はてなキーワード: ねじめ正一とは
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なのに文筆は持たざる者でも一発逆転できる分野かのように言われてきた
ディスるわけじゃないが、先輩が持ちかけてくる話には、ロクなものがない。
荷物を人から受け取って、コインろっかーに入れるだけで3万円もらえるとか、百科事典を書き写すだけで時給5千円だとか。
どれもこれも、怪しいアルバイトの話ばかりだった。
アクマでも噂にすぎないが、先輩にやくざの知り合いがいるという話は、本当なのかもしれない。
これまで僕が断り続けてきた、そんなバイトの話。
その理由は2つ。
第一に、高校を辞めて、ポプテピピック2期ぐらいしか楽しみのない、暇人中の暇人だったこと。
第二に、青白くうらなり顔の をふくろに死なれたばかりで、非常に金に困っていたことだ。
当時の僕にとって、暇もつぶせて、時給3500円、という条件は、あまりに魅力的だったのだ。
先輩からバイト用の携帯を渡され、雇い主に連絡すると、詳しいアルバイトの内容が分かってきた。
(先輩にも同内容のメールが来たようだが、BCCか、先輩の連絡先は表示されなかった。)
シフトに入った時間中、携帯に短文のメッセージが送られてくる。
そこに助けを求めるような内容や、警察への通報を促す内容が書かれていたら「NG」ボタンを押す。
特に問題がなければ、「OK」ボタンを、判断に迷ったら「?」ボタンを押す。
やるべきことは、たったこれだけ。
ボタンを押す作業は、1分以内にやらないと、ペナルティで給料が大幅に引かれるし、3回ミスしたらクビだ。
そのため、まずもってシフト中は携帯に気をつけなければいけない。
それ以外は、どこで何をしても良い。
なんとも楽なバイトだった。
「警察」とは穏やかじゃないな?と思ったが、「バラエティ番組で芸人をカンヅメにする企画」と聞いて、一応、納得がいった。
いや、僕は、単に金に目が眩んでいただけなのかもしれない。
バイトが始まった後も、雇い主と一切顔を合わせないことに、全く疑問を持たなかったのだから。
バイトを始めた当初は、「NG」相当のメッセージばかりだった。
「ここから出してくれ」だの「誰か警察に通報してくれ」だの…。
何日かバイトを続けると、それもおさまり、「OK」なメッセージが来るようになった。
内容は、ほぼ全てがダジャレ。
お笑い好きの僕(好きな芸人は、銀シャリだ。)に言わせれば、この芸人は、とてもじゃないが売れそうにない。
いつしか僕は、このお笑い芸人さんのことをオーさんと勝手に名付け、気にかけるようになった。
3週間(雇い主の言い方でいえば、0月03週)がたち、バイトにもなれてきた頃、ふと頭に残っていたオーさんのダジャレを検索してみた。
ヒットしたのは、はてなブックマーク。
はてなブックマークでは、オーさん以外にも、ダジャレを投稿する人が目立つ。
その一人が、ジェイさんだった。
この人と比べると、はっきり言って、オーさんなんて、どサンピンだ。
がんばれ、オーさん。
その後も長い間バイトを続けると、オーさんのネタのクオリティは、見違えるほどに向上した。
オーさんは、もはやジェイさんに並び立つほどになっていた。
面白いことは面白いのだが、オーさんのように、見違えるほどの上達はない。
オーさんが至高のダジャレに近づきつつある今、ジェイさんこそが、究極のダジャレを完成させられるはずなんだ…。
ニュースを無言ブクマしたり、「ふーむ」だけ書いてる場合じゃないんだよ…。
僕は、イライラを募らせた。
ジェイさんには、ダジャレのための時間と、切実さが足りないんじゃないだろうか?
そうだとすれば、僕がそれを補ってあげれば良い。