友人に紹介されたり誘われて街コンや合コンに参加するくらいだった。 20歳を過ぎたあたりでなんとなくぼんやりと、多分自分は1人で生きていくのは無理だなぁと思うようになった。ルームシェアとかも考えたけどもっとこう、いい意味で法で証明できる関係の方がいいなと思って、漠然と結婚しようと思った。
自分は特別美人でもないし頭も良くないし、仕事も出来るわけではない。強みもないので、とりあえず若さというカードを使うことにした。
23歳の頃、知り合いの息子さんとお見合いをした。両方ともゲームが好きだそうだから、と向こうからの申し出で、8歳年上の人だった。蓋を開けてみると、私は当時インディーズ系やフリーゲームにハマっていたのに対し、相手の方はネットゲームを主に遊んでいるようだった。全然話が盛り上がらなかった。◯◯ってゲームに今ハマってて〜と私から振ってみたところ「あーそれ実況で全部見たよ」と言われて一気に冷めた。向こうからもうちの親からもゲームが好きなんだから話が合うはず、と言われたけど、お互い消極的になってこの話は流れた。ちなみにこの方はネトゲで知り合った人と結婚して、今は二児の父となったそうだ。
二十代半ばの頃、物凄く好きな人が出来た。自分は絶対にこの人と結婚するんだろうと本気で思ったものの、あっさり振られてしまった。いい歳でメソメソ泣く私を見かねてか友人が一緒にマッチングアプリをしよう!と言ってきた。しかし地方だったことが災いしたのか全然同世代の人間がいない。同世代を希望する私のプロフィールを無視して手当たり次第にマッチングを試みる20歳前後の若者か、40代50代、果ては60代後半からメッセージが来る。実際に会ったのは5人くらい。悪い人ではなかったけど信じられないくらい体臭がきつかった人、初対面でいきなり失礼なことを言ってくる人、逆に一言も喋らない人、家まで着いてこようとした人、職場を割り出してきた人(幸い外れてくれていた)、どれも印象に残っている。体臭はともかくとして他は会うまでのメッセージは普通だったのになんでだろう。
二十代後半に入り、やっぱり結婚は無理かもと思っていると、最近結婚した知人から自治体の結婚サポートを勧められた。彼女はそこで紹介された人と結婚したのだ。無料だった為(この辺は住んでいる自治体によるかもしれない)初めてみた。顔写真と、全身が映る写真を持って、市役所近くのホテルのロビーに婚活サポーターだかアドバイザーの人と話すことになった。このサポーターと呼ばれていた人達は特に何か資格があるとかでもなく(婚活に資格があるとは思えんが)、要は仲人のおばちゃんをオシャレな言い方にしたものだった。
そこでまぁまぁ長いこと自分の描く理想の結婚相手について質問された。私の出した理想の条件としては、
・働いている
・健康
・好き嫌いが少ない
・身長が高いとなお良い
だった。
逆に、どんな人が無理かと言われ、特にないと思います、と答えたところ真剣に考えろと怒られた。ちゃんと「こういう人はお断り」と明記しないとバツ3子ありの50代のギャンブル中毒が来る可能性がある、と脅された。そりゃ確かに困るなぁと思って、同世代で未婚、ギャンブルをしない人、と追加した。他にも身長体重趣味特技(ゲームとだけ書くのも味気ないと言われ、体型維持と健康のために嫌々やっているランニングを追加された)、タバコを吸うか、お酒を飲むか、子供は欲しいか、何年後までには結婚したいか相手の親と同居できるか自分の親と同居して欲しいかなどなどその他色々質問された。
あなたによさそうな人を見つけたら連絡しますからねと言われたけど、待てど暮らせど連絡は来ない。後で判明したけれど、当時登録していた20代は自分を含めて男女5%を切っていた。30代と合わせてやっと15%行くか行かないかだった。自治体結婚サポートがあまりに知られてなさすぎるのもあって40代50代の方がほとんどを締めているそうだ。
登録したことも忘れかかってた頃、連絡が来た。読書と映画鑑賞が趣味の方との事で、一度は会ってみて欲しいとも言われたし、早速次の休みに仲人のおばちゃんたちを交えた4人で会うことになった。会って早々、キャンプにハマっていると語り始めたのでインドアな私は怖気付いたものの、よく聞いてみるとどうもゆるキャンが好きらしい。読書が趣味なのは漫画をよく読んでいるからで、映画はなんでも好きだけど、今1番楽しみにしているのはまどマギの新作だと言うことを聞き出した。これならなんとかなるかも、ととんとん拍子に話は進み、色々あったが2年後結婚した。
1番最初に紹介された人と結婚したとも言えるし、細々と続けていた恋活婚活の果てに出会えた人とも言える。
出張中の旦那からまどマギの映画の新情報と、今のうちにまどマギを見返そうと言う連絡が来たので、なんとなく馴れ初めを書いてみたら結構長くなってしまったな。