艦これアニメ弓道問題の本質は、やる気のないアニメートに尽きる
http://anond.hatelabo.jp/20150113233602
を書いた増田です。
巷では第3話の内容が取りざたされるなか、今さら第2話に言及するのかよ、ってツッコミはごもっともですが、ニコニコ配信で視聴してる人へのネタバレ回避のためのこのタイミングの投稿ということでご理解いただきたく。
さて本題。
艦これアニメ第2話における如月のセリフによって「足柄が合コンに行って失敗した」ことがほのめかされており、そのことに反発が集まっているという経緯がある。ツイッター上での感想などはtoggetterにもまとめられていたりして、ちょっとした騒ぎに。
よくある演出じゃないかと擁護する向きもあるけど、そもそも足柄というキャラに男漁り的な属性を付加しているのは二次創作でしばしば見受けられる描写であり、しかし今まで公式の媒体でそのような扱いを受けたことはない、という事情がある。つまり問題のセリフは、単によくあるテンプレ描写という位置づけではなく、公式にはもともと無かった属性が二次創作で盛んに用いられているからという理由でアニメに輸入されたという構図に見えてしまう。これは原作ゲームの足柄のファン(かつ、二次創作での描写に不満を持っている層)にとってはキャラ改変・改悪にも映るわけで、荒れるのもむべなるかな。過去にも赤城の大食い属性が二次創作から原作ゲームに逆輸入されたという前例もあって(そのときも一部の赤城ファンを中心に荒れていた)、二次創作ネタが公式に採用されることを嫌う提督が少なからずいるということがあらかじめわかっていたのに。
本筋に関係ない枝葉末節なのだからスルーしろという向きもあるけど、枝葉末節ならなおのことこのような描写をする必要性がないはずで、なんでこんな描写を入れたのかと、よりいっそう制作側のセンスが問われる話になる。こういう点について鈍感な制作陣は、そもそもキャラクター人気に支えられている原作のアニメ化になど携わるべきではないのでは?
KADOKAWAアニメでいうと、キディ・ガーランドにおいてニコニコネタをふんだんに突っ込んだエピソードを放送して視聴者の顰蹙を買ったという事例が思い出されるけど、二次創作との距離の取り方がわかってないアニメスタッフ(それも上流工程)がぼちぼち現れてきているのではないか、という気もする。
ここまでが前振り。
今回の問題も、第1話における弓道描写の問題と同様に、単なる一描写の巧拙の問題にとどまらず、制作全体に潜んでいる本質的な問題の氷山の一角であり、駄作化の兆候なのではないか、というのがここからの主張。
まず1つ言えるのは、作品の方向性がスタッフ間で共有・統制されていないのではないか、ということ。
アニメでは提督の姿の直接的な描写が避けられているが、提督を具体的に描かないことで男の影を排除している、あるいは提督=視聴者というニュアンスを込めていることは、様々なスタッフインタビューでもほのめかされている。いずれにせよ、いわゆる美少女動物園型の作品が志向されていることになるが、ならばなぜ合コンなどという男の影ちらつきまくりの要素を出してしまったのか。提督の描写を避けるというかなり強い枷(実際にそれによって作劇が不自由になっている部分は多かろうと思う)を自分たちでハメておきながら、その意義をスポイルするような要素を、まったく本筋に関係のない枝葉末節のところで触れてしまう、というのは、自分たちがどういう方向性で作品を作り上げていこうとしているのかコンセンサスが取れていない、または誰一人として自覚していないか、あるいはわかっていながら実務がコントロールしきれていないか、いずれかである。
もう1つは、原作のキャラ描写を読解し理解したうえでアニメという媒体ならではキャラ描写をしていく努力を放棄しているのではないか、ということ。
この点については、「ハラショー」しか言わない響、という例もあるが、もう少し議論しやすい例として暁を挙げたほうがわかりやすいだろう。アニメにおける暁もまた、レディーに絡めた発言ばかりしている。これは一見すると原作通りであるかのようにも思えるが、ではなぜ原作ではそのような描写になっているのかを考えてみると、その大元には背伸びをする女の子像を描きたいという動機があると容易に想像でき、しかし原作は立ち絵が静止画ゆえ動きが表現できず、また提督と艦娘の会話どころか艦娘どうしの会話すらない造りとなっていて、モノローグ的なセリフによってのみ背伸びしがちな女の子のキャラ性を描かなければならないため、その条件に最適化した結果が、ある種テンプレ化したようなあのセリフ群になっているのだろうと思い至る。その点、アニメという媒体ならば動きもあるし会話もさせられるから、個々の場面に合わせてキャラ描写をもっと柔軟に行うことができるし、むしろ原作通りのセリフ回しをそのままアニメでやってしまうとテンプレ臭が強すぎて場面から浮きかねずかえって不自然になるだろう・・・にもかかわらずアニメでは愚直に原作のセリフを真似てばかりいるのである。
公式コミカライズやそれこそ同人誌などでも、場面とセリフとをきちんとすりあわせて、テンプレ臭くならないような、それでいて暁が背伸びしようとしている感じを醸し出し、その可愛らしさをうまく表現している例は多々ある。そういった例と比べると、アニメでのキャラ描写は練り込みが足りてないし、そもそも練り込もうという意欲もなくただわかりやすいレディーというキーワードを振り回しているだけの、ひどく雑に記号化された描写にしか見えない。
足柄に合コンを匂わせる描写も全く同根で、原作における足柄がいったいどんなキャラなのかということを掘り下げて考えることをせず、ただただわかりやすい記号として男漁りという要素が二次創作界隈に流通していたから、それを拝借してきて一丁あがり、という安直な脚本になっているのである。
以上2つ、艦これアニメにおける足柄の合コン言及から垣間見える問題点を述べた。前者は制作全体がきちんとまとめきれていないことを示唆しており、後者は脚本家の技量不足を示唆している。このような事態に陥っている制作体制から良作が生まれてくるなどとは、全く期待できないだろう。
まず念のために言っとくが、アニメイトじゃないぞ。 事の経緯を改めて確認しておくと、 艦これアニメ第一話において赤城が弓道場っぽい施設で弓を射る(=艦載機を飛ばす)シー...
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前者は制作全体がきちんとまとめきれていないことを示唆しており、後者は脚本家の技量不足を示唆している。 ただの犯人探しにしかなっていない しかもその犯人探しの真相が明らか...
ネタアニメを楽しめないならアイマスのアニメ見てればいいよ わざわざ批判する価値も無い