2023-11-18

ミラベル魔法だらけの家「これで終わり!?」って感じの映画だった

周りで絶賛している声が多かったのと、金ロー人気投票で選ばれたっていうので見た。

感想としては、「刺さる人には刺さるけど、大ヒットとまではいかない地味な映画」という感じだった。

そして自身はあまりさらない側であった。

以下気になったポイント箇条書き(あくま個人の感想)

・「魔法」という題材に反してストーリーラインがこじんまりとしているように感じた。

オチに「これで終わり!?」と思ったのもそれ。

せっかく「魔法」というワクワクする題材を使っているのに、「話が終始ミラベル家族間のいざこざで完結している」「見せ場であるミラベル祖母和解シーンが対話であっさり終わってしまう(その直前に家が崩壊するという派手なシーンはあるが)」なのもあってアニメ映画としてみるにはスケールが小さい作品だと思ってしまった。

特に祖母とミラベル和解シーンは「どちらも魔法が使えない」という設定のせいで、アニメ映画なのだから本来いくらでも派手な映像に出来そうなのに、地味であまり印象に残らなかった。

最後の家族でのミュージカルシーンや、ミラベルがドアノブを握ることで家が魔法の力を取り戻すシーンの演出も派手ではあったけど何故かあまりピンとこなかった。全体的なストーリーラインが弱い印象があったからかも?

最後オチの印象が弱く見えることに関しては、結局家族やミラベルの状況が序盤と何も変わらないように見え「がち」なのもあると思う。

序盤の状況とは、家族はこれから魔法によって村の人々を助けなければならない、ミラベル魔法を使えないまま。

実際は心理的には大きく変化がある。家族間にあった不和は消え、家族はみんな「家族の圧」に縛られなくなり、おのがままのマインドで生きられるようになった。ミラベル魔法を使えないのではなく実は祖母と同じような「魔法管理する」というギフトを持っていたということが明かされる?(これに関しては映像からそう読み取れるという考察をちらほら見かけた、がセリフでは明示されてない)

でもパッと現実の状況だけ見るとそんなに変わっていないようにみえる。

あとは家族と一緒に暮らしていくオチが、ミラベル家族から冷たい扱いをされる描写が長いために「なんだかなあ…」と思わされてしまう。

ミラベルが家を出て外の世界を知るようなオチ、或いは数年後の家族の姿が描写されるとかあればまた違ったのかもしれない?

・ミラベルどん底にいる状況で尺の半分使っており、長い

ミラベルは序盤から家族の中で1人だけ魔法が使えなず、家族の大多数にあまりよく思われていない」というキツい境遇だ。最初はこれが底の状態で、てっきりここら家族和解していくのかと思っていたのだが、その後もミラベル家族のためにやることなすこと空回りした挙句、「自分のせいで家と魔法の力が崩壊してしま予言」が家族間で共有され、家族みんなから総スカンを喰らう。ここがドン底。昨日の金ローではこの時点で22時である

1時間くらいミラベルの辛い境遇と空回りを見せられなんともいえない陰鬱な気分にさせられた。宝石の国のフォスか?

しかもその後の1時間予言の謎解き、家族の抱える問題解決祖母との和解、家の崩壊と復活まで詰め込んでいたためにどの要素も物足りなくなっていた。尺配分をそもそもミスっているような気がする。後半に詰め込みすぎというか。

あとミラベル家族キツイ言葉を言われるパートが長かったせい&人数が多すぎで、家族に対して愛着がなかなか湧かなかったのもある。

特に「ミラベル家族と家を滅ぼすという予言」を家族が言いふらすシーンとか最悪の奴らじゃん……となってしまった。その予言を見たブルーノは「その予言家族に公にするとミラベル立場が悪くなる」ために秘密にしていたのに……。

キャラクターが弱く、キャッチーさが足りなく見える

個人的に実写じゃなくアニメ映画なのだからキャラクターは魅力的かつ個性的でいてほしい。それはビジュアル面だけでなくキャラクター性格や設定も指している。

が、ミラベルは割とどれも弱く見受けられた。

ビジュアル面がパッとしてないのはまあどうも公開前に騒がれまくっていたので言わずもがなメガネディズニープリンセスは斬新で良いと思うが、髪型とか他の要素の組み合わせが悪いがために魅力的なキャラデザに見えなかった。

個人的にはミラベル自身家族にも強烈に印象に残るキャラはいなかった。

特にミラベルに関しては「家族のために役に立ちたい」という主人公に相応しい善性を持っているが、家族から悪い扱いを受けるシーンが多くて「もうミラベル家と村から出て行った方が幸せなのでは…?」と思わざるを得ず、共感があまり出来なかった。

ミラベルのこの心理に関しては、毒家族を持つ人こそ逆に共感できなさそう。

「毒家族故に反抗する機会も与えられなかった悲しきキャラ」と定義してる感想を見かけもしたが、それを制作者が意図しているのはピンとこない。ミラベルが反抗して家を出ていくなどしないと成り立たない気がするからだ。流石に祖母ちょっと怒るシーンはあったが……。

家族に関しての印象が薄くなっているのはビジュアル面の弱さもあるが「人数が多い」もある。もう少し絞ってもよかったのでは?と思わなくもない。

人数が多いせいで個々の抱えている不安問題などの解決描写も短めになってしまい、それ故にキャラが弱くなってしまったように思う。

家族のために結婚する不安」を抱えていたイザベラや、「魔法喪失アイデンティティのものを失う」と思っていたルイーサなどはリアリティがあって好きだった。

個人的にはブルーノとミラベルの掛け合いは面白かったのでこの2人の絡みをもっとたかった。

(というよりこの掛け合いが来るまでミラベル側の味方があまりいないので、ミラベルの会話シーンがずっと暗い)

・ただし、複数回観ると面白く感じるかも…?

Xでミラベル感想検索すると「実はこの映像はこういう意味があって!」「こういう設定があって!」というつぶやきをちょくちょく見かけた。

どうも魔法にまつわるアイテム家族達の動作を非常にこだわっている作品らしく、そのあたりに注目すると作品をより深く楽しめるらしい。家族に対してのキャラの薄さも払拭される可能性がある。

実際初見だと確かにストーリーを追うのとキャラを覚えるのとミュージカルシーンの歌詞を聞き取るので手一杯になっていたため、また見返すと違うのかもしれない。

また、明確なヴィランがおらず(ミラベル敵対する祖母も周囲のプレッシャーに苦しんでいたキャラとして描かれ、和解する)、日常に重きをおいたドラマ

だったのでそういうのが好きな人は好きそう。

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