同じような記事が既に多く存在することを承知の上で、長々とこれまで思ってきたことを書き連ねます。ただの吐き出しです。
現在、スマホアプリで様々な女性向けアイドル育成ソーシャルゲームが配信されている。私もここ数年でアイドルジャンルにはまり、その中のいくつかをプレイしていた。
一昨年のいつ頃だったか、Twitterで新しいアイドルゲームが制作中であることを知った。それが「アイドリッシュセブン」だった。
ただでさえその時アイドル物ならすぐに興味が湧くようになっていた上、原案は小学生の頃楽しく読んでいた漫画の作者。本人がよくネットで炎上する人物であるということは知らず、純粋に楽しみだった。
その時すでにキャラデザは発表されていて、チェックしてみるとすぐに「この子、いいなあ」と思うキャラもいて、俄然やる気になった。
配信開始後、思った通り私はアイナナに夢中になった。声優陣によるフルボイスで展開されるストーリーは、声を出して笑うようなシーンもあればこちらまで悲しくなってしまうくらいに暗いエピソードも盛り込まれており、何度も読み返すほどだった。
楽曲も、どれもとても好みで、元々リズムゲーが好きだったこともあり何度もプレイした。
イラストに関しては、魅力的だと感じる、と言えば噓になる。が、それを補って周りの要素が素晴らしかった。
課金額は決して多い方ではなかったと思う。新しいカードが出れば毎回推し欲しさに課金したが、ある程度で出なければ諦めていた。
そうしてアイナナにはまって何か月か経ち、ストーリーも第2部が配信された。第1部同様、いや、それ以上に心を持っていかれたと思うくらいの内容で、アイナナを大好きな気持ちは更に大きくなった。推しキャラが増えたり、周りのオタク友人にも薦めるようになったり、この頃は自分のオタク活動の中でアイナナが最優先のジャンルだったと思う。
それが揺らぐようになったのはいつ頃だっただろうか。
アイナナの公式生放送が配信されてから間もないある日のことだった。
Twitterを見ていた時、私はタイムラインに流れてきたある一つのツイートを見て愕然とした。
そのアカウントは、アイナナの絵柄の他作品との類似点、構図の酷似、いわゆる「トレパク」を検証するためのものだった。
ツイートに載せられていた画像は、アイナナよりずっと前から配信されている他作品の女性アイドルと同じようなポーズで隣に並べられた、かつて欲しかった衣装のアイナナキャラのカードだった。
頭の中を色々な思いが駆け巡った。
「アイナナ」ではなくトレパクをしている作品として蔑称のようなものがつけられていること。
追加された新しいカードを見た時、たまに「腰がくねってしてるなあ」「身体のラインが丸いなあ」と違和感を覚えたこと。
その違和感の正体が、男性アイドルなのに女性アイドルのポーズと類似している構図だったこと。
少し調べてみると、私が知らなかっただけで、この疑惑はもうずっと前から他作品のファンの間で話題になっていたようだ。
そのツイートをRTしたフォロワーに対して怒りを覚えてしまう時期もあった。
もちろん誰にも言わなかったが、「あなたがこんなツイートを拡散しなければ、私は純粋にアイナナを楽しんでいられたのに」という気持ちでいっぱいだった。
それでも、一度目に入ってしまった以上知らないフリでゲームを続けるのは無理だ。
そこで私は、回ってきたツイートをスタートにアイナナのトレパク問題について呟いているアカウントを巡り、騒動を詳しく知ることにした。
多分、この時の気持ちはただ知りたいというよりも、「自分がアイナナを胸を張って続けられる理由を探す」目的が大きかったように感じる。トレパクなんてものは言いがかりで、偶然似てしまっただけなんじゃないの、と。
結果、胸を張って反論できるような要素はどこにもなかった。
アイナナが叩かれていたのは、他作品からの構図トレパク疑惑だけではなかったのだ。
アイナナの作品発表当時から「似てる」と言われ続けていた(ということもこの時知った)某有名アイドル作品、そのキャラクター達の外見や性格、過去などの設定が酷似していること。
原案が過去にその作品の同人をしていたため、信憑性が高いこと。
ゲームのプロデューサーが作品発表前にTwitterで内容を呟いていたこと。 など。
今まで神運営だと思っていた公式への不信感が一気に生まれた。人に勧めていたことが恥ずかしくなった。
それでも、この時点でアイナナを完全に嫌いになることが出来なかった。ただ、今まで自分が楽しんでやってきたことは何だったんだろう、と思った。
とりあえず、課金するのを一切やめてみた。
それから、公式にこの騒動に関して問い合わせをした。アイナナを好きなこと、何か公式側からアクションをしてほしいこと。
多くの人が問い合わせをしているらしく、私もその内の一人になろうと思った。数が増えれば、公式も何か動いてくれるだろうと信じていた。
公式は騒動についての文章を出した。要約すれば「トレパクの事実はない。設定もすべてオリジナルで、これからもそうだ」と。
他にも挙げられていたプロデューサーの問題については、ただ申し訳ない、これからは気を付けるという謝罪だけ。
「キャラクター達を傷つけるようなことは絶対にしない」と言ったのは公式だ。
だが、現にキャラに他作品からのパクリ疑惑がある上、ネットではかなりひどい言葉で叩かれていることもあるのにも関わらず、こんな薄っぺらい謝罪文で終わらせようとしている公式はキャラを守ってすらいない。
偶然似てしまったでは済まされないし、オリジナリティがあるというなら他のアイドルとは全く違った形で輝いている彼らを見せてほしかった。
もうダメなんだろうな、と思った。
アニカフェに何度も行ったり、アニメ化や第3部決定に浮かれていた自分がバカらしく思えた。
しかし、ここでもまだ離れられなかった。
疑惑を知った当初より更に確実に熱は冷めてきていた。ゲームも、前はイベントでそこそこ上位になるまで走っていたのに、ログインとガチャで初回の1度だけ引く、という感じになっていた。
その気力を保っていたのは、推しだった。
他作品のキャラと設定が酷似していたり、ストーリー内で起きたあるエピソードが他作品とそっくりだったり、つぎはぎだらけと言われていた。
それでも、ストーリーを読んであれだけ心を動かされたことを思い出すとアプリのアンインストールは出来なかった。
そんな中、話題になり気になって視聴を始めた全く別の作品にトレパク疑惑が浮上していることを知った。
またこんなことをする作品に当たってしまったのかと肩を落としながら、どんな部分が話題に上がっているのだろうと軽く調べてみた。
そこで久しぶりにアイナナの蔑称を見たのだ。
公式に問い合わせた後は検証アカウントなどを見るのをやめていたため、何となく騒動は下火になったものと思っていた。
だが、そんなことはなかった。
後からまたトレパク疑惑の作品が出てきたところでアイナナの問題が忘れられることは決して無く、同じような例として並べられるのだ。
そんな当たり前の事にようやく気付いた瞬間、アイナナという作品そのものが地雷になっていくのを感じた。
そこからは早かった。
まず、せっかく集めたんだからと保管していたグッズを売った。
そういえばTwitterでは、公式アカウントを未練がましくフォローしたままだった。
新キャラの発表もあり、あれだけ楽しみにしていた第3部もいよいよかという段階なのに、全く心が動かなかった。
もしどんな作品とも類似しないオリジナルのキャラだったとしても、過去にパクリ疑惑があった作品のレッテルは消えない。
フォローを外して、その勢いのままアプリもついにアンインストールした。「削除する」を押すのに一瞬躊躇ったけど。
変な意地を張って公式を信じて待っていた時よりも、すっぱり切り捨てた今の方がずっと気持ちが楽だ。むしろすっきり。
もっと早くにこうするべきだった。