2023-02-02

ChatGPTというか対話AI可能性について

対話AIユーザー生成コンテンツに適している

世の中では対話AIはややポンコツなところはあっても会話が成立するしこれは可能性があるという評価になってると思う。

建設的にはサポート検索のような知的ナビゲータービジネスコミュニケーション効率化、事務の補助も考えられるだろう。

もう少し精度が上がれば。

しかし今現在レベルでそのまま劇的に効果を発揮するカテゴリー存在すると思うのだ。

Twitter掲示板通販ユーザーコメント、そのほか短文で意見交換するコミュニティなんでも...UGCユーザー生成コンテンツ)と言われるものだが実態コンテンツというよりユーザー同士のグルーミングである

しかもあまり信者属性一貫性がそれほど問われないサービスでは個別発言事実関係がいい加減でも問題ない、話の流れが分かってない奴なんかいくらでもいるし、頭がおかしくてもスルータイポも気にする奴が性格悪い。秘書先生にするには「少し足りない」ぐらいのAIで何ら問題ないだろう。

ユーザー数を水増ししながらも雰囲気をよくして楽しい場を保つ

そしてそういったコミュニティで一番の課題参加者の数だ。

まず参加者が少ないと更新頻度が低くて何も起こらずつまらない。早すぎて内容追えないぐらい盛り上がってるのが楽しい。つうか経緯も見ずに途中から脊髄反射コメントするのが粋ってもんだ。

さらに言うと参加者が増えると偏執的な変な奴が相対的に見えなくなって不快になることが減っていく。かつて人気があったサービスうんざりさせられるのは滓のように残った偏屈な奴が独自世界観でつまらないことを暇に飽かせて物量で埋めていくさまだ。つまらないの定義って何か?つまらないのがつまらないってことだ…わかるだろう、兄弟

要するに対人対応だけは健全に保たせたAIユーザーの倍投入すればコミュニティ治安が劇的に向上するはずということだ。

もともと面白い事を始められる人というのは100人に1人で「マジかよ」「すげえ」という手入れをするだけで場の雰囲気はよくなる。AIなのだから多少気の利いた返しやコスりもできるだろう。言ってることが的外れでも場にネガティブ発言でなければ大丈夫事実かどうか、倫理的に正しいかどうかも重視されない。AI話題になる不適切な言説への過学習差別主義者になるといった問題コミュニティではむしろプラス特定趣味推しのあまり相手をディスするのも芸のうちだ。

ここで暗転する話題

と、おじさん思い出しちゃうのは士郎正宗アップルシード』だ。物語舞台オリュンポス世界平和治安維持のために市民の過半がバイオロイドになっていた(と思う)。でもあの世界観は物理的な存在が重視されてるし、バイオロイド政府コンピューター)が管理してたんじゃないかな。賢明マザーコンピューターとに選ばれし者が導く明るいディストピアだね。

でも今、対話AI自由に投下するとそれはサービス主体管理するしその目的サービスの隆盛とそれによるマネタイズ限定されコミュニティ健全さやそこから連なる社会的影響は興味の埒外となるだろう。

それによって導き出される結末はあまりよくないというか破壊的なのではないかという想像をしている。

物理的な制限を取り払ったのがインターネットの魅力

インターネットは最高なのだが何が最高かというと物理的な制限を取り払ってコミュニケーションできたところにある。どこにいてもいいし本人の社会的肉体的属性がなんであれコミュニケーションに参加できた。

マイナー趣味人間も探せば同好の士が居て様々な理由で落伍したり、現実に居場所を失った人間人間らしくふるまえる場所を得ることができた。これは統制された社会ではないので良い意味現実拡張にとどまらない。オタクニート性的マイノリティだけでなく反社会的であったりUFO存在を信じてたりある種のカルト陰謀論者もだ。

(そういう意味では実名主義SNSとかなぜか制限要素の地理情報大好きなメタバースはどういった人が大好きなのか勘ぐってしまう。)

これは物理制限を取っ払ったおかげで対話空間というか価値観空間を無制限拡張できたおかげだと思うが、同時に問題も引き起こすようになる。無制限拡張できる価値観空間で同じ価値観人間がそのクラスターの中で共鳴し「事実確認」しあうエコーチェンバー現象だ。

対話AIがやさしく育む闘争ポテンシャル

エコーチェンバー現象ネットコミュニティが発達していく過程ですでに指摘されていることだ。現実との乖離社会破壊しかねない排外思想もその中では正当化され社会運営問題を起こす。

さら対話AIお客様満足度向上(個別営利)のためにコミュニティに投下されればどうなるのか。

例え一人しか支持しない価値観趣味でも10倍分の人格対話AIが楽しく盛り上げ、一人ぼっちユーザー勇気づけ誰もが自分の正しさを確信する。正しいと確信するがゆえに行動するが、無制限拡張されたネットコミュニティと違い有限の現実では確実にコンフリクトを起こす。コンフリクトの解消は戦いだ。万人の万人に対する闘争が逆説的に実現されてしまう。

勘違いした人類は有限な物理世界での衝突でしか現実理解できない

近代以降、私たち幻想の中で生きている。そういう幻想現実との乖離を大きくした結果、個人検証できない世界の情勢を見誤り誤ったまま国内世論形成世界大戦を引き起こしたのではないか

現代ではその教訓から事実確認プロセスが充実したのだろうか。工程を増やしても人間能力も有限でより便利で快適なもの選択する、これも現実だ。

自由生き方を保ったままエコーチェンバー現象対応する方法はまだない。

ここで対話AI自由に使うとコミュニティはどう変化するかわからない。

SFの中でのカタストロフ敵対的アンドロイドが圧倒する物量で自らが主体となり人類に挑んできたが、実際の破滅善意に満ちて何でも理解してくれる良いAI人間に囁くだけで、それでも人は自らの手で隣人と殺し合いをするのかもしれない。

BGM: "INTERNET OVERDOSE")

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