2022-10-17

裕福

あなた生活保護いいんじゃないかしら。」

 手の綺麗な女から一言が忘れられなかった。

 オフ会で会った港区出身現住、三十代後半白いニットふわふわ女。

 ボランティア趣味でガキが二人いて、洒落レストランでメシを食うのが好きらしい。

 あと『困ってる人へアドバイスした素敵なあたし♡』の感情公然猥褻オナニー趣味

 たいそうなご趣味である

 

 私は田舎出身関東現住、二十代前半の独身である趣味書道読書、特技はメシ作り。好きなおかずは機械姦モノである

 家族が大好きで笑顔を見たくて美味しいものや便利なものお金)をプレゼントするのも好きだった(義務だった)。

 唐突だが、大好きだった家族を紹介したい。

 母親うつ病でよく自殺未遂する。気を引くのが趣味座右の銘は『一緒に死のうね』。父親アル中趣味子ども虐めること、5ちゃんねる。

 私が子どもの時は給食費学費もほぼ払わず、服は両親がゴミ捨て場から拾ってきた服を着ていた。

 今思うとお手本のような毒親だった。

 大人になってから下宿して働いていたけれど、時々4人家族集まってなごむ実家が好きだった。暴言を吐かれても好きでいたかった。

 それでも親から包丁・弟からバットを向けられると家族愛より死の恐怖が勝ってしまう。

 両親への仕送りを止めることを伝えると以下の書類要求された。

 ・私から両親に連絡を取った場合罰金する承諾書

 ・私が事件に巻き込まれても両親は関わらない承諾書

 ・私が死体になっても両親は関与しない承諾書

 作成してサインをして上京して、縁を切った。

 ロクでもない奴が両親だったむなしさを知った。

 こんなちょっぴりナーバスな時、元々約束があったオフ会港区ババアに軽すぎるアドバイスされるとさすがにイラついてしまった。しばらく服を新調していなかったので身なりの隙があったのもしれないけれど。

 ただ生まれた時から地位も余裕も普通家族を持っている人たちとの差に絶望していても人生は止まらない。私がうつ状態だろうが解離で記憶がぶっとびがちだろうと楽に死ねないのだから生きていくしかない。抗うつ薬仕事パートナーになった。

 生活力が低いことに気付いたので、まともな料理の仕方・片付け・都会での身の振り方を勉強した。YouTubeのおかげで当たり前が勉強やすくてラッキーだった。節約につながった。

 上京して一年働いて百万貯金した。生活保護をすすめられた女でもなんとでもなれた。正社員キャリアも続けられた。

 経済的不安も少なくなり、自信も取り戻しつつあった。それでも港区ゆるふわババア一言が忘れられなかった。

 たった五分話しただけ、失礼でどうでもいいはずの奴への憎しみが頭から離れなかった。

 今はどうでもいいはずの怒りをどうにかしたくて虐待支援養成講座を申し込んで支援側の勉強をした。

この勉強大正解だった。私はあの一言にどうしてひどく傷つけられたように思えたか理屈理解できた。

支援者と相談者の非対称性に注意』

 支援者と相談者の立場に差があるから、気をつけて話を聞いたり、話をしましょうということだ。

 港区女と私は支援者と相談者ではなかったが、裕福で都会出身家族がいるマジョリティ成功者から言葉は、貧しく田舎出身孤独マイノリティに刺さった。勝ち組負け組意識しないようにしていても勝ち組から言われたことは正しいように無意識で感じてしまった。

 彼女が何を考えていたのかは知らない。でも勝ち組彼女から一言がつらかった。私は何もできず、恥ずかしい生き物だと烙印を押されたようでつらかったと自分の本当の感情を認められたら怒りは消えた。

 

 貯金もあり余裕ができてきた今、友達バーで飲んだり、お高めのデザインが良いトレーニングウェアを買ったりと人生の楽しさを噛み締めている。

 

 普通の人から見ればキャリア生活も足りないように私は見えるのだろうなと思う時もある。自分常識知らずなことな欠点がイヤで夜に発狂することもある。

 港区彼女を考える。SNS投稿と五分話しただけでは彼女のことは全くわからない。どんな性格なのか、どんなことが好きなのか。分からない。

 ただ港区彼女も私も、日常を過ごしていくし

 日常のために見たくないものを見ないし

 聞きたくないことを聞かないし

 ただ生きていくのだろうなと雨を見ながら思う。

 私が彼女を知りたいと思うことはもうない。

  • にんじん じゃがいも 味噌 無洗米(余裕があれば) カット野菜

  • 弱いおじさんの自分語りってこの世で一番面白くないよね

    • 元増田頑張ってると思うけど 理不尽な目にあったのが不運なだけじゃん どこがダメだったんだよ

  • 今日一番ツマラナイ創作増田

  • 1字下げ増田だ

  • これは何の共感も集めませんわ

  • >ただ港区の彼女も私も、日常を過ごしていくし日常のために見たくないものを見ないし聞きたくないことを聞かないしただ生きていくのだろうなと雨を見ながら思う。 単なる一個人...

  • いいな話だな~~

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