久しぶりに同人活動を再開したものの、界隈について色々思うことがあるので筆をとる。
実名で書く勇気が無いのをどうか許して欲しい。あくまで『こういう人がいる』というペルソナ的観点から読んでください。
さて。
今の同人界隈、もうジャンルに関わらずあらゆるところで毎日『学級会』が起きている。だいたい内容は解釈違いが悪かどうか、について。これについてもう嫌と言うほどいろんな意見を見、それらが互いにぶつかっては傷つきあうところを目撃してきた。よくもまあこんな不毛なことで大切な趣味まで戦争の道具にするものだと呆れ気味ではあるのだが、その根幹にあるのは『その作品/キャラクターが好きで好きで仕方ない』というあまりにも優しい感情なのだ。どの意見にも「なるほどなぁ」と思うところが少なからずある。正義と正義のぶつかり合い、まるで何かのストーリーテーマのようだ。
私自身は結構ガチガチの解釈で固めて創作するタイプだが、それを他人に求めず黙々と作品をあげ続ける人なので解釈違いだとしても「ふーん」で流す程度である。同じ解釈を持った者と語り合いたいと思うことは多々あるのだが、私は幸せなことに、全然知らんジャンルでも私の話を真剣に聞いてくれるしなんならこちらの悩みをすっぱり解決してくれるような生涯の同人友達がいる。そのおかげもあってか『解釈違い』に対する憎悪のようなものはほとんど抱かない。
そもそも『解釈違い』は何故悪なのか?どうしてこんなに燃えるのか?
これは昨今のソーシャルゲームによく見受けられるもので、なんなら解釈違いを起こして争い合っているのは『制作会社』と『そのファンたち』である。
ちょっと前までは『公式が受け入れられなくなったらもうお前は顧客じゃない』みたいなある種の公式至上主義が主流だった。でもそれはソーシャルゲームというジャンル形態にはうまくあてはまらない。
ソシャゲ界隈で何故こんなに論争が起きるのか、これはもうソシャゲの欠点と言ってもいいんじゃないだろうか。
ソシャゲは基本無料でスマホがあれば手軽に遊べて爆発的ヒットがしやすいのが最大のポイントだろう。しかしその反面、日々のメンテナンスや更新に追われ、競争も激化した今は『いかに課金させるか』という課題が制作会社を苦しめているような気がしてならない。そしてその余裕のなさは最も大事なシナリオやキャラの同一性・統一感の喪失に繋がっている。
買い置きゲームというのはストーリーの更新はないけれど、そこには完全に完成した世界観が広がっている。更新がない代わりに永遠にその解釈が変化しない。これは解釈にうるさいオタクたちにとって楽園のような環境だ。解釈ガチガチの女は既に完結している作品や、原作者が一人の作品にハマった方が絶対幸せになれる。
ところがソシャゲはそうもいかない。毎日のようにプレイデータが届き、刻々と変化する顧客のニーズに応えようと思えば応えられる環境にある。そして『いつまで続けられるか分からない』という状況の中で出来るだけ延命をとるようなストーリー戦略を取りがちだ。連載に追いついちゃったアニメの末路みたい。うまくいくこともあれば、うまくいかないこともある。そういうギャンブル的側面があるのがソシャゲだ。
まー、これが一番の原因でしょう。公式vsオタクの悲しい戦争の原因。オタクvsオタクは正直個人の問題なので今回触れないです。
公式も愛がないわけじゃない。しかしオタクも十分すぎるほど愛している。
この手の問題で『自分の(主観的)解釈と違う!』という主張で怒っている人はほとんどいなくって、みんな確固たる根拠が整然と揃えられている。だからその主張はすごく
でも正しいことは、正しいという理由だけでは振りかざしていい理由にはならない。オタクなら分かるだろう、そういうキャラ見たことあるでしょ?
君たちが同じことをしてどうするのと思う。思うけど、もう今更やめられないのも分かるし、抑えきれる感情でないのも分かってしまう。
私は一切話題には触れないし、そもそも同界隈の人と一切の関わりを持たないようにしているので触れる機会もない。フォロワーがすごいいるわけでもないから発言力もない。
ただ、それだけの理由で悲しい戦争を見て見ぬ振りしている。その事実が一番苦しい。
彼女たちを見ていると『あったかもしれない自分のif』をどうしても想像してしまうのだ。何かが違えば自分も大好きだったはずのものに憎悪を向けなければならなかったかもしれないと。
これは今現実に起きていることだ。肉体的には誰も傷つかない、でもやっていることは戦争と何も変わらない。
いつからこんなに息苦しくなってしまったんだろう。どうして平和にいたはずの私は戦争の傍観者になっているんだろう。
別に私一人でどうこう出来るわけではない。結局は個人の感情だし、万人が満足できる結果なんてない。
でもこれは同人だけの問題じゃないと思う。今の日本、世の中にはそういう悪意なき悪意みたいなものがむき出しになってしまっている。
それはずっとずっと心の中に仕舞われてきた人間のイドなのかもしれない。今まで無視してきた私たちの罪かもしれない。
これからどうしたらいいんだろう。
分からない。何も。
みんな誰かを待っている。この荒んだ現実に革新的な答えをくれる誰かを。
そんなものは多分いなくて、これからもこの問題にずっと苦しむしかないんだろうな。
やだなぁ。
でもだからって創作をやめられるわけもないし今日も推しは可愛い。自CPは尊い。
それを毎日願うだけの弱い私でごめんなさい。