2019-12-12

ライブチケットが1万円だった。

立場自分ブログに書けない愚痴を聞いてほしい。これから話す業界仕事をすることが多く、こんなこと実名で書けないし飲みながらの愚痴でも言えないのだ。

先日オリジナルメンバーでPRESENCEというバンドワンマンライブをやると発表があった。

このバンドベースは後にジュディーアンドマリーというバンドをやるし、ボーカルの奥様は多田かおるという漫画家なので有名は有名なのだメジャーデビューのあと三枚しかアルバムを残さずに解散した程度のバンドである。(というか、ものすごいライブバンドだったのでインディーズでの音源デモテープ一本しかない。)

当時のバンドブームデビューは割とできるが、売れなきゃ解散するというのが当たり前だった。

ここ10年ほど、この時代のいわゆる「ジャパメタ」と呼ばれるジャンルバンドの復活ブームではある。

あの当時のロッキンFに載っていたようなバンドはだいたい一度解散して復活している。

それは先程言ったように当時は「売れないか解散」みたいなのが当たり前だったので別にロックバンドありがちな不仲による解散みたいなものが少ないのだ。(実際不仲なメンバーもいるがそれは仕事が上手く行かなくてギクシャクしてる…みたいな不仲で恨みつらみの不仲ではなく、時間解決してくれる不仲が多かった。)

もしくは訃報が多くなってきてみんなが集まる機会がふえたりして同窓会がてらセッションをやったりしてたのだ。

人が死ぬと人が集まり新しいものが生まれるというのは不思議ものである

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長い前置きが終わりここからが本題。

今回のPRESENCEのワンマン公演のチケット代がべらぼうに高いのである

なんと一万円、一万円ポッキリだ。(よく調べたらポッキリじゃなかった。)

どんな大きなホールでやるのかと思えば

東京は2公演、場所高田馬場CLUB PHASE

キャパティ300人程のライブハウスだ。

できて20年ほどなので古くもなく新しくもないライブハウスである

ここのライブハウスのチケット代の平均は

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平日の何バンドも出るようなイベントで2500円

週末(金土日)のイベントで3500円

平日のワンマンで4000円

週末のワンマンで5000円

(すべて会場で500円のドリンク代がかかる)

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が大体の相場ライブハウスである

この、ライブハウスのチケット代というもの企画者がいなければほとんどがバンドに支払われる金額である

なので一つのバンドしか出演しないのであればそのバンドが、企画者がいるのであれば企画者がチケット代を決めるのだ。

出演するバンドライブハウスにノルマだったり機材費だったりホールレンタル料だったりを支払ってライブをする。

バンドがお客さんを呼べなくてもライブハウスは一定お金をもらっているしドリンク代の売上があるので正直関係ないのだ。

ライブハウスのオーナーに「もっとお客さん呼んでよ」と小言を言われるのはいわゆるライブハウス企画ライブで、ライブハウスによっては近年一切やっていない。メリットがないし昔のようにライブハウスがバンドを面倒見る時代ではない。)

さて上記チケット代は平均である

説明のようにチケット代は自分で決めれるので自分もっと価値があると思えば別にいくらにしてもいいのだ。

所謂大御所と呼ばれるジャパメタのおじさんたちは平気でライブハウス規模のライブで7000円8000円のチケット代を提示する。

もちろんそれでも会場はそれなりにいっぱいになるのでその値段でもいいのだろう。

来るお客さんの年齢層が40代以上というのも関係していると思うがはっきり言って7、8000円のライブ代なんて外国から来るアーティストである

プレゼンスの1万円で言えば、あと5000円足せば世界的有名なKISS東京ドーム公演が見れるのである。(ちなみにこのKISSライブも今回は1.5万、2万、2.5万のチケット販売で高かった。)

プレゼンスメンバーにはミュージシャンとして生活をしているメンバーも居る。その「ジャパメタ」と呼ばれていたバンド出身人達にはそういう人たちが結構多いのだ。

有名な人で言えばLAZY影山ヒロノブMAKE-UP山田信夫(共にアニソンシーンで有名)だったり専門学校講師をしている者、母体バンドが数百人お客さんを呼べるからとほそぼそとセッション活動地方ソロ公演(所謂ドサ周り)で生活する者、完全に裏方で楽曲提供レコーディングだけで生きている者、母体バンドよりも楽曲提供のが有名な人など様々なんとか皆が当時のまま音楽で食べていこうと今まで続けているのだ。

CDが売れない今、ライブによる収益というのは彼らにとってとても重要収入源ではある。

だがしかし、この一万円というチケット代は絶対自分たちの首を締めることになるのだ。

ミュージシャンのギャラが上がれば、いずれはどこからも呼ばれなくなり、自分たちで何かをするしかなくなる。

はっきり言ってジャパメタなんてシーンはただでさえ日本では小さなシーンであるHM/HRシーンの中の物凄く小さなさなシーンである

その価値があると思っているのはもう数千人しかいないのだ。その数千人もほとんどが40代以上となるともう無くなっていくしかないシーンなのである

大御所と呼ばれるメンバーたちはまだ50代~60代だ。まだまだミュージシャンとしては引退するには早い。

ファンとして、死ぬ寸前までステージに立てとは言わない。年齢やキャリアとともにギャラが上がるのも当然である

だけどもその一万円は違う。見る側、ファン立場で言えば30年ぶりにツアーをする彼らに一万円の価値がないとはこれっぽっちも思わない。

仕事上のお付き合いで言えば、はっきり言って自分たちの首を自分たちで締めてるだけにしか思えないのだ。

それぐらいお金を取らなきゃこのバンドをやりたくないのであればやるべきではない。

今のミュージシャン収入源の殆どライブ収益だ。大事収入源を減らすことはしちゃいけない。

企画する側、彼らに仕事を作る立場としては、はっきり言ってその価値はないのだ。

ローディー根性丸出しの人たちが企画する地方ライブだって君たちのギャラで常に赤字なんだ。

ただで働けなんてこれっぽっちも言わない。そんなことは自分がさせない。でももっと全員が幸せになれる方法はあるはずだ。

一人のジャパメタオタクとして、ジャパメタファンとして本気で悲しくなった出来事だった。

  • バレエを観に行く自分にとっては「やっすい」という感じ。

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