何故これを読むとモヤモヤするのかを考えました。
昨晩110番を利用してしまった。帰宅途中20時くらいに住宅街で結構小さい子(小1~2年くらい)が泣きながら一人で歩いていた。迷子か何かかと思って声を掛けようと思ったが「声かけ事案」とか言われても困るので声を掛けられなかった。かといって放置するのも困るので仕方なく110番した。— たーさま (@JA1DHJ) 2014, 1月 8
『昨晩110番を利用してしまった』だけなら違和感のないこの文章、最後まで読むと、溶けきれずに残った被害者意識が浮かび上がりまくりです。このツイートの主張は「俺は子供を助けようと思ったけど『声かけ事案』のせいでできなかった。俺の良心は困っている。俺はすごく苦しみ抜いた挙げ句、苦渋の選択の果てに110番した」と言うことです。言い換えると「俺はこれだけの犠牲を払って正義を行ったんだ」と言う主張です。そこまで困るなら誰も頼まないと思うのに、良心を理由にして、非常に自分にとって気持ち良い形で傷ついています。
つまり、別に頼んでもない自己犠牲を行ったあと、自分が傷ついた理由を気持ちよく演出してるわけです。以下のツイートは「迷子の子が救われないことで心を痛めている俺はなんて可愛そうなんだ」「心配が理解されない俺ってなんて可愛そうなんだ」って思いしか感じられません。
110番は緊急通報で「警察への電話窓口」ではないが、場合によっては事件に巻き込まれかねない時間帯だし問題ないだろうということで通報したがOPに「最寄りの交番まで連れてこられませんか?」と言われた。それはムリだ。「事案」とか言われるのが怖くて声かけられないから通報したんだし。— たーさま (@JA1DHJ) 2014, 1月 8
その旨伝えると、大丈夫だからといわれたが、そりゃOP(女性)の視点ではそうかもしれないが男が声を掛けると何言われるかわからない世の中。例え通報を証拠として「不審者ではない」と言ったとしても「通報しておいて正常者のフリ」とか言われかねないし実名報道されたあとでは後の祭りである。— たーさま (@JA1DHJ) 2014, 1月 8
人生を一瞬で棒に振りかねないそのリスクは到底負えない。その時子供から20mくらい離れた位置で立ち止まってチラチラ子供見ながら電話している事すら、すでに何言われるかわからないリスクだ。はやく通報終わらせて立ち去りたかったが、OPがいろいろいうのでなかなか話が終わらなく困った。— たーさま (@JA1DHJ) 2014, 1月 8
最終的には「最寄りの交番から警察官を行かせるので、せめてそれまで近くで見守っていてあげてくれませんか」と言われた。わかってないなあ。近くに立ち止まって子供を見ているのなんてそれこそ「不審者通報」だよ。当然断るしかない。OPは女性だからその恐怖がわからないんだろうなあ。— たーさま (@JA1DHJ) 2014, 1月 8
最後は「一分でも早く警察官に保護させてください」と押し切ってその場を立ち去った。10年前なら間違いなく声をかけて交番に連れて行ってあげたが、今は男がそんな事をしたら何を言われるかわからない。残念で気がかりではあるがその場を立ち去って帰宅。その子がその後どうなったかは、知らない。— たーさま (@JA1DHJ) 2014, 1月 8
その場を立ち去ったのは自分の身が心配だからでしかありません。わざわざ『残念で気がかりではあるがその場を立ち去って帰宅。その子がその後どうなったかは、知らない』と書いたのもまた「俺の良心が可愛そう」アピールでしかありません。
そして被害者根性や弱者アピールに続きます。もちろん、それは自分が気持ちよく傷つくための発言です。
子供自体も、親から何を言われているかわからない、という面がある。「事案」を警戒しているがゆえに、子供に「知らない男性から声をかけられたらすぐに大声を上げなさい/緊急ブザーのヒモを引きなさい」とかいわれ、男性への恐怖心をすり込まれている可能性だって充分ある。— たーさま (@JA1DHJ) 2014, 1月 8
「人が通る道に戻って通りすがりの女性に対応をお願いする」という手もあったが、これすら「見ず知らずの男に急に声をかけられる」ということにどういう反応をされるかわからない。何しろ証拠がなくても女性が「痴漢された」と言ったらそれだけで成立してしまう世の中だからねえ。— たーさま (@JA1DHJ) 2014, 1月 8
理想論を言えば「自分が犯罪者にされるリスクを冒してでも小さな子を守ってあげるべきだった」という事になるのはわかるが、現実問題そんなリスクを冒す事はできない。道交法違反だとか、たすけるために他人のものを無断で使用した、という性質の罪とは違うわけだし。— たーさま (@JA1DHJ) 2014, 1月 8
これらの発言は「こんなリスクが考えられるんだ!」という主張ではありません。と言うかこの人はリスクではなく確定で被ることだと思って書いてます。冷静にリスク分析をするのであればポジティヴな考えも挙がってくるものですが、ここまで一切ネガティヴな意見しか述べていません。最初からダメな方向しか考える気がなく、それは何故かというと、それだけ自分が社会で虐げられているのだという弱者アピールによる快感を得たいのが目的になっているからです。
OPの対応も「あんたの人生なんかどうなっても良いからその子助けてあげなさいよ」的な雰囲気が伝わってきた。今の日本社会、男の人生や命って安いんだよね。男女平等とか笑い話だよなあ。— たーさま (@JA1DHJ) 2014, 1月 8
「現代日本で傷ついている男の俺ってこんなに可愛そう!!」と主張するネタとして、やたら主語のでかい主張がしたかっただけです。迷子の子供はその主張を行うためのダシにされたわけです。憂いながら傷ついてる風のこのツイートはさぞ気持ちよかっただろうと推測されます。年齢から察するに、全盛期の2chでは男女板の住人だったのでしょう。
また、ここまでつらつらと自分にとって都合の良い具体例を挙げていたにもかかわらず、オペレータさんの対応については『「あんたの人生なんかどうなっても良いからその子助けてあげなさいよ」的な雰囲気が伝わってきた』としか記述していないのが不自然です。ここは「OPの口調もだんだん投げやりになってきて」みたいな例を挙げて『「あんたの人生なんかどうなっても良いからその子助けてあげなさいよ」的な雰囲気』がどのように伝わってきたかの説明が入るべきですが、具体的にどのような感じであったのかの描写がありません。なぜなら「今の日本社会、男の人生や命って安いんだよね。男女平等とか笑い話だよなあ」と言いたかっただけだからです。
これって「自分が溺れるかもしれないけれど川に飛び込んで溺れた子を救助してあげる」ってのとは違うんだよね。そっちならやったかもしれない。けれど迷子を助けようとして「声かけ事案」とか「不審者」扱いされ、子供にも親にすり込まれた男性=不審者の教育で過剰反応して泣き叫ばれたらかなわん。— たーさま (@JA1DHJ) 2014, 1月 8
これは大げさな話ではなく、実際に某ブログで、子供に「知らない男に声を掛けられたらすぐに警報のヒモ引いて鳴らせと教えている」という記載があったんだよね。それが誤解だったとしても、子供が犯罪に巻き込まれるよりはマシだから、という記載で、相手の男性への被害は全く考慮されていなかった。— たーさま (@JA1DHJ) 2014, 1月 8
ここも別のモヤモヤポイントで、この人にとって「某ブログ」がそのまま世界の常識全体の真実になっています。これは単に自分にとって都合の良い事象だけを選んでいるに過ぎません。
たぶんこの手の女性視点では「間違いなら警察で説明して誤解が解ければそれでいいじゃない」くらいにしか考えていないんだろうね。その時点で実名報道されたり警察に連れて行かれる事によるストレスや仕事を休んだりする社会生活への影響は考慮されていない。男側の被害なんてどうでも良いのだろう。— たーさま (@JA1DHJ) 2014, 1月 8
そしてこのシメは大嘘です。
というわけで、非常に後味の悪い対応になってしまったが、そういう世の中だからなあ。もうどうにもならんよ。せめてあの子供が無事に保護され、家族の元に帰れた事を祈るばかりだ。— たーさま (@JA1DHJ) 2014, 1月 8
余談だが、昨日の迷子、管轄の警察署から電話あった。無事保護されて親の元に戻れたらしい。どうも本来子供がいるはずだった場所とかなり離れたところで発見されたらしく、無事見つかって親は凄く喜んでいてお礼の電話したいので電番教えていいかと言われたが断った。— たーさま (@JA1DHJ) 2014, 1月 9
子供の発見場所も、僕が通報した場所から結構離れていて、再度ロストしてもおかしくなかったようだ。そして付き添ってあげなかった事を疑問視されている空気がある。感謝といいつつ本当は半分不審に思っているのでは無いかと邪推してしまうほどだ。— たーさま (@JA1DHJ) 2014, 1月 9
いずれにしても、お礼だったとしても、もうあまり関わりたくないと思った。この件ははやく忘れたい。再度同じような子を見かけても、もう通報する勇気は無いかもしれない。子供が泣いているのをたすけるという単純な行為がこんなに大変なものだとは思わなかった。— たーさま (@JA1DHJ) 2014, 1月 9
「祈っていたことの結果」が「余談」になっています。やはり本題は「子供の安否」ではなく「社会的弱者である男の俺は可愛そう」という所です。
あるいは「せめてあの子供が無事に保護され、家族の元に帰れた事を祈るばかりだ」であれば「あの子は親の元に戻れて良かった」のようなツイートが見受けられても良いのですが一切ありません。それは「せめてあの子供が無事に保護され、家族の元に帰れた事を祈るばかりだ」が飾りであり、結論は「そういう世の中だからなあ。もうどうにもならんよ」であるからです。そして「そういう世の中で生きてる男の俺は良心が発揮できずに可愛そう」という主張を改めて行っているわけです。
とまぁ、長々と書いて再認識したのですが、俺にとってのモヤモヤの原因は「迷子の子を交番に連れて行くのにはこんなにリスクがある!」の皮を被った「現代の男性は虐げられている! 俺は可愛そうだ! 俺は良心があったのに社会のせいでそれを実現できずに困っている俺は超可愛そうだ!」と言う気持ちが透けて見えるあたりなのかな、と思いました。
痴漢冤罪のように、ある種の誤解や悪意が男性にとって著しく不利である事は事実です。また、冷静な判断のできない警察や頭のおかしい人の親が世に存在するのも事実です。ですが、本件についてはそれを恐れたフリをして、ただ単に男性が弱者であるという主張をしたいだけだった、という匂いを消せなかったのがまずいと思いました。
また、リスクという言葉を便利ワードにして、何も信用しないのが良くないです。リスクという言葉を使うのであれば、それを回避する方策も含めて、どうすればよりよい方向に事態を打開していくのかを考えるべきで、本件においてはリスクと言いながら「痴漢冤罪」と「声かけ事案」の悪いところ取りをしたケースを勝手に確定で想定してるだけに過ぎませんでした。
正解としては「迷子の子を見かけたけど警察に連れてくと面倒なことになりそうだから通報だけしといた」で終わらせるのがベターであり。ベストなのは心の中にしまっておくことです。
内容はどうでもいいんだけど、 益田ってJavaScript使えたのか? Twitterの引用初めて見た。