2019-09-17

善意児童労働を推奨するゲーマーたち

キャッチータイトルつけたところで…

https://game.watch.impress.co.jp/docs/news/1207458.html

先日TGS2019にてパズドラチャンプオンズカップが開催され「ゆわ」選手が優勝しました。

で、上述の記事にもあるように当選手が賞金を貰えなかったことに対してネット上は非難轟々といったところ。

しかしながらそれらの批判に対してあまりにも感情論で語っている方々が多すぎるので素人適当にググって分かったことを書いていこうと思う。自分自身法律に詳しいわけでも今回の問題を昔から追っかけていたわけでもないので間違いがあればどんどん指摘してほしい。



まずシンプルになんで賞金を渡さないのかという部分から

これは簡単で優勝した「ゆわ」選手が保持しているジャパンeスポーツジュニアライセンス(以下Jrライセンス)の規約4.2.3に基づき、賞金を受領する権利放棄しているため。

https://jesu.or.jp/wp-content/themes/jesu/contents/pdf/agreement-license.pdf



そうは言ってもなんでJrライセンス保持者は賞金受け取れない規約になってるの?って疑問は残る。

これに関しては、もしも受け取れた場合労働基準法56条の児童労働抵触するから…だと思われる(JeSUから説明はない)

そもそもプロライセンス保持者はJeSU契約した「労働者」という扱いだ。「高い技術を用いたゲームプレイの実技又は実演を多数の観客や視聴者に対して見せ、観客や視聴者を魅了した」仕事に対する成果がとして「賞金(報酬)」が渡されている。

そのため優勝時点で「満15歳に達した日以後の最初3月31日までの間」である児童」にあたる「ゆわ」選手に対し賞金(報奨)を渡すと児童労働になってしまう。なので予め規約Jrライセンス保持者は賞金を受領する権利放棄させられている(んだと思う。くり返し言うがJeSUから説明はない)



じゃあ賞金が受け取れないJrライセンス意味なんてないじゃないかと指摘するのも最もだが、実際現時点でプロライセンス保持者は138人いるのに対してJrライセンス保持者は当該の「ゆわ」選手ひとりだ。プレイヤー側でもそう思っている人は多い証拠ではないだろうか。個人的には実力のある選手は年齢を問わず賞金が受け取れるのが良いとは思うのだが、現行の賞金は労働に対する対価であるという建前を通すなら、子役のように労基法56条の例外に定められている「演劇事業」にゲームプレイが含まれるようになるか、もしくはプロ棋士のようにそれぞれが個人事業主として独立してもらう他ないように思う。



かに優勝者が賞金を受け取れないという事実だけ見ると義憤を覚える気持ちも分からなくはないが、大抵の場合そこにはそれなりに妥当理由存在し、それらはちょっと調べればすぐに分かることだということを肝に銘じておきたい。特に今回の場合優勝者である「ゆわ」選手自身は賞金について何も不満を漏らしていないにも関わらず外野けが騒いでいたので特に気になった。

同様に賞金を満額貰えなかった「ももち選手問題と同列に語っている方が散見されるが、これは争点が別のため分けて考えたほうが良い。

「ゆわ」選手場合e-sports大会の賞金が「仕事の報奨」に当たるため発生した問題であり、

ももち選手場合プロライセンスの有無が原因で発生した問題

ここを混同していると理解しづらくなるので注意しよう。前者は労基法後者景表法ぶっちゃけJeSUを叩きたいのなら「ももち選手問題のほうがシンプルなのでそちらをおすすめする。



e-sportsというジャンルは「景表法」「風営法」「賭博罪」等々多くの縛りが存在し、特に賞金に関しては景表法をくぐり抜けて高額賞金を設定するために現在のような建前で運用されている。まだまだ法律e-sports自体も発展途上なものであるため、どうしても今回のような一見理不尽な事例は起こってしまうのだろう。しかしそういった事例を通過することで法律というものは洗練されていくのであって、その過程で叩き潰していては意味がない。そのためにも的はずれな指摘や勝手思い込みによる私怨などはプレイヤー側からも注意していける自浄作用を見せていかなければe-sports未来はないと思う。




以下上手いこと文中に入れられなかった指摘に対するアンサー

Q.賞金じゃなくて副賞とか上げちゃ駄目なの?

A.実際に「ゆわ」選手は副賞として優勝トロフィースポンサーからドラゴンブースト1年分、グリコアーモンドチョコレート1年分、ゲーミングヘッドセットATH-G1などを貰っています


Q.賞金を支払えない児童が参加できるのはおかしい。

A.これは最もで例えば賞金の発生しないジュニアリーグなどを開催しても良かったのではと思いますしかし今大会JeSUライセンス保持者にのみ限って参加できるものであったため、ジュニアリーグ参加者「ゆわ」選手1名とかになってしまます


Q.親に渡せよ。

A.未成年者でも賃金は本人に支払われることが労働基準法の59条で定められています


Q.海外だと〇〇歳の少年がこんなに貰ってるぞ

A.ここは日本です。


Q.JeSUが賞金を支払いたくないからわざと賞金を支払わなくていい中学生や未ライセンス保持者に優勝させたんだ

A.陰謀論



参考

https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=322AC0000000049

https://news.yahoo.co.jp/byline/takashikiso/20180212-00081525/

https://judiciary.asahi.com/outlook/2018081500002.html

  • 中学生棋士とか子役俳優がギャラ貰ってるのはどういうことなの?

  • 賞金に関しては景表法をくぐり抜けて高額賞金を設定するために現在のような建前で運用されている。 こう言ってJeSUが勝手なオレオレ法解釈でライセンスの押し売りを始めたのがそも...

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん