2012-07-06

http://anond.hatelabo.jp/20120705222712

黒船もまた、軍艦であるということが、増田は今ひとつ理解していない。

軍隊は各国それぞれに特徴があるが、軍隊軍隊である

兵士に与えられた自由は限定されている。

増田の経歴がはっきりと書かれていないが、予測してみる。

新卒として日本の大手出版社正社員として勤務し、そのあと出版系のベンチャー企業転職したものの、そこが潰れたため、外資系金融業広報派遣社員として働き、そのあと再び日本出版社で、契約社員として働いて3年目に入ったのではないか

大手出版社ドロップアウトした人々が時々たどるパターンだ。

その経歴では、外資系のいいところしか見ることはなかったのだろう。

この予測に基づいて、増田を批判してみたい。

まず、増田は業種の違いを敢えて無視している。

出版社と金融業は、異質のものだ。

今時、金融の大手企業なのに、パワハラセクハラなどが蔓延している職場なんて、あるのか?

銀行保険会社証券会社などでは、コンプライアンス研修が毎月のようにあり、訴訟の芽は事前に摘まれる。

それは、この15年近くで劇的に変わった。

パワハラセクハラが無かったのは、外資系だったからではなく、金融業からではないのか?

そもそも出版社マスコミなどは、現代日本の中では意識改革が相当遅れた業界としても有名だ。

同族企業の悪いところで、身内の罪はかばい合い、隠蔽する。

いまだにパワハラセクハラ蔓延していて、例えば有名作家や取材対象の政治家などに遅くまで女性社員接待したり、大手出版社社長地方支社に愛人がいるのが当たり前だったり、部下をしかるのに灰皿を投げつけるようなボス猿がのさばっていたりする。


サービス残業が当たり前の本当に糞のような業界が、日本出版社マスコミの姿なのだ派閥も多いし、くだらない足の引っ張り合いも日常茶飯事。

そして、同業他社は、お互いの短所を知っていても、かばい合い、罪の追求をすることはない。

製造業官僚の罪は追求するワイドショースタジオで、ADが失敗してボコボコに殴られていても、注意するくらいで加害者を処罰することすらしないのが、この業界なのだ

そりゃ、増田もつらかっただろう。

それに、増田外資系では派遣社員だった。日本でも、派遣社員処遇は相当に守られている。

彼らが残業を強いられることはそうそうない。

なぜなら、契約書で、残業代をきっちりと払うことが明確に定められていて、例外を認められていないからだ。

しょせん、他社の人間であり、身内のようにムリを効かせることはできない。

増田が今の職場でそれを強いられているのだとしたら、契約社員という、正社員を餌にされた準社員の地位にいるからだ。

派遣社員契約社員立場の違いが、増田処遇の差になったとは考えられないか


さらに、外資系人間関係天国のように増田は評価するが、外資系正社員同士の社内政治いかに大変か、増田は知らなかったのだろうか。

2年弱といえば、長いようで短かったのかもしれない。

ハリウッド映画を観てほしい。

何故彼らは、頻繁にホームパーティーをするのだろうか。

あれは、日本仕事帰りに上司と部下が飲むようなものだ。

欧米人は、それを週末におこなう

会社を離れたら友人だよ、というスタンスで、フレンドリーに接するのが欧米流。


だが、そんな訳があるはずがない。

上司であっても、友だちとしてつきあわなければならないのは、義務だからだ。

こちらの方が、逆にきつくないか


プライベート仕事を持ち込みたくない、という人間は、少しずつ疎外され、出世から外れていく。

「俺と君とは、会社を離れても、人間として友人なんだ!」

とアピールしあい価値観が違う者同士なのに、相手の趣味に合わせて笑い、会話をし、お互いの家族について相談を「しなきゃならない」。


日本武道を習いに来た欧米人に、日本の道場のどういう点がいいか、聞いたことがある。

日本の道場は、上下関係がきっちりと決まっているからとても楽で居心地がいい。欧米では演技が必要で、フレンドリーに接しながら腹を探り合わねばならず、ストレスたまる

……これは、数人の欧米人から聞いた感想だ。

このような接待方法に近いことを、日本だとMRがやっている。彼らの顧客医者は、ロジカルで欧米的な個人主義者が多いのも関係があるのかもしれない。

医者は、仕事帰りに居酒屋で飲むのをあまり好まない(中にはキャバクラ大好きの医者もいるけれども)。

それよりも多いのが、週末のつきあいだ。

そこで、週末、医者野球チームのメンバーになったり、バーベキューを開催したりして親睦を図る。

MRをやっている友人曰く、「自分だけでなく、時には妻にまで、バーベキュー場で顧客のために肉を取り分けさせたりせねばならないのがつらい」とのこと。


増田は、お客様として外資系の上澄みだけに浸り、外資系の賛美者となってしまった。

外資系で本格的に働くと、相当に人間関係で苦労する。それは日本の非じゃありませんぜ。

しかし、文化の違いを乗り越えて、彼らに仲間として認められた時の喜びは、それ以上のものだ。

それは、社内政治を勝ち抜き、圧倒的な業績を上げ、奴隷以上に長時間働いてのち、得られるものだ。

増田のような人間の賛美は、外資系イメージを上げるという点ではい宣伝になるけれども、外資系で戦力となる仲間を必要とする者にとってみれば、ありがた迷惑だ。

記事への反応 -
  • 2007年から2009年にかけて、2年弱ではあるが、外資系金融で派遣社員として働いていた。 外資系企業で働くということは、私にとって、黒船到来とでもいうべきエポックメイ...

    • 黒船もまた、軍艦であるということが、増田は今ひとつ理解していないようだ。 軍隊は各国それぞれに特徴があるが、軍隊は軍隊である。 兵士に与えられた自由は限定されている。 増...

    • 部長とか課長が、俺の酒は飲めないのか!といわずにサワーでも許してくれた。 というのがあるんだろうけど 外資系と日系企業どちらが働きやすいか?といえば日系企業だと思う。 ど...

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