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輪島の完全孤立集落「情報ないんです」 徒歩で訪ねた記者が見た現実
毎日新聞 2024/1/12 20:27(最終更新 1/12 23:05) 1993文字
被災者たちに何度も言われた。「外でいったい何が起こってるんですか?」「ここまで報道機関が来たのは初めてだよ」
能登半島を激しく揺さぶり、住民を混乱に突き落とした元日の大地震。山がちな半島では孤立集落の解消が遅れ、取り残された住民は苦しい生活に耐えてきた。中でも石川県輪島市の北岸にある西保(にしほ)地区は、徒歩でも行き来するのが極めて困難な孤立集落が点在。11日になってようやく空からの救出活動が本格化した。本紙記者2人は10日、被災地に支援物資を主に徒歩で届けている男性に道案内を頼み、西保地区に入った。
住民が避難生活を送る公民館に足を踏み入れると住民がわらわらと駆け寄ってきた。口々に「情報がないんです。新聞を読みたい」。公民館に勤務する中嶋恵美子さん(65)によると大沢町には従来、60世帯100人ほどが暮らす。元日は帰省者が多く150人以上いたとみられる。訪ねた時点では30人ほどがヘリで避難済みだった。
取材中には神奈川県警のヘリが降りてきた。「迎えが来た?」「乗れるの?」と期待する老若男女20人ほどが集まってくる。この時はドローンで薬を運べるかどうかの調査のための来訪だった。帰省中に孤立を余儀なくされた人たちを中心に約40人がすぐに脱出したいと順番を待っていた。
https://mainichi.jp/articles/20240112/k00/00m/040/311000c
ファフナーとか最終兵器彼女の「島以外は戦地になって崩壊してるが、島民は外の様子が全くわからない」ネタってガチでやれるんだな
大学時代の話。
ある日学寮で数人の寮生と共に留学生と雑談をしていたとき、彼の出身地が話題に上った。
恥ずかしながら浅学なもので、アルジェリアという国がどういう国なのか、想像が及ばない。
モロッコあたりならこう、『カサブランカ』のイメージで、いやそれだってフィクションの中の一都市でしかなくて失礼な話だが、まあ、なんとなく。
誰ぞ気の利いた話題をひねりだせないもんかと他の学生に目を向ける。
え? どこやっけそれ。
しかもひとりではない。仮にも旧帝国大学の学生のくせして、アルジェリアの位置を把握していない人間がぼろぼろいやがるのだ。
まあ、慣れているのだろう。アルジェリア人の彼は自国の位置を説明してくれる。だがまだ終わらない。
あろうことか目の前に居るアルジェリア人の彼が黒人でないことに驚くのである。
なに言ってんだこいつ。
アフリカ北岸は古くはローマ帝国の版図でその後はずっとイスラムの支配圏だったろうに。
選択科目の関係で習ってないにしても、ではまさかハンニバルが黒人だとでも言うのか。
だが俺が呆れかえるより早く、周囲の人間が膝を打つ。あ、ほんとだなんでなんで。
ヨーロッパとは内海である地中海を隔てているに過ぎず、シリアと地続きで、黒人の版図との間にはサハラ砂漠が立ちはだかるあのアフリカ北岸なのだ。
自分の周囲にホワイトアフリカとブラックアフリカの区別のつく人間がひとりもいないという事実に愕然としつつ考える。
旧帝の一角たる国立大ですらこのザマだ。私学など恐るべき状況に違いない。
三教科入試など序の口、幼稚舎エレベーターやら帰国子女枠やら意識高い高いAO枠やらの跋扈する人外魔境である。
ここに至ってようやく俺は気付く。
高学歴の人間に教養を期待するのはてんで的外れである、ということに。
しょせんデータベースとして蓄えられる知識なんぞより、それら知識の有機的結合から導き出される中学生でも納得できるような当然の推論の組み合わせ(つまるところ要するにまあ教養)のほうがはるかに広範囲に及ぶ。
あれはお受験というふるいに対して、どれだけ最適化されているか、抜け道近道を知っているかでしかないのだ。
結局、学歴とは能力の指標というよりも既得権益の可視化という性格のほうが強いのだ。
名前を書けば最寄の高校に入学できるクソド田舎の公立中学から始まって、ずいぶん長い間くだらない幻想に囚われていた。
こんな程度のことに気がつくのに馬鹿みたいに時間をかけてしまった。
おかげで論理的思考だとかリベラルアーツに努力値極振りしていた俺は当然の結果として就活に失敗するのである。
なおこの後クッソド田舎な地元の飲食店でバイトして、自分の先入観からずれた発言はどんなに滾々と事例をあげて諭そうと一顧だにしない低学歴の人間にふたたびカルチャーショックを受けるのはまた別の話。