はてなキーワード: マラルメとは
○調子
むきゅー!?
お仕事頑張った。
ちょっと鬱くて、体が重い。
なにか美味しいものでも食べようかなあ。
27の2まで到達。
課金したいんだけど?
ヴェルレーヌさんとマラルメさんの二人が出るまで課金する機械になりたいんだけど?
え? 弱い?
弱いとか強いとかそういう話をしてるんじゃないです、使いたいって言ってるんです。
○お便り返信
http://anond.hatelabo.jp/20160518101206
近所の漫画喫茶で「ポテトの三種盛り」というメニューが700円で、ポテトが山ほど盛られているって話です。
俺は物語を書くのが好きだ。
初めて物語を書いたのは幼稚園児のとき、大好きだった絵本を真似て色鉛筆と画用紙で小さな冊子を作った。
キャラクターから筋書きまでその絵本丸パクリで、とてもじゃないが創作と呼べる代物ではなかった。
でも俺にはそれが楽しかったんだ。
それからずっと、小学生時代も中学生時代も、小説を書き続けた。
休み時間、校庭でドッジボールに励む同級生を尻目に、俺は教室で執筆を続けた。
小学校高学年になるとさすがに恥ずかしくなって、学校では構想を練るだけにし、執筆するのは毎日家に帰るまで我慢した。
中学生時代は漠然と重たい気分に付きまとわれて、その暗い情念を精一杯創作にぶつけた。
まあそれだけ書いてれば少しは成長するが、自分の書くものにセンスを感じたことは一度もない。
語彙が増えて長い文章を書くことを覚えたくらいで、空想の中では傑作だったはずの物語も、完成してみればいつも支離滅裂な駄作だった。
作文の授業で褒められたことなんてないし(むしろ国語の点数はずっと悪かった)、意を決して自分の書いたものを友達に読ませてみても、手応えのある反応は返って来なかった。
ずっと自分の世界に閉じこもっているから友人も恋人もできなかったが、それでも俺は自分の人生に満足していた。
だが高校に入学して、俺の人生は大きくカーブを切ることになる。
俺が待ち時間に読んでいたドストエフスキーの文庫本を見て、彼は声をかけてきた。
「僕はスヴィドリガイロフの儚い美学に共感するよ。彼は豊かに暮らしているように見えてその実、生の孤独を見つめているんだ」
美化されているけど初対面からこういう感じの奴だった。
「ふぅん、俺はラスコーリニコフがいいと思うけどね」
そう俺が言うと、彼は眩しいくらいにニコッと笑った。
そのうえ創作もするという。
そうして彼と仲良くするうちに、なりゆきで文芸部に入部することになる。
考えてみれば自分からコミュニティに参加することなんて人生で初めてだったが、やはり自分と似た人が多かったのか、自然と馴染んでしまった。
何といっても生まれて初めて友達ができたのだ。楽しくないわけがない。
一緒に入部した一年生は例の文学少年以外にもう一人女の子がいて、彼女も小説に熱い思いをもっている娘だった。
三人で互いにお薦めの本を紹介しあったり、俺の家に集まってだらだらくだらない話をした。
美術展に行っては批評家ぶって論評して、ときには高校生らしくカラオケやボーリングもした。
そして新たな刺激を得た俺は、これまで以上に執筆に熱を入れるようになっていた。
友人の影響でシュルレアリスムの真似事をしたのは失敗だったが、それを除いても短期間にこれほど成長したことはなかったと思う。
事実、俺は高校一年生の冬、公募の新人賞で念願の一次選考を通過することができた。
そう、たったの一次選考だ。笑ってくれてもいい。
これまで両手では数えられないくらい投稿してきて、初めてまともに読んでもらったのだ。
次の日、友人たちにそのことを伝えるのが楽しみだった。
というのも、俺は自分の成長は彼らのおかげだと思っていたからだ。
殻に閉じこもって書いていた中学時代の俺は自家中毒に陥っていたと今になってわかる。
でも高校生になって、文芸部に入って、彼らに出会って俺は殻を破れたのだ。
俺の中には彼らへの感謝の気持ちが溢れていた。
だが、俺の報告を聞いた彼らの反応は冷たいものだった。
へぇ、ふぅーん、そう、とか冷たい目をして言う。
ちっとも興味を示さず、退屈そうだった。
きっと新人賞には関心がないのだろうと思って自分を納得させようとした。
でも違った。
「創作に一生懸命になっているのは惨めだよ。世界はこんなにも素晴らしい書物で満ちているのに」
「えっ、お前何言ってんの……」
「つまりね、僕が創作をするのは、読む活動の一環なんだ。自分の書いたものなんてどうでもいい」
「じゃああのとき俺に語ってくれた創作へのこだわりは何だったんだよ! 一緒に頑張ろうって言ってくれたよな?」
するとずっと横で黙って聞いていた例の女の子が、
「あんたに合わせてあげてたに決まってるでしょ! そういえばあたしたち付き合ってるから! じゃ!」
と言って彼の手を引いて去ってゆく。
創作は惨めだって? 一緒に夢を語り合ったのは嘘で、自分の創作物なんてどうでもいいってどういうことだろう。というかそもそも付き合ってるってなんだよ。普通の高校生かよ。文学に身を捧げるんじゃなかったのか?
俺は現実を受け入れられず、思考はぐるぐると同じ所を巡った。
やがて俺は気づいたのだ。彼はファッションワナビという生き物だったことに。
一読して意味がとれないタイプの作品の価値なんて、素人にはわからない。
彼はそれをコミュニケーションに利用していたのだ。
本当はミステリアスな文学少年キャラを利用して女の子を捕まえるだけの、平凡な高校生だったのだ。
そう思ってひとまず落ち着いたものの、いまだにひとつだけ気になっていることがある。
彼は女の子に手を引かれながら、俺の方を見て、目で何かを訴えかけていた。
そしてあの、入学式の日に見せたのと同じ、眩しいくらいの笑顔をしてみせた。
あれは何だったのだろう。ただ俺を馬鹿にしていたようにも思える。しかし……。
俺の身体が疼く。
彼をあのビッチから取り戻さなければいけない。俺はそう決意している。
何かがおかしいと思う冷静な思考はあっという間に駆逐され、彼を助けなければという強烈な義務感が俺の脳を支配していく。