2019-02-03

https://kojitaken.hatenablog.com/entry/20190104/1546561548

コメント欄最初コメントがひどい。

このコメントを書いた論者はなぜこんなにも経済無知なのに、想像だけでこんなにも自信を持って経済を語れるのだろうか。まったく恐れを知らないとは恐ろしいことだ。

"ここ数年比較的景気が良かったのは,単に好調世界経済の「おこぼれ」に日本経済も多少は与れたというだけのこと"

本当に飽き飽きとするのだが、外需の変動で国内経済の変動を説明しようとするのはマスコミによく登場する「俗流経済論者」の典型である

一国の経済とは外需内需である

そもそも日本経済外需依存度が低いのは周知の通りだ。

国内経済の総供給よりも総需要が少ないとき、それが過剰在庫失業という形で表れる。それを「景気が悪い」という。

たとえば外需が増えても、それ以上に内需が減少すれば景気は悪くなる

外需が増えれば自動的に景気が良くなるというものではない。

したがって時の政権が、外需の増加以上に内需を「減らさなかった」のなら、その経済運営一定評価すべきことである

たとえば外需が減ればその分内需を増やして「国全体の需給のバランス」をつり合わせるのが「正しい経済運営である

この手の論者はおそらく「世界経済日本経済よりも遥かに大きいから、日本経済世界経済従属する」とでも思っているのだろう。

しかし、世界経済取引ほとんどは日本経済無関係であるというご簡単事実をわかっていない。

世界経済の中で、日本経済関係あるのは、日本外国の間の取引だけである

"そして,世界経済がひとたび傾けば,日本経済は真っ先に奈落の底に突き落とされる運命にある。アジア通貨危機リーマンショックの時と同じように。"

明確な根拠もなくいきなり日本経済「運命」名言されるとは驚くばかり。この経済予言者自分の知能にずいぶんと自信があるようだ。是非論文を書いてノーベル経済学賞を取ってもらいたいものだ。

どうして経済については空想ものを決めつけることが許されるのだろうか。

"これだけグローバル化が進んだ世界経済に,日本経済もがっちりと組み込まれている以上,日本一国限定経済政策で出来ることなど高が知れているし,世界経済の荒波に翻弄されるのは仕方のないこと。

今更グローバル化と訣別する訳にもゆくまい。「ソ連大恐慌の影響を受けずに順調に経済成長した」とはよく言われるが,当時のソ連のような国になりたいと誰が思うだろうか。"

上にも書いたが経済外需内需である

外需コントロールしにくいが内需政策的にある程度コントロールできる。

そして、金融政策の変更によって為替レートが変化すれば外需も変化する。

グローバル化と決別」などと、相手が言ってもいないことを捏造しなければ、自説を正当化できないのか。

金融政策財政政策を「適正」にして、国内経済の全需要と全供給バランスを取れと言っているだけの話だ。

経済政策的「無作為」か、「グローバル化と決別」するかというのは「偽の二択」である猛暑か極寒か選べというのに等しい。騙しのテクニックだ。

だいたいソ連を持ちだして論敵を貶めるのは冷戦時代赤狩りのやり口ではないか

"松尾匡など典型的で(マルクス経済学者だから当然だが),主著のタイトルが『不況人災です!』だもの。"

この論者の無知が端的に表れている。

松尾マルクス経済学であるのはその通りだが、リフレ政策ケインズ経済学的政策であることは、経済学をある程度知っている人間であれば常識である松尾が"不況人災です"と言いだすのは松尾が"マルクス経済学者だから"などと言いだすのはこの論者が批判相手の主張さえ政策理解していない証拠だ。 そもそもこの文章全体にケインズ経済学の「ケ」の字も出てこない。総需要管理政策批判するなら「敵」はケインズ経済学だ。この文章を書いた人間経済学を知っているのだろうか。だいたいこの論者はマルクス経済学をなんだと考えているのか。マルクス経済学不況人災とは言っていない。マルクス経済学では不況は「資本主義矛盾」によるものであり、資本主義を続けている限り避けられないとされる、その点ではむしろこの論者に近い。上記の「ソ連」といい反共意識でお手軽に論敵を否定しようという安易さが見える。

"現実主義的な「リベラル」なら,『不況天災,けれども「不況で人が死ぬ」のは人災です!』と唱えるべきだ。"

ろくに問題を学ばないで、ある政策が実行不可能であると決めつけるような知的に不誠実な人間自称現実主義的なリベラル」という人間なのだろう。ここだけはこの論者が全く正しいといえるだろう。

"経済無策と嘲笑された民主党政権下でも,金融円滑化法と地道な自殺対策が奏功して,高止まりしていた自殺者数を減少に転じさせた実績がある。

外的制約にがんじがらめで自由が利かない経済政策と違い,社会政策国内政治の「やる気」次第で充分可能なはずだ。"

社会政策も正しくやり、経済政策も正しくやればよい。

社会政策問題は、経済政策の是非を論じているときに持ち出す話題ではない。

先ほども書いたが、「偽の二択」は騙しのテクニックである

なおこのコメントはひどいものだが、それを理由リフレが正しいとは言えない。もっと知的にも倫理的にも不誠実なリフレ派は沢山いる。リフレを賛成するにも反対するにも最低限の知識が要るというだけのことである

  • 日本で売れるサービスを生み出せていないからどうもこうも経済が盛り上がらないのは当たり前です

  • ケインジアンに向かってネオリベと罵倒する愚か者がごろごろいるこんな世の中じゃ

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