でコロナが広がっていきました。
当初、感染者のほとんどは中国人でしたが、今度は縫製工場、市場というカンボジア人の生活の中心地でも感染爆発。最近はほとんどカンボジア人がコロナに感染しています。
今年の2月20日までは約500名ほどだったコロナ感染者は、4月29日時点で11,761名(うち11,210名は2月20日事件に端を発するもの)、死者89名となっています。
カンボジア政府が行っているコロナ対策について挙げていきます。日本でやったらえらいことになります。
2週間ほど前にプノンペンがロックダウンするらしいというニュースが流れ、まもなく政府から正式にロックダウンが発令。当日夜に施行されました。
仕事をしている人は通行証を見せればバリケードを通れることになっているものの、そのフォーマットがコロコロ変わる。新しいフォーマットで持参しても現場の役人がそれを知らず通行できない。
■夜間の外出禁止令
20時〜朝5時まで緊急事態以外外出禁止。すべての店も閉店。なぜかルールを守らない人が未だにおり、毎日のように違反者が逮捕されたというニュースがながれています。ある警官は夜中に家の前で飲み会を決行。見回りにきた警備員に暴言を吐き懲役1年に処せられました。(執行猶予がつくのかは知りません)
飲酒の伴うパーティーでコロナ感染が起こるという予想に基づき、すべての店でアルコールの販売が禁止されました。
■市場の閉鎖
ロックダウン後しばらくして、プノンペンの野菜卸売市場が閉鎖。その後すべての市場閉鎖指示。市場で働く人は全員PCR検査。15分で結果が出るキットでどんどん検査。どんどん陽性者が増えていく。
カンボジアには自宅に冷蔵庫がなく、毎日近所の市場で買い物している人がまだまだ多いです。そんな人達にとって市場の閉鎖は死活問題。各地で闇市が開催されているようです。
市場を閉鎖してすぐに発令されました。良い政策なんですが、よくわからないのが配布方法。あるエリアの貧困層を集めて、「配布式典」なるものを開催。みんなで写真を撮るという謎な方式。密ですよね。
無料でもらえるので文句言えないですが、写真を見るからにもらっているものは大量の米、魚のトマト煮缶詰、インスタントラーメン、調味料っぽいやつ…。栄養大丈夫か心配です。
■区画の色分け
一番新しい対策。ロックダウン下のプノンペンをレッド、オレンジ、イエローの3色にゾーン分け、それぞれで制限の内容を変えるというもの。
レッドゾーンは基本家の外に出るのも禁止。「家から出たら逮捕する」と叫びながら警官が見回っているようです。
オレンジゾーンは週3回までの買い物は許可されています。ちなみに私の住んでいるエリアはオレンジです。
イエローは割と移動できる。
とまあ、だいたいこんな感染対策をおこなっています。カンボジア政府からの指示は基本カンボジア語。しかもなぜか書類をスキャンしたっぽい画像なので翻訳ソフトにかけることもできないというクソ仕様。でも日本人会のどなたか(多分偉い人)がフェイスブックで指示の翻訳をしており、とても助けられています。
現在、1週間に1度くらいしか外出していませんが、日本ではありえないことを体験できているので、個人的には楽しくやっています。