はてなキーワード: デニス・テンとは
まとめられたつぶやきを見てみると、多くが高橋大輔もしくは浅田真央アイコンが目立ち、羽生結弦アイコン、そしてデニス・テンのアイコンはほぼ含まれていないのがわかる。
今回のいきさつとこういった状況から、デニス・テンを批判し中傷したのは羽生結弦ファン、ということにしたい向きがあるようだ。
(上のまとめ主も含めて)
https://twitter.com/sk8d3/status/716222370227163137
https://twitter.com/windicalclub/status/716230089856266241
https://twitter.com/00LT/status/716276098510639105
一方で浅田真央の一部ファンがこれまでずっとかつてライバルであったキム・ヨナをバッシングしてきたことはかなり知られている。
そこからさらに一部は嫌韓・ネトウヨに移行、かつてキム・ヨナのコーチをつとめたブライアン・オーサーも忌み嫌っている。
https://twitter.com/UUAO21/status/694151849058828288
https://twitter.com/daidaiyuzuyuzu/status/692957607183675392
https://twitter.com/monogusanukok/status/681601447226548225
そしてその一部は、ブライアン・オーサーに師事し(浅田真央がとれなかった)オリンピック金メダルを手にした羽生結弦をキム・ヨナ同様憎んでいる。
高橋大輔の一部ファン(全体に占める比率はかなり高い)は彼のみを崇拝するあまり、彼のライバルになりうる選手が出てくるたびにバッシングしてきた。
かつては織田、小塚といった日本人選手も対象となり、次に対象になったのがパトリック・チャン。
パトリック・チャンには卓越するスケーティング技術があり、そこからの高い演技構成点を獲得しているということが、一部ファンには理解できず(あるいはしたくなく)一時はバッシングの代表的なターゲットになっていた、が2012年~2013年あたりから風向きが変わってくる。羽生結弦の台頭である。
それまでは国内選手で安定して4回転ジャンプを成功させ、高橋大輔を凌ぐ成績を安定して獲得するものはいなかったのが、2012年春の世界選手権で羽生結弦が初出場で表彰台に上がった後、コーチを変更しブライアン・オーサーに師事してから世界新記録を出すようになり、年末の全日本選手権で優勝。
この頃からバッシングの対象は羽生結弦に移行し、オリンピック直前の2013年グランプリ・ファイナルで羽生結弦がパトリック・チャンにはじめて勝利し、年末の全日本選手権で羽生結弦が2年連続優勝しオリンピック代表選出し高橋大輔が5位であったころにはバッシングはピークに達した。
この頃には羽生結弦に対してだけでなく、彼のコーチ、振付師に対してもセクシャル・マイノリティであることを中傷する言動などがすでに出現していたが、キム・ヨナ経由でブライアン・オーサーを嫌う浅田真央ファン、羽生結弦のコーチであるという理由でブライアン・オーサーを嫌う高橋大輔ファンがこれらの言動に喜々として加わり盛り上がっていたのもまた当時の状況である。
オリンピック後も羽生結弦は世界選手権での表彰台やグランプリ・ファイナルでの優勝を複数年連続で果たし、ブライアン・オーサー師事直後にはほとんど成功していなかった4回転サルコウも確実なものとし、現在では2種類の4回転ジャンプをプログラムの中においてほぼ確実に成功させることができている。
これはかつての現役時代の高橋大輔が成し得なかったことでもある。(特に現役後期は怪我の影響もあり4回転ジャンプは転倒もしくは着地しても回転不足による減点が目立った。2種類目は練習でもほとんど成功していないような時期の試合で4回転フリップに挑むも回転不足認定であった。「着地したのに回転不足で点が伸びない」ことから、一部の高橋ファンの中ではジャッジに対する陰謀論や、回転不足を指摘されない羽生結弦へのバッシングがさらに高まっていった。)
また、かつては課題と言われたスケーティングも近年は向上し、高橋大輔ファンが「大ちゃんこそが世界一」と言い続けた「表現力」「ステップ」といった項目に関しての改善もめざましく、試合での評価もこの数年間で着実に向上してきた。
これらは当然羽生ファンや他のフィギュアファンにとっては喜ばしく頼もしいことであるが、高橋大輔ファン、そして一部の浅田真央ファンにとっては苦々しく、不当で、陰謀であると感じさせるもののようである。
https://twitter.com/taremimipanda/status/715547882053443584
https://twitter.com/muguet0320/status/703064812708720640
https://twitter.com/yuzuyuzu_panda/status/694271207407943680
https://twitter.com/yuzuyuzu_panda/status/680871219227312129
https://twitter.com/aikoku103/status/680764733662691328
https://twitter.com/bluetopazzzzzz/status/680762729787871232
https://twitter.com/RenonculePeony/status/680736253927538688
https://twitter.com/hubuki_0oo0_y/status/675966655843930112
このあたりの時期から、同様のバッシングに加わるものに、日の丸アイコンや「日本」を強調するプロフィール、アイコンが加わってきているのと同時に、つぶやきにもキム・ヨナや韓国へのバッシングが共存し始めている。
この時期すでにキム・ヨナは引退しており、最近に至っては韓流ブームも去っているのだが、バッシングは止まらない。浅田真央が休養を経て復活しても、高橋大輔が渡米している間も同様のバッシングは続いていたが、試合で結果を出しメディアに取り上げられているのが羽生結弦であり、それ以上のバッシングができる材料が試合結果やメディアから得られるわけではなかった。この世界選手権までは。
このタイミングでの「練習妨害」「抗議」報道、一般的なフィギュアファンの多くは当初懐疑的だった。デニス・テンは日本のアイスショーにも出演し、羽生結弦を含めた日本人選手との交流もあり、多くのスケートファンから慕われている選手であり、彼が日本人選手に対して故意に妨害する、といった情報はにわかには信じがたいものであった。
また一方で羽生結弦も、これまで様々な場面においても(ファンに付きまとわれ試合直前にドアにぶつかって眼の近くを打撲し試合に影響があった時でさえ)声を荒げた場面は報道も目撃も含め情報としてメディアに上がってきたことがなく、公式な抗議も無論初めての行動であったからである。
しかしこの時点でこの騒動に飛びついたのが、上記のような浅田真央ファン、高橋大輔ファンである。
「あなたは悪くない、素晴らしい選手。私たちは応援している」と口々につぶやきはじめた。
それらのツイートのひとつ前後には「悪いのはあの人」というように、抗議をした羽生結弦への当てこすりが含まれていたりするのだが、ここで(ある意味あまり考えのない)デニスファンでもある羽生結弦ファン達が、一部のつぶやきだけを眼にしてリツイート、拡散しはじめ、さらにこの動きは拡大した。
すでにTwitter上には彼の英文の翻訳はたくさん流れているが、アイコンを確認し他のつぶやきを目にすると、過半数が浅田真央ファンもしくは高橋ファンで、デニス・テンのファンがその行動に大きくかかわっているわけではない。
それらのつぶやきは翻訳の後に「レイシズム反対」「出自を問題にするのはおかしい」と主張する一方、羽生結弦をあてこすった内容のつぶやきをRTしたり、過去に「韓国は嫌い」「キム・ヨナは嫌い」とつぶやいていたりする。
炎上をいちばん喜んでいるのは、デニス・テンファンでもなく、羽生結弦ファンでもない。
この騒動をきっかけに羽生結弦をこき下ろしたかった、高橋大輔ファン、浅田真央ファン(のそれぞれ一部)である。
レイシズム反対を叫ぶのは浅田真央ファン・高橋大輔ファンが多いけれど、同時にこれまで韓国とキム・ヨナにいわれのない中傷をし、別の選手のコーチやスタッフにLGBTを理由にした嘲笑をこれまで執拗に投げかけてきたのも、また同じ集団なのである。
デニス・テンに対するレイシズムだけが悪であり、キム・ヨナや韓国への中傷やLGBTに対する中傷は正義、と考えているなら、今回彼らが盛り上げている抗議運動に加わるのも良いかもしれない。