「浜村通信」を含む日記

検索して調べても良いのだけれど、ここに書くとよいと聞いたので

2019-12-05

■デスストランディング　 感想殴り書き

「ソーシャル・ストランド・システム」は見事の一言。過酷な旅の末に進退窮まったかと思ったときに、他プレイヤーが残してくれた建設物に助けられた時の感激。
- 「いいね！」をこんなに純粋な気持ちで使ったのは久しぶり。
- トラックを入り口に突っ込んで乗り捨てていきがち問題以外は言うことない。
フィールドのグラフィックがえぐい。ゲリラゲームズにエンジン提供を取り付けたスタッフは誰か知らんけど超偉い。
- 雪に閉ざされた深山とガスが噴き出る岩肌の描写は「いよいよ実写じゃんこれもう」ってびっくりした。
- ノーマル PS4でここまでの体験が出来るとは思ってなかった。
そもそもマップが超広い。一から立ち上げたスタジオの初作品でこの規模のオープンワールド作るとか、やることがえぐすぎる。
- 序盤のチュートリアル的エリアでは「やっぱりこの程度の広さか・・・」とか思っちゃったけど、メインエリア進んで「監督ごめんなさい」ってなった。
- でもこれでアメリカ全土はちょっと面白い。全体マップに星が灯るたびに笑ってしまう。
マッツ・ミケルセンが良い。
- 良い。
- 良い。
- 登場人物どいつもこいつもあまり愛情の湧かない連中だけどマッツの演じたクリフだけは最高に推せる。
- あとイキイキと動くギレルモデルトロがなんだかんだ可愛い。
世界観のインパクトと作りこみと提示の勢いがすごい。
- 序盤の説明のなさと独りよがりっぷりは『Gレコ』に片足つっこんでるレベル。ただビジュアルで押し切る力がパワフルすぎるので、一気に世界観の中へ入っていける。
- 小島監督がこのゲームを作らなければ多分この先どんな映画やゲームでも味わえなかったであろう世界なのは間違いない。
- あと、補完するテキストが豊富だから結局のところあまりわかりづらくはないし、知的好奇心が満たされる快感がある。
- 世界観にそもそもワクワクしなかったら地獄みたいなゲームだと思う。俺が『Gレコ』を観た時の地獄感を今作で味わう人もいるのかもしれない。
でも物語はあまり面白くない。
- 最後の最後に説明詰め込みすぎ。MGS4 レベルの末脚。
- よりにもよってちょっとセカイ系っぽい。
- 「いや・・・割と”縄”ばっかじゃなくて”棒”も使ってきたんで、そこまで言うほどでも・・・」と居心地の悪くなるエンディング。
- 「超能力が兵器として運用されていたら→読心能力を防ぐ‶精神手術″が発達する！」とか「戦闘に適した遺伝子が発見されたら→優れた兵士の遺体そのものが戦略兵器になる！」とかみたいなワクワクするアレがいまいち無い。
- 「三途の川は時間の流れが異なるのでここを経由すればゼロ時間大容量通信が可能に！」って言われても「便利な三途の川があったもんですねえ」で終わる。
監督特有の痛々しさは先鋭化。
- 大説明ムービー→エンドロール→大説明ムービー（申し訳程度のプレイパート混じり）→エンドロールダメ押しリピート　の流れには引くほかなかった。
- いくらファミ通のレビューが無意味だっつっても一応批評する側の浜村通信を出しておいてレビュー満点とかきつすぎる。
- ていうか「あっ！浜村通信じゃん！」ってテンション上がるプレイヤーがどこにいるんだ。
- ギレルモデルトロのキャラに「シェイプオブウォーターって映画は面白かったぞ」って言わせたりする小ネタのセンスは好き。
どんなに作業感強くても「あえてそう作りました」って言ってきそうな無敵の構造が鼻につく。
- 中盤以降から作業感が強くなるけど「そういうゲームですから」で逃げられて暖簾に腕押しになりそうな構造そのものが嫌。
- どこかで「スーパーマリオブラザーズのように、”移動”そのものをゲームに昇華させた！」って評論を見たけど、マリオの移動はこんなに作業臭くない。
- 終盤は国道とジップで道を整備するだけのゲームになると言っても過言ではない。
文字が小さい。
- 文字が小さい。
- 文字が小さい。
- 本当に小さい。
- 小島監督、そのうち「僕の作品は少なくとも55型以上の4K モニタで遊んでほしい」とか言い出しそう。
建設物の使用とパンチを□ボタンで兼ねたのだけは明確に失敗であると言わざるを得ない。
「小島監督…コナミに放り出されて裸一貫で再スタートしたのに、よくこんな大作を無事に完成させて…」という発売時の感動がすっきりなくなるぐらいには変なゲーム。
- 「ああ、小島監督の作品はこうじゃなきゃな・・・」と寒い笑いが浮かぶ感じ。
- 良くも悪くも作家性の塊のような作品。何につけ独りよがりと言い換えても良い。
- これがあのバイオハザードRE2とかSEKIROに並んでTGAのGOTYにノミネートされてるのはもはやギャグだと思う。

以上、『スナッチャー』『ポリスノーツ』とメタルギア全作と『P.T.』を遊んできて、デスストも首を長くして待ち望んだぐらいには小島ファンなので、そういう欲目込みです。

あと、これは個人的な期待が外れたってだけの話なんだけど、BBの使い方は勿体なかったと思う。
だって「胎児を抱える」という超ハイリスク属性を敢えて主人公に与えるなんて、そんなアクションゲームほぼなかったでしょ今まで。
BBの存在によってサムは事実上の妊婦さんになるわけだけど、つまりそれは、普通のゲームとその主人公なら軽々と超えていけるようなしょぼい坂道だの岩場だのが、険しくて恐ろしい道のりに変わるということですよ。
GTAみたいにわざと大クラッシュして爆笑～みたいな遊び方も出来ないわけですよ、何せそんなことしたら赤ちゃんが死ぬかもしれない。なんかあまり笑えない。
もちろんこれらはあくまでゲームの中のことだけど、その不安とか恐怖は取りも直さず現実世界の女性が味わっているそれと地続きであって……みたいなノリの再発見的感覚をプレイヤーにもたらしてくれる要素かとてっきり思ってたら、BB ポッド超硬い。もうね。転ぼうが転落しようが、いやなんならちょっと銃弾が当たっても平気だし。
BB 自身も赤ちゃんとは思えないほど聞き分け良いし。たまにぐずる程度で、それもちょっと抱っこすれば泣き止むし。