2023-02-16

イーロン・マスクテスラ成功してTwitter成功しなかった理由

イーロン・マスクテスラ社で成功してTwitter社で成功しなかった理由は、テスラ社とTwitter社では適切な行動(リスクの取り方・試行錯誤のやり方・リーダーシップスタイル)などが異なるのに、テスラ社と同じ仕事のやり方をTwitter社でもやっていたことだと思う。

リスクの取り方

テスラ

「古いガソリン企業(トヨタGM)に挑む革新的EV専業ベンチャー」という立ち位置企業だ。

なので、

Twitter

SNS業界ではトップ企業に近い。自動車でいうとトヨタ。なので、

結果

企業立ち位置が違うのだから、それに合わせたリスクの取り方・振る舞いをすべきだったのに、マスクはしなかった。

結果として世界規模に影響を与えるSNS企業CEOとして評判を毀損したし、それがTwitter自体の評判の毀損もつながったと思う。

試行錯誤の仕方

テスラ社・スペースX

事業の肝は物理的な仕組みだ。EV走行システムロケット打ち上げシステム・機体など。

物理的な仕組みに対しては実験がやりやすい。何かを試した後もとに戻しても物理特性や反応は変わらないからだ。コイルの巻き方を変えて性能が下がってので巻き方をもとに戻したら、物理法則が変わって、変更前のパフォーマンスに戻りませんでした、とかはない。

なので、テスラ社では、アナウンスなしで、矢継ぎ早に、いろんなことを実験するのが、試行錯誤のやり方として良い、ということになる。

Twitter

事業の肝は「TwitterというSNSを多くの人が使ってくれること」だ。

なので実験をやるなら気をつけないといけない。人は実験したあとにもとに戻しても、前と同じ反応を示すとは限らないからだ。例えば、API連携をほぼ廃止した後ユーザーの反応が思わしくないので廃止前のAPI連携に戻します、といってもユーザー廃止前と同じように行動してくれない可能性が高い。

なので、Twitter社では実験をする前にユーザーにしっかり説明する必要があるし、あまり色んなことを矢継ぎ早に変えるのは良くない、ということになる。

結果

マスクテスラ社でやったようにTwitterサービスに「実験」を重ねた。うまくいかなければ元に戻せば良い、と考えている節がある(急に変更を戻したりするので)。

でも、人間相手サービスでは元に戻しても行動はもとに戻らない可能性が高い。結果的Twitterというサービスが「信用できないサービス」とみなされつつあり、そうなってしまうと実験前のサービスに戻してもユーザは戻らない可能性がある。

リスクの取り方とも関係するが、先進的な(リスク許容度が高い)ユーザーが選んで買っているテスラと違って、Twitterユーザーの幅がとても広く、リスク許容度も様々だ。そこを見誤ってしまい、ユーザーが感じるサービス信頼性を下げていると思う。

リーダーシップスタイル

リーダーシップ組織の状況の関係

適切なリーダーシップの取り方は組織の状況によって異なる、という学説がある。とある組織有効リーダーシップの取り方も、他の組織では有効ではない、ということ。

組織リーダーシップの相性を診断するやり方としてフィードラーモデルが有る。 3つの観点から組織を見て、「タスク志向型」「人間関係志向型」の2つうち、どっちのリーダーシップが適切かを判定する。

  1. リーダーメンバー関係の良好さ
  2. メンバー職務範囲の明確さ
  3. リーダーが部下の雇用や昇進に与えるパワーの強さ

マスクリーダーシップスタイルは、一貫して、指示型でタスク志向型に見える。

まり権限委譲せずにメンバーに対してやることを指示するし、人間関係よりも組織としてタスクをこなすことを重視する。そしてハードワーキングを求める。

テスラ

典型的ベンチャー企業

  1. 関係は良好。マスクと働きたくてわざわざベンチャー企業入社しているので
  2. 職務曖昧ベンチャーから
  3. パワーは強い。ベンチャーなので という感じだと思う。この環境ではタスク志向型が有効

さらに、社員モチベーションは高いしハードワーキングに対する許容度も高い。わざわざベンチャー企業就職しているのだから

なので、テスラ社ではマスクリーダーシップ機能したのだと思う。

Twitter
  1. 関係は悪い。半ば乗っ取りだったし
  2. 職務は明確。大規模企業なので
  3. パワーは強い。マスク意向従業員の大量解雇とか決まったようなので

この環境では人間関係志向型が有効とされる

加えて、社員モチベーションは様々だしハードワーキングへの許容度は低い。Twitterが好きで入社している人・給与が高いか入社している人・安定しているか入社している人……色々な人がいるから。

結果的に、マスクリーダーシップスタイルは全く機能しなかったのだと思う。

結果

マスクTwitterCEOとしてリーダーシップを発揮するためには、もっとメンバーの心情に寄り添ったり、チームを心理的にまとめる行動を取るべきだった。

でもマスクテスラ社やスペースX社での成功があるので、変える必要を感じなかったのだろう。あるいは人間関係志向型のリーダーシップを取れないのかもしれない。

結論

  • 買収して半年もたってないぞ

  • 定性的に辻褄が合う説明ならいくらでもできる もうちょっと客観的な根拠挙げて説明してほしい

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん